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  • 投稿日:2026/02/20

仕上げの極意・後編 ― 糸引きとフローを極める

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まー@3Dプリンタ×AI

まー@3Dプリンタ×AI

この記事は約6分で読めます
要約
糸引きに悩んだら、まず乾燥。 流量は整え、速度は見極め、圧力は任せる。 設定の“役割分担”を知れば、造形は一段上へ。 プリセットを超えて、自分の一台に仕上げよう。✨

「糸引きが取れない😩」「表面がガタつく…」という経験はありませんか?

今回は、糸引き対策とフローキャリブレーションについて解説します!特にPETGの糸引きは「リトラクション不足」だけが原因ではありません🧵

002.jpg🧵 糸引きの基礎知識

糸引きとは?

005.jpgノズルが移動する時に、溶けたフィラメントが糸のように伸びる現象です。これを防ぐのが「引き戻し」(リトラクション)設定ですね💡

ダイレクトドライブの特性

006.jpgBambu Labのプリンターは「全機種ダイレクトドライブ方式」です!

① ダイレクトドライブ → リトラクション距離は「0.4〜1.2mm程度」

② ボーデン式 → 3〜6mm必要

ダイレクトドライブはエクストルーダーモーターがノズル直上にあるため、フィラメントの制御応答性が高いんです。だから短い距離で十分!✨

⚠️ 過剰リトラクションの危険

007.jpg引き戻しすぎは逆効果です!

2mm以上に設定すると、溶けたフィラメントが冷却ゾーンまで引き上げられて固まり、「詰まりの原因」になります😱

🔧 素材別リトラクション設定

PLA / ABS / ASA

008.jpg比較的簡単な素材です😊

・デフォルト(0.8mm、30mm/s)でOK

・糸引き時は +0.1〜0.2mm刻みで増加(最大1.2mm)

・温度を5℃下げるのも効果的!

PETG(最難関)🔥

009.jpgPETGは粘度が高くて、しかも吸湿しやすい。糸引きが発生しやすい「最難関」素材です💦

PETGの糸引きの真犯人は?

010.jpg実は、PETGの糸引きの真犯人は「吸湿」なんです!💧

PETGは空気中の水分を吸います。その状態で加熱すると、内部で水分が気化して蒸気圧でフィラメントを押し出してしまう。

これ、リトラクションでは防げません!

PETG対策の優先順位📋

011.jpg① 【最優先】フィラメント乾燥 → 65℃で8時間以上。まずはコレ!

② 温度を下げる → 255℃ → 245℃

③ リトラクション速度を落とす → 30mm/s → 25mm/s

④ リトラクション距離を上げる → これは最後の手段

TPU(特殊)🤸

012.jpgTPUはゴムのように弾性があるため、引き戻すと「伸びる」だけでノズル先端の圧力が下がりません。

TPUの設定

013.jpg・リトラクションは「OFF(0mm)」または0.4mm以下

・「ウォールの交差を回避」(Avoid Crossing Walls)をON

・「最大体積速度」を 2〜3mm³/s に制限

✨ 補助機能

014.jpgリトラクション時に拭き上げ (Wipe)

リトラクションと同時にノズルを横に振って、先端の余分な樹脂を擦り付ける機能です!

リトラク時のZホップ (Spiral Z Hop)

ノズルを螺旋状に持ち上げる機能です。通常のZホップより「切れ」が良くなって、糸引きを減らせます🌀

📊 流量比の調整

流量比とは?

015.jpgまず大事なポイント💡

・「流量」は → 量の調整

・「最大体積速度」は → スピードの上限

・「圧力補正」は → 内部制御

それぞれ役割が違うんです!

流量比は、スライサーが計算した理論上の吐出体積に対する補正係数です。

・1.0 → 100%(理論値通り)

・0.95 → 5%少なく押し出す

Bambu Lab純正フィラメントは精度が高いので、デフォルトの0.98〜1.0で最適化されています。

でも、サードパーティ製フィラメントや、吸湿して直径が変わったフィラメントは、個別調整が必要です🔧

🎯 キャリブレーション方法

自動流量キャリブレーション(X1/X1C)

016.jpgLiDARセンサーを使ってテストパターンをスキャンし、最適値を自動で出力してくれます。便利!✨

ただし、弱点もあります⚠️

・透明素材

・高光沢なシルク素材

・凹凸のあるテクスチャプレート

これら「光が安定して反射しない条件」では、計測精度が落ちることがあるんですよね🤔

そういう場合や、P1・A1シリーズなどLiDAR非搭載機では、手動で流量比を調整していきます。

手動での流量比調整(全機種)

0017.jpgフィラメント設定の「流量比」を変更して、テストプリントを繰り返します。

まず広めに値を動かして傾向をつかみます。たとえば0.92、0.96、1.00のように大きく振って、「多すぎ」と「少なすぎ」の境目を見つけましょう🔍

次に、良さそうな値の周辺を1〜2%刻みで細かく詰めていきます。

判定のコツ👆

・指でなぞってザラつきがないこと

・光にかざしてライン間の溝が見えないこと

⚙️ 圧力補正(PA)について

0018.jpgPAとは?

流量比が「量」の調整なら、PAは「タイミング」の調整です!

ノズル内の樹脂には圧力応答の遅れがあります。

・加速時 → 吐出が遅れる

・減速時 → 余剰圧で漏れる

PAはこの遅れを予測して、先読みで調整する機能です。

基本は内部制御🤖

Bambu Studioでは、圧力補正は基本的に「内部制御」されていて、ユーザーが数値を直接いじる項目はありません。

「流量ダイナミクス」のキャリブレーションを行うことで、自動的にプロファイルに保存されます。数値入力は不要です!

🎯 設定の役割分担まとめ

0019.jpg「どれを調整すれば何が変わるの?」をスッキリ整理:

① 最大体積速度 → 「キャップを決める」(どこまで速く溶かせるかの上限)

② 流量比 → 「全体の量を合わせる」(フィラメント径の誤差を吸収)

③ リトラクション → 「糸引きを抑える」(移動中の漏れを防ぐ)

圧力補正 → 機械任せでOK🤖

この役割分担を覚えるだけで、何を調整すべきかに迷わなくなります。

📝 まとめ

020.jpg① 【PETGの糸引き】「乾燥」が最優先!リトラクションより先にフィラメントを乾かす

② 【TPU】リトラクションは「OFF」。代わりに「ウォールの交差を回避」と低速で対応

③ 【流量】「手動で流量比を調整」して追い込む。特にサードパーティ製は必須!

🏁 シリーズ総括

021.jpg「スライサー設定 完全攻略」シリーズ全4回が終了です!🎉

① 第1回「基礎」→ 積層ピッチ・壁・インフィル

② 第2回「速度と温度」→ 三角形の関係(1つ変えたら他も調整)

③ 第3回「定着と継ぎ目」→ マウス耳型ブリム・スカーフ継ぎ目

④ 第4回「糸引きと流量」→ リトラクション・キャリブレーション

022.jpgこれで「プリセットの中身が読める」「自分で調整できる」レベルになったはずです💪

プリセットは優秀ですが、万能ではありません。素材が変わったり、季節が変わったり、求める品質が変わったりしたとき、自分で調整できる力が必要です!

✅ 今日やること

023.jpg① PETGで糸引きが出たら、まず乾燥!リトラクションより先にフィラメントを乾かす

② サードパーティ製フィラメントを使うなら、手動で流量比を調整してみる

③ 前回のマウス耳型ブリムとスカーフ継ぎ目、今回の糸引き対策、全部組み合わせて「後加工ゼロ」を目指す!🚀

数値まとめ

・ダイレクトドライブリトラクション → 0.4-1.2mm程度

・PETG乾燥 → 65℃・8時間

・TPU最大体積速度 → 2-3mm³/s

・流量比の手動調整 → まず広く値を振って傾向把握、良い値の周辺を1-2%刻みで微調整

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