• 投稿日:2026/01/01
  • 更新日:2026/01/02
イラストレーターと料理人

イラストレーターと料理人

榎本よしたか@イラストレーター

榎本よしたか@イラストレーター

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イラストレーターを容易に目指すべきではない?

最近、SNS等で「イラストレーターを容易に目指すべきではない」という意見に触れる機会が多かったのですが、それについて思うところがあったので、自分の職業「イラストレーター」について少し語ってみたいと思います。

フリーランスのイラストレーターという仕事は料理人に似ているなぁと前々から思っていて、お客さんの要望を聞いて料理を提供するお仕事と基本は同じじゃないかな、と思っています。

世間に名を轟かせるカリスマシェフもいれば街の定食屋さんもいて、それぞれ必要とされて存在していると思うんです。

カリスマシェフになれるのは1万人に1人、だから安易に料理人を目指さないほうがいい!と調理師学校の学生に言う人はちょっと聞いたことがないのですが、クリエイティブ界隈だとわりと耳にする忠告だったりします。

群雄割拠の萌え絵業界に置いてはなるほど正しい意見に聞こえますが、実はその裾野は広い。

どの駅前にもひとつふたつある定食屋さんが地元民に愛されて長年経営できているように、有名ではないけれど、喜んでくれる誰かがいて、それを供給しつづけることで食べていけるというクリエイティブ界隈もあると思うんです。

僕は定食屋さんのような存在

僕は自分をそんな定食屋さんのような存在だと思っていて、餃子定食も出せばミートスパゲティも作るように、ほのぼのイラストも描けば、リアルイラストも描きます。もし誰かに「高級フレンチのフルコースが作れないような料理人はプロの料理人じゃない!」的なことを言われたとしても「僕とは関係ない話だな」という感じで聞き流します。

僕の場合、法廷画というちょっと変わったメニューを出しているのでたまにメディアに注目されて取材を受けたりテレビ出演したりもしますが、これも風変わりな料理を出す定食屋がたまにテレビに出ているのに似ているな、と思っています。「トンカツにメープルシロップ?!果たして合うのでしょうか、突撃取材してみました!」的な。

イラストをなぜ料理に例えるのか

イラストを料理に例えるのは結構有効な気がしていて、たとえば納品後にクライアントが「結局これとこれ使わなかったからその分料金無しでいいですか?」と言われた時(何度かある)、注文した料理を食べなかったからお金払わないと言ってわかりましたというレストランがあるでしょうか、と例えるとこちらの言い分がスムーズに分かってもらえたりします。

修正依頼があったときに修正費がかかりますと言うと渋い顔をされたときなどにも有効で、デミグラスハンバーグを依頼されて、作っている最中に「やっぱり和風ハンバーグにして」と言われたら途中でも無償で対応できますが、「やっぱサイコロステーキにしてくれる?」と言うレベルの修正だと「では追加料金いただきます」となるでしょうというと伝わります。

ろくに包丁も握らないで「あーー料理うまくなりてぇなー」なんて言うだけの人はもちろん論外ですが、それはどの業界でも同じこと。描いてもないのに絵はうまくなりません。けれども人に喜んでもらえるように絵を練習して必要とされて、人が喜んでくれたことを自分の喜びとできるような人には道は開けると思います。

プロを目指す方へ伝えたいこと

なので、プロを目指す学生さんには、調理師学校を卒業して定食屋さんになるのも、コンクールで優勝するような一流シェフを目指すのも、どこかと契約してチェーン店を開くのも自由、いろんな道、いろんな生き方があるんですよと言うように、クリエイティブ業界にも道が多岐にわたっていることを伝えてあげるのが業界にとってもいいことなんじゃないかなぁ感じています。

どうしてもスポットライトが当たっている場所ばかり目立ってしまうので、この業界でやっていくにはあそこに立つしか道はない!なんて思ってしまいがちですが、あそこに立てた者が勝ち、立てなかった者は負け、といった価値観で固定してしまうよりも、自分の強みは何か、自分の武器は何か、自分には何ができて何が向いているのかを試行錯誤の中で見極めて、自分に合った道を見出していくということがクリエイターとして大切なことなんじゃないかなぁとそんなことを思ったのでした。

プロとしての在り方を考える際、何かの参考になれば幸いです。

おしまい。

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榎本よしたか@イラストレーター

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この記事のレビュー(5
  • 会員ID:qaicQo1f
    会員ID:qaicQo1f
    2026/01/03

    「カリスマシェフになれるのは1万人に1人、だから安易に料理人を目指さないほうがいい!と調理師学校の学生に言う人はちょっと聞いたことがない」 この一文がすとんと入ってきました👀めっちゃわかりやすかったです! 修正依頼の話も料理に例えると納得ですね👀✨️

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者

  • 会員ID:qXonm8hz
    会員ID:qXonm8hz
    2026/01/03

    記事を読んで、とても刺さる言葉というか、いい考え方だなーと思う言葉があって、とても勇気づけられました!ありがとうございました😊 「どの駅前にもひとつふたつある定食屋さんが地元民に愛されて長年経営できているように、有名ではないけれど、喜んでくれる誰かがいて、それを供給しつづけることで食べていけるというクリエイティブ界隈もある」 僕も今Web制作関連で個人事業に踏み出し始めたのですが、自分なりに頑張ろうと思えました。

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者

  • 会員ID:msaVbCmR
    会員ID:msaVbCmR
    2026/01/02

    こうじろうさんのつぶやきから来ました。 イラスト描いている方は、AIの席巻もあって悩んでいらっしゃる方が多い印象を受けていました。 在り方として " こんな伝え方や考え方も有るようだよ " と、お話しできるとても参考になるお話でした🙏

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者

  • 会員ID:B0gOc8Jq
    会員ID:B0gOc8Jq
    2026/01/02

    榎本よしたかさん✨ おはようございます! お久しぶりです。 とても腑に落ちる記事でした。 「イラストレーター=料理人」「自分は定食屋」という例えが秀逸で、プロであることの本質が一気に言語化されていたと思います。 カリスマシェフだけが正解ではなく、誰かの日常を支える定食屋にも確かな価値がある──これはクリエイティブ業界だけでなく、どの仕事にも通じる話ですね。 特に、料金や修正の話を料理に例えて説明するくだりは現場感があり、実践的で説得力がありました。「頼んだ料理を食べなかったから払わない」が通らないのと同じ、という視点はとても分かりやすいです。 スポットライトの当たる場所だけを成功とせず、自分の強み・立ち位置を見極めて生きていく。 その姿勢自体が、すでにプロだと感じました。 これから目指す人にも、今悩んでいる人にも、静かに背中を押してくれる良い記事だと思います。

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者

  • 会員ID:LL1O6710
    会員ID:LL1O6710
    2026/01/01

    よしたかさん、素敵な記事をありがとうございました✨ 私はプロになりたいわけではありませんが、なんでもやってみたくなる性格なので、イラストAC に投稿して、小銭を稼いでいます。 プロみたいにはいかないなぁ〜とがっかりしながらも、楽しくやっています。 私のイラストは、冷蔵庫の残りもので作る主婦の料理といったところですが、それはそれでアリかなと思えました。 ありがとうございました☺️

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者

    2026/01/02

    fujiさん、コメントありがとうございます~!励みになります!イラストACで稼げているのはスゴいことだと思います~^^

    榎本よしたか@イラストレーター

    投稿者