- 投稿日:2025/12/26
個人事業主として新しい一歩を踏み出す。その希望に満ちた瞬間は、同時に多くの事務手続きという現実に直面する時でもあります。「どの書類を、いつまでに、どこへ提出すればいいのか?」そんな疑問や不安を抱える方も少なくないでしょう。
この記事では、現役の公認会計士が特に重要だと指摘する、開業時の書類に関する3つの重要ポイントを解説します。複雑な手続きをシンプルに理解し、あなたのビジネスが最高のスタートを切るためのお手伝いができれば幸いです。

ポイント1:【必須】「開業届」と「青色申告承認申請書」は必ずセットで提出する
個人事業を始めるにあたり、「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」の提出は誰もが知る基本です。しかし、専門家が口を酸っぱくして言うのは、「青色申告承認申請書」を必ず同時に提出すべきだということです。
この2つの書類をセットで提出することで、将来の確定申告において税制上の大きなメリットを享受できる道が開かれます。青色申告は、単なる節税以上の意味を持ち、事業の財務状況を健全に管理する意識を高める第一歩とも言えます。この最初の手間を惜しまないことが、後々の経営に大きな差を生むと専門家は指摘します。

ポイント2:【条件次第】家族への給与も対象?「給与支払事務所等の開設届出書」
次に、多くの新米事業主が見落としがちなのが「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」です。この書類は、従業員を一人でも雇用し、給与を支払い始める際に提出が必要となります。
特に注意したいのは、その対象が外部の従業員に限らないという点です。事業を手伝う家族に対して給与を支払う場合にも、この届出が必要になるケースがあります。人を雇う、あるいは家族に給与を支払い始めるといった事業の変化のタイミングで提出義務が発生するため、将来の事業計画を立てる段階から頭に入れておくことが大切です。

ポイント3:【要注意】提出は慎重に!「消費税課税事業者選択届出書」の落とし穴
最後に、専門家が提出に際して慎重な判断を求めると警鐘を鳴らすのが「消費税課税事業者選択届出書」です。この書類を提出すると、本来は納税が免除される売上規模であっても、自ら消費税の課税事業者となることを選択できます。
仕入れにかかった消費税の還付を受けられる可能性があるなど、一見するとメリットがあるように思えるかもしれません。しかし、多くのスタートアップにとって、開業当初は納税が免除される立場でいる方が有利なケースがほとんどです。一度課税事業者を選択すると、一定期間はその選択を取り消せないという重要な制約もあります。自社の事業モデルをよく検討し、安易に提出しないよう注意が必要です。

まとめ
事業を始める際の書類提出は、単なる義務ではありません。それは、あなたのビジネスを税制面で守り、成長を後押しするための重要な戦略の一部です。特に「開業届と青色申告承認申請書のセット提出」「給与支払事務所等の開設届出書の適切なタイミングでの提出」、そして「消費税課税事業者選択届出書の慎重な判断」は、将来の経営に大きな影響を与えます。
あなたのビジネスの第一歩、万全の準備で踏み出せていますか?

