- 投稿日:2025/12/09
- 更新日:2026/01/03
はじめに:元証券マンが選んだ「完全無欠の無職」という生存戦略
こんにちは、ニカイドウです。
現在の私の肩書きを一言で表すなら、それは「完全無欠の無職」です。
こう聞くと、多くの人は驚かれるかもしれません。あるいは、何か特別な事情でドロップアウトしたのではないか、と不審に思う方もいるでしょう。しかし、これは私自身が主体的に選び取った、次なるステップへの「戦略的休止」なのです。
私は2024年12月まで、国内の大手証券会社に勤務していました。長年、営業職として最前線で走り続け、営業成績は常に上位20%以内をキープしてきました。最後の5年間は営業課長としてマネジメント業務に携わり、部下たちの育成に心血を注ぐ毎日でした。キャリアだけを見れば、周囲からは順風満帆に見えていたはずです。
しかし、私はその安定した地位を、自らの意志で手放しました。
理由は極めてシンプルです。「会社という組織において、自分ができること、そしてやりたいことはすべてやり遂げた」という確信が持てたからです。そして、何より大きな後ろ盾となったのが、入社以来続けてきた「肉体の限界まで挑む積立投資」でした。
長年の資産形成によって、当面の生活に困らない経済的自由の土台を築くことができました。だからこそ、2026年1月に予定している「自分一人での株式会社設立」という新たな挑戦に向けて、一度すべてをリセットし、自分自身を「無色透明」な状態に戻す必要があったのです。
これからの人生を自分の事業にフルベットするために、私が辿り着いた答え。それが「ミニマムライフ(最小限の生活)」です。
お金、時間、そして心の平穏。これらを最大化させる秘訣は、何かを付け足すことではありません。不要なものを徹底的に「削ぎ落とす」ことにこそ、本質があります。
本記事では、元証券マンであり1級FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)としての視点を交えながら、「資産形成」と「ミニマリズム」をいかに融合させ、究極の自由を掴み取るかについて、論理的に解説していきます。
第1章:なぜ人はお金持ちになれないのか?「パーキンソンの法則」という呪縛
証券会社でのコンサルティング業務を通じて、私は何千人もの資産状況を目の当たりにしてきました。そこで得た残酷な結論があります。
それは、「収入の多寡と、資産の残高は、必ずしも比例しない」ということです。
年収が2,000万円あっても貯金がほぼゼロの人がいる一方で、平均的な年収でも着実に億単位の資産を築く人がいます。この差は一体どこから生まれるのでしょうか。その鍵を握るのが、人間心理に深く根ざした「パーキンソンの法則」です。
収入と支出のイタチごっこ
パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者が提唱した概念です。その第二法則には、次のような言葉があります。
私たちは、意識的にコントロールしない限り、入ってきたお金を「あるだけ使ってしまう」習性を持っています。
給料が上がれば、ランチの単価を上げる。
ボーナスが入れば、高価な服や時計を買う。
役職が上がれば、家賃の高い部屋へ引っ越したり、車を買い替えたりする。
このように、生活水準を一度上げてしまうと、それを下げることは極めて困難になります。これを「ラットレース」と呼びます。どれだけ速く走っても(=稼いでも)、支出が背後から追いかけてくるため、いつまでもゴールに辿り着けないのです。
ミニマリズムは「資産形成」における最強の防具
私が証券マンとして働きながら、周囲に流されずに資産を築けたのは、この「パーキンソンの法則」の存在を熟知し、徹底的に抗ったからです。
私の設定したルールは至って単純でした。 「収入がどれほど増えても、生活レベルは1ミリも上げない」
私の特技は「ストイックな資産形成」です。給与が入った瞬間に、生活に必要な最小限のコストを除いたすべての余剰資金を投資に回す。いや、むしろ他をすべて差し置いてもまず積立投資に資金を回す。これを機械的に、呼吸をするように継続してきました。
ここで大きな役割を果たしたのが「ミニマリズム」の思考です。 多くの人はミニマリズムを単なる「片付け術」や「モノを減らす趣味」と捉えています。しかし、資産形成の文脈におけるミニマリズムとは、自分の欲望が際限なく膨張するのを防ぐための「最強のディフェンス(防具)」なのです。
「足るを知る」という知性がお金を生む
モノが少なければ、広い家を借りる必要がなくなり、人生最大の固定費である「住居費」を低く抑えられます。 服が少なければ、季節ごとの流行に惑わされて浪費することも、毎朝のコーディネートに脳のエネルギーを浪費することもありません。 見栄を張るためのブランド品や高級車が不要になれば、他人との比較によるストレスからも解放されます。
「今の自分は、すでに十分に満たされている」 この「足るを知る(知足)」という精神状態に到達することこそ、現代において最も価値のある知性です。このマインドセットさえ確立できれば、お金は驚くべきスピードで貯まり始めます。
投資において「攻め(利回りの追求)」を意識する前に、まずは「守り(支出のコントロール)」を盤石にする。これが、私が提唱する資産形成の鉄則です。
第2章:バスルームから革命を。常識を断捨離する技術
精神論だけでは現実は変わりません。具体的な行動が必要です。私がまず着手し、劇的な効果を感じたのが「バスルーム」の断捨離でした。
皆さんの自宅のバスルームを思い浮かべてみてください。 シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジング、シェービングフォーム……。数多くのプラスチックボトルが並んでいないでしょうか。
それらのボトルは、底がヌルヌルしたり、赤カビの原因になったりします。中身がなくなれば詰め替え作業が発生し、ボトルの数だけ在庫管理の手間も増えます。これらはすべて、微細ながらも確実に私たちの「時間」と「精神エネルギー」を奪っているノイズです。
バスルームにある「たった1つ」のモノ
現在の私のバスルームにあるのは、壁にマグネットで固定した「オールインワンシャンプー」のボトル1本だけです。しかもそれは基本妻が使うもので、私は全くとはいいませんが、ほとんど使いません。
これ1本で、妻は髪、顔、体をすべて洗います。私はたまに髪を洗います。髪は洗いますが、頭皮はシャンプーで洗わないことがこだわりです。「そんなことで大丈夫なのか?」と思われるかもしれません。しかし、実際に運用してみると、これほど快適なことはありません。
「肌断食」という理にかなったケア
このスタイルは、私が実践している「肌断食」というメソッドに基づいています。 現代人の多くは、過剰な洗浄と保湿のサイクルに陥っています。強力な洗浄剤で肌に必要な皮脂まで奪い去り、乾燥した肌に化学物質を含む保湿剤を塗り重ねる。この「マッチポンプ」のような行為が、肌本来のバリア機能を弱めている側面があるのです。
洗いすぎ、塗りすぎをやめる。 肌本来の力を信じ、最小限のケアに留める。 この生活を始めてから、私の肌のコンディションは以前よりも格段に安定しました。何より、大量の化粧品を管理するストレスから解放されたメリットは計り知れません。 (※ただし、肌質には個人差があるため、ご自身の体調に合わせて調整することをお勧めします)
掃除というタスクからの根本的な解放
モノを減らす最大の恩恵は、「掃除の概念が変わる」ことです。
お風呂場にモノがなければ、汚れが溜まる場所そのものがなくなります。ボトルの底を拭く手間も、棚を磨く手間も不要です。入浴後に熱いシャワーで壁を流し、換気扇を回す。これだけで清潔な状態が維持されます。
「お風呂には複数のケア用品があるべき」という固定観念を捨てる。 その小さな一歩が、あなたの「清潔な環境」と「自由な時間」を同時に生み出してくれるのです。
第3章:人生の時間は有限。「広告」というノイズを遮断せよ
モノの断捨離の次は、情報の断捨離です。 現代において、私たちの貴重な資源である「時間」と「集中力」を奪う最大の敵は何でしょうか。
それは「広告」です。
テレビ、スマホ、SNS、YouTube、街中の看板。私たちは1日のうち、数千件もの広告にさらされていると言われています。広告は、私たちの脳に「今のままでは足りない」「これがなければ不幸だ」というメッセージを送り続け、不要な消費を促します。
私は、「ノイズを減らすために課金する」ことこそ、現代において最もリターンが高い投資であると断言します。
デジタルノイズを遮断する3種の神器
私が実践している、デジタル環境における「防御策」を3つご紹介します。
私はPCでもスマホでも、デフォルトのブラウザを「Brave」に設定しています。 このブラウザの最大の特徴は、標準機能としてWeb上の広告や追跡トラッカーを自動的にブロックしてくれる点です。
ニュース記事を読む際に挟み込まれる不快なバナーや、動画の前に流れる広告がすべて消え去ります。結果としてページの読み込み速度が飛躍的に向上し、データ通信量の節約にもつながります。一度この「清潔なWeb環境」を体験すると、以前の状態には二度と戻れません。
「YouTubeを無料で見るのは当たり前」という考え方は、時間単価の観点から見れば非常に危険です。 動画の途中で強制的に差し込まれる広告は、私たちの思考を分断し、集中力を削ぎます。
月額料金を払うことで広告をゼロにし、バックグラウンド再生を可能にする。これによって、移動中や家事の最中も「耳からの学習」に集中できるようになります。これは単なる娯楽のための課金ではなく、「良質な学習時間を買うための投資」なのです。
スマホの通知が鳴るたびに意識を奪われる生活は、自分の人生の主導権を他人に明け渡しているのと同じです。 私は、緊急性の高い連絡を除き、ほぼすべてのアプリの通知をオフにしています。緊急時用に家族のLINEのみ通知オンにしています。LINEも相手ごとに通知オフにできるので、ほぼすべて通知オフにしています。
スマホは「情報に追いかけられる道具」ではなく、「必要な時に自分から情報を取りに行く道具」であるべきです。ホーム画面のアプリを最小限に絞り込み、SNSの利用時間を制限する。これだけで、現代人が失いがちな「深い思考に耽る時間」を取り戻すことができます。
第4章:思考も持ち物も、すべては「自由」のために
なぜ、私はここまで徹底して「減らす」ことにこだわるのでしょうか。 それは、単なる節約や効率化が目的ではありません。すべては、「自分の人生の主導権を自分の手に取り戻すため」です。
「所有」という名の重荷を下ろす
多くの人は、モノを所有することが幸福に直結すると信じています。 しかし、所有には必ず「コスト」が発生します。 購入費用だけでなく、維持費、管理の手間、盗難や紛失のリスク、そしていつかは発生する処分の悩み。モノが増えれば増えるほど、私たちの心はその管理に縛られ、身動きが取りづらくなります。
私の現在の生活は、一見すると極端で、不便そうに見えるかもしれません。 しかし、この身軽さがもたらす解放感は、何物にも代えがたいものです。失うものが少ないということは、それだけ「新しい世界へ飛び出す心理的ハードルが低い」ことを意味します。
次なる挑戦:2026年、起業への道
私は現在「完全無欠の無職」という肩書きを名乗っていますが、これは決して隠居生活への入り口ではありません。むしろ、これからの人生という本番に向けた「全力の助走」期間です。
2026年1月。私は自分一人で株式会社を設立します。 会社員時代に培った金融の知識、営業力、マネジメント経験。そしてミニマリズムによって磨き上げた「本質を見極める力」。これらをすべて注ぎ込み、小さくとも強固な事業を創り上げる予定です。
私の築いてきた資産は、贅沢をするためのものではありません。事業が軌道に乗るまでの「バッファ」であり、挑戦し続けるための「最強の防具」です。 「最悪、失敗してもこれだけの資産があるから大丈夫だ。生活コストが低いから、何度でもやり直せる」 この圧倒的な安心感があるからこそ、私は守りに入ることなく、攻めの経営ができるのだと確信しています。
最後に:シンプルで贅沢な毎日へ
私の生存戦略を振り返ってみましょう。
パーキンソンの法則を理解し、支出の膨張を徹底的に抑える。
ミニマリズムを「資産形成の防具」として活用する。
常識を疑い、お風呂場やスマホの中からノイズを排除する。
減らすことで生まれた「余白」を、新しい挑戦(起業)へ投資する。
私の提案するミニマムライフは、単なる我慢の生活ではありません。 「自分にとって本当に大切なもの」を明確にするための、知的でクリエイティブな作業です。
余計な荷物を手放した先には、驚くほど静かで、自由な空間が広がっています。 朝陽と共に目覚め、雑音に惑わされることなく自分の仕事に没頭し、夜は穏やかな心で眠りにつく。そんな、シンプルながらもこの上なく贅沢な毎日が、そこにはあります。
情報が溢れ、消費を煽られる現代社会。 だからこそ、一度立ち止まって自分自身に問いかけてみてください。
「その荷物は、本当にあなたの旅に必要ですか?」 「その出費は、あなたの心からの喜びに繋がっていますか?」
もし、少しでも違和感を感じるなら、まずは何か一つ、手放すことから始めてみてください。恐怖を感じるのは最初の一瞬だけです。重荷を下ろした瞬間、あなたの体と心は驚くほど軽くなり、新しい未来への一歩を踏み出せるようになるはずです。
元証券マン、ニカイドウの第二章。 本当の勝負は、ここから始まります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ニカイドウ
