- 投稿日:2026/02/20
「糸引きが取れない😩」「表面がガタつく…」という経験はありませんか?
今回は、糸引き対策とフローキャリブレーションについて解説します!特にPETGの糸引きは「リトラクション不足」だけが原因ではありません🧵
🧵 糸引きの基礎知識
糸引きとは?
ノズルが移動する時に、溶けたフィラメントが糸のように伸びる現象です。これを防ぐのが「引き戻し」(リトラクション)設定ですね💡
ダイレクトドライブの特性
Bambu Labのプリンターは「全機種ダイレクトドライブ方式」です!
① ダイレクトドライブ → リトラクション距離は「0.4〜1.2mm程度」
② ボーデン式 → 3〜6mm必要
ダイレクトドライブはエクストルーダーモーターがノズル直上にあるため、フィラメントの制御応答性が高いんです。だから短い距離で十分!✨
⚠️ 過剰リトラクションの危険
引き戻しすぎは逆効果です!
2mm以上に設定すると、溶けたフィラメントが冷却ゾーンまで引き上げられて固まり、「詰まりの原因」になります😱
🔧 素材別リトラクション設定
PLA / ABS / ASA
比較的簡単な素材です😊
・デフォルト(0.8mm、30mm/s)でOK
・糸引き時は +0.1〜0.2mm刻みで増加(最大1.2mm)
・温度を5℃下げるのも効果的!
PETG(最難関)🔥
PETGは粘度が高くて、しかも吸湿しやすい。糸引きが発生しやすい「最難関」素材です💦
PETGの糸引きの真犯人は?
実は、PETGの糸引きの真犯人は「吸湿」なんです!💧
PETGは空気中の水分を吸います。その状態で加熱すると、内部で水分が気化して蒸気圧でフィラメントを押し出してしまう。
これ、リトラクションでは防げません!
PETG対策の優先順位📋
① 【最優先】フィラメント乾燥 → 65℃で8時間以上。まずはコレ!
② 温度を下げる → 255℃ → 245℃
③ リトラクション速度を落とす → 30mm/s → 25mm/s
④ リトラクション距離を上げる → これは最後の手段
TPU(特殊)🤸
TPUはゴムのように弾性があるため、引き戻すと「伸びる」だけでノズル先端の圧力が下がりません。
TPUの設定
・リトラクションは「OFF(0mm)」または0.4mm以下
・「ウォールの交差を回避」(Avoid Crossing Walls)をON
・「最大体積速度」を 2〜3mm³/s に制限
✨ 補助機能
リトラクション時に拭き上げ (Wipe)
リトラクションと同時にノズルを横に振って、先端の余分な樹脂を擦り付ける機能です!
リトラク時のZホップ (Spiral Z Hop)
ノズルを螺旋状に持ち上げる機能です。通常のZホップより「切れ」が良くなって、糸引きを減らせます🌀
📊 流量比の調整
流量比とは?
まず大事なポイント💡
・「流量」は → 量の調整
・「最大体積速度」は → スピードの上限
・「圧力補正」は → 内部制御
それぞれ役割が違うんです!
流量比は、スライサーが計算した理論上の吐出体積に対する補正係数です。
・1.0 → 100%(理論値通り)
・0.95 → 5%少なく押し出す
Bambu Lab純正フィラメントは精度が高いので、デフォルトの0.98〜1.0で最適化されています。
でも、サードパーティ製フィラメントや、吸湿して直径が変わったフィラメントは、個別調整が必要です🔧
🎯 キャリブレーション方法
自動流量キャリブレーション(X1/X1C)
LiDARセンサーを使ってテストパターンをスキャンし、最適値を自動で出力してくれます。便利!✨
ただし、弱点もあります⚠️
・透明素材
・高光沢なシルク素材
・凹凸のあるテクスチャプレート
これら「光が安定して反射しない条件」では、計測精度が落ちることがあるんですよね🤔
そういう場合や、P1・A1シリーズなどLiDAR非搭載機では、手動で流量比を調整していきます。
手動での流量比調整(全機種)
フィラメント設定の「流量比」を変更して、テストプリントを繰り返します。
まず広めに値を動かして傾向をつかみます。たとえば0.92、0.96、1.00のように大きく振って、「多すぎ」と「少なすぎ」の境目を見つけましょう🔍
次に、良さそうな値の周辺を1〜2%刻みで細かく詰めていきます。
判定のコツ👆
・指でなぞってザラつきがないこと
・光にかざしてライン間の溝が見えないこと
⚙️ 圧力補正(PA)について
PAとは?
流量比が「量」の調整なら、PAは「タイミング」の調整です!
ノズル内の樹脂には圧力応答の遅れがあります。
・加速時 → 吐出が遅れる
・減速時 → 余剰圧で漏れる
PAはこの遅れを予測して、先読みで調整する機能です。
基本は内部制御🤖
Bambu Studioでは、圧力補正は基本的に「内部制御」されていて、ユーザーが数値を直接いじる項目はありません。
「流量ダイナミクス」のキャリブレーションを行うことで、自動的にプロファイルに保存されます。数値入力は不要です!
🎯 設定の役割分担まとめ
「どれを調整すれば何が変わるの?」をスッキリ整理:
① 最大体積速度 → 「キャップを決める」(どこまで速く溶かせるかの上限)
② 流量比 → 「全体の量を合わせる」(フィラメント径の誤差を吸収)
③ リトラクション → 「糸引きを抑える」(移動中の漏れを防ぐ)
圧力補正 → 機械任せでOK🤖
この役割分担を覚えるだけで、何を調整すべきかに迷わなくなります。
📝 まとめ
① 【PETGの糸引き】「乾燥」が最優先!リトラクションより先にフィラメントを乾かす
② 【TPU】リトラクションは「OFF」。代わりに「ウォールの交差を回避」と低速で対応
③ 【流量】「手動で流量比を調整」して追い込む。特にサードパーティ製は必須!
🏁 シリーズ総括
「スライサー設定 完全攻略」シリーズ全4回が終了です!🎉
① 第1回「基礎」→ 積層ピッチ・壁・インフィル
② 第2回「速度と温度」→ 三角形の関係(1つ変えたら他も調整)
③ 第3回「定着と継ぎ目」→ マウス耳型ブリム・スカーフ継ぎ目
④ 第4回「糸引きと流量」→ リトラクション・キャリブレーション
これで「プリセットの中身が読める」「自分で調整できる」レベルになったはずです💪
プリセットは優秀ですが、万能ではありません。素材が変わったり、季節が変わったり、求める品質が変わったりしたとき、自分で調整できる力が必要です!
✅ 今日やること
① PETGで糸引きが出たら、まず乾燥!リトラクションより先にフィラメントを乾かす
② サードパーティ製フィラメントを使うなら、手動で流量比を調整してみる
③ 前回のマウス耳型ブリムとスカーフ継ぎ目、今回の糸引き対策、全部組み合わせて「後加工ゼロ」を目指す!🚀
数値まとめ
・ダイレクトドライブリトラクション → 0.4-1.2mm程度
・PETG乾燥 → 65℃・8時間
・TPU最大体積速度 → 2-3mm³/s
・流量比の手動調整 → まず広く値を振って傾向把握、良い値の周辺を1-2%刻みで微調整