- 投稿日:2026/03/04

はじめに
3月11日。
あの東日本大震災から15年が経とうとしています。
時間は経ちました。
でも、災害は終わっていません。
地震、台風、豪雨、火災。
形を変えて、毎年どこかで起きています。
この日になると
「防災グッズを見直そう」と言われます。
非常食、防災リュック、ポータブル電源。
もちろん大切です。
ですが――
消防の現場を知る立場から伝えたいことがあります。
本当に最初にやるべき防災は、
“買うこと”ではなく、“整えること”。
なぜなら、命を分けるのは
“物の量”ではなく、“動ける空間”だからです。
地震直後、家はどうなるか
地震が起きた瞬間を想像してください。
・背の高い家具が前に倒れる
・食器棚のガラスが割れる
・棚の物が一斉に落ちる
・冷蔵庫がずれる
・玄関ドアが歪む
・廊下が塞がれる
家は一瞬で、避難困難な空間になります。
暗闇、粉塵、割れたガラス。
その中で探し物はできますか?
防災リュックは“取り出せる場所”にありますか?
整理されていない家では、
防災グッズは“安心材料”にはなっても
“命を守る道具”にはなりません。
防災は「今ある物」を活かすことから
防災は、全部を新しく買い揃えることではありません。
家の中には、すでに使える物があります。
・ペットボトル飲料 → ローリングストック
・レジ袋・ゴミ袋 → 簡易トイレ・防水対策
・タオル → 止血・煙対策
・新聞紙・段ボール → 断熱・簡易ベッド
・スマホ → 懐中電灯・情報収集
問題は“持っているか”ではなく、すぐ取り出せるか。
そして、家族全員が場所を把握しているか。
整理整頓は、防災の土台です。
掃除は「火災リスク低減」
震災後に増えるのが“通電火災”。
さらに日常でも、
・コンセント周りのホコリ
・タコ足配線
・束ねたコード
・紙類の放置
これらは着火リスクを高めます。
物が多いほど、燃え広がる速度も上がる。
整理整頓は、単なる見た目の問題ではなく、
出火確率と延焼確率を下げる行動です。
在宅中とは限らない
災害は、家にいる時とは限りません。
外出中に被災し、帰宅すると
・家具が散乱
・ガラスが割れて侵入不可
・ライフライン停止
・物が取り出せない
「備えていたのに使えない」
この状況が、最も悔しい。
だからこそ、普段から整えておくことが最大の備えです。
今日できること
・ 床の物を1つ減らす
・ 寝室の周りに倒れる家具がないか確認
・ 玄関までの動線を確保
・ 重い物を下に移動
・ 防災グッズの置き場所を家族で共有
・ コンセント周りのホコリを取る
完璧は不要です。
“ゼロか100か”ではなく、確率を少し下げる。
これが防災の本質です。
最後に
防災は特別なイベントではありません。
大切なのは、思い出すことではなく、行動すること。
3月11日を
「考える日」で終わらせず、
「動いた日」に変えましょう。
まずは今日、
家の床にある物を1つ減らす。
それが、未来を守る一歩です。
