- 投稿日:2026/03/01
- 更新日:2026/03/02
「起業してみたいけど、何をすればいいかわからない」
「特別なスキルがないと無理なんでしょ?」
そう思っている方にこそ読んでほしいです。
僕が27歳(3年)で会社を売却(EXIT)するまでに辿った「起業」のリアルを実際に行った実例を交えて、すべて共有します。
そもそも、何の事業で起業したの?
僕はSES(System Engineering Service)事業で起業しました。
SESとは、自社のエンジニアをクライアント企業に常駐させてもらい、技術力を提供することで対価を得るビジネスモデルです。
平たく言えば「エンジニアの派遣」ですが、本来「派遣業」を行うには国からの免許が必要で、創業期にはハードルがとても高くなりがちです。
そのため、SESは「派遣契約」ではなく「準委任契約」という形態をとります。
派遣することでお金をいただくのではなく、あくまで「技術力を提供する」ことでお金をいただくという形です。
そうすることで、資産要件などのハードルを回避しつつ事業をスタートさせられます。
SES経営の本質は「採用 × 営業」
SES経営の本質は驚くほどシンプルです。
「採用コストを抑えて人を集め、待機させずに案件にアサインする」
このサイクルを高速で回し続ける。これだけです。
では、3年前に実際に行っていた「具体的なコツ」を説明していきます。
1. 採用戦略:コストを抑えて「社員数」を最大化する
採用単価(1人あたりの採用コスト)を下げることは、SES経営の生命線です。
ここで、僕が行っていた採用のざっくり年間スケジュールを説明します。
▼採用の年間スケジュール
・4月〜8月:有料求人媒体を交えたメインの採用活動 ※担当者目線としては「質 < 量」・9月〜10月:採用ハードルを高めた採用活動 ※担当者目線としては「質 > 量」・11月〜1月:採用活動は継続しつつ、来年の採用戦略の立案(とは言いつつ、ひまな時期です) ※担当者目線としては「質 > 量」・2月〜3月:求人媒体企業との連携や、撮影などを行い求人記事に使用する素材集め
実際の採用活動として、僕は以下の3段構えで行っていました。
① 【メイン】有料媒体(doda)の運用
大手の転職プラットフォームは、最も「質」と「量」のバランスが良いチャネルです。
初年度、私は広告予算を150万円に設定。掲載期間を2ヶ月に絞り、予算の関係で「露出アップ」のオプションは使いませんでした。
ポイント:自社で撮影を行い、求人原稿の画像素材・文章に全力を注ぐ。結果:この150万円から4名の採用に成功しました。
② 【サブ】行政の支援事業を利用する
意外と知られていないのが、東京都などの自治体が行っている「雇用創出・安定化支援事業」です。
正直、これの存在がめちゃくちゃデカかったです。
当時は「2ヶ月間の給与を自治体が負担する代わりに、派遣社員をお試しで派遣させていただけませんか?」という内容でした。
その方が良ければ、2ヶ月後に正社員として本採用するという形です。
ポイント:2ヶ月間の「お試し期間」で、自社でスキルアップ支援を行いながら並行して営業をかける。結果:企業と本人の相性を見極められるため、ミスマッチも少なく3名を採用。当時はリスクゼロの最強の採用手法でした。
③ 【サブ】Indeedの無料求人
「無料だし、1人でも採れればラッキー」というスタンスで始めたIndeed。
ですが、意外にも最終的に無料で3名の採用が決まりました。
確かに最初の半年は応募自体ほぼ0でしたが、ある日突然、露出が跳ねて応募が増えました。
周りの起業している友人にオススメしたところ、似たようなデータが出たため、ある程度は再現性がありそうな手法かと思います。
2. 営業戦略:エンジニアを「待機」させない
採用が決まっても、アサイン先が決まらなければ給与だけが出ていく「赤字垂れ流し状態」になります。
営業の役割は、採用と同時に「出口」を確保することです。
そのためには採用担当者にも営業の目線を持ってもらうことが最重要です。「人柄だけで採用してしまい、スキルが今の市場にマッチしない」となると「赤字垂れ流し状態」になります。
大きい会社だったら難しいかもしれないですが、営業と採用が密にコミュニケーションを取る or 同じ人が担当することはとても重要です。
※状況にもよりますが、1人の営業マンが担当できる社員数は「20人程度」と見積もっておくと現実と大きく乖離しないと思います。
その他にも、「案件が決まり次第採用」という手法も行っていました。
会社からすれば、案件が決まった時点で採用ができるためノーリスクですし、求職者にとっても「最悪この会社に入れる」という保険を持った状態で求職活動ができるため、Win-Winの形がつくれます。
【起業したての動き】パートナー企業の開拓
SES営業の基本は、エンド企業への直接アプローチではなく、同業他社からの一斉送信メールに対し「うちにはこんなエンジニアいますけど、是非どうですか?」という提案営業になります。
つまり、その一斉メールのメールリストに入れてもらうことで初めて営業ができるようになるということです。
なので、僕は会社を立ち上げてから、まずは3ヶ月で500社を目標に同業の会社にメールを送り、打ち合わせをしてもらい、ひたすら挨拶回りを行いメールリストに入れてもらうということを行なっていました。
正直、実際の提案営業に関してはスピード感持って対応する以外の工夫はせず、普通に提案するだけで案件は決まっていました。
提案の強さはエンジニアのスキルセットや面接での印象(人柄)に左右される部分が大きいと判断し、
「営業がうまくいかない=採用がうまくいっていない」という考え方で判断していました。
※提案している他社の営業マンと仲が良いパターンだと、若干提案が通りやすい感じもしました。(お相手の方も人間なので…笑)
単価交渉
エンジニアのスキルを正当に評価し、クライアントに単価交渉を行うことも大事な仕事です。案件の継続期間が長くなって来たタイミングで単価交渉を行います。
※スキルセットや関係性にもよりますが、半年〜1年ぐらいを目処にしてました
人によっては、単価が10万円/月も上がる方もいらっしゃったので、単価交渉はとても重要になってきます。
3. キャッシュフローに要注意!!
ここまできたら、1と2のサイクルを回し続けるだけなのですが、
SESは特に黒字倒産に注意する必要があります。
※黒字倒産とは:利益は出ている(黒字)にもかかわらず、手元のキャッシュ(現金)が不足し、人件費などの支払いができずに倒産してしまうこと
なぜなら、社員への給料「支払日」と案件先の「売上入金日」に差分があるからです。
つまり、給料を支払ってから売上が入金されるというフローになるため、計算以上に「赤字垂れ流し状態」の待機者が出てしまうと、一気に傾きます。
なので、沢山採用するメインの採用期間中は、特に給料支払の額が一気に増えるため要注意です!!
(採用するタイミングの調整を柔軟に行って対策することも重要です)
ちなみに基本的に支払いサイトは45日が多いです。
※支払いサイトとは:企業間の掛取引において、サービスの提供(締め日)から、実際に代金が支払われるまでの「猶予期間」のこと
4. 伝えたかったこと
今回は、僕が他に経験がないため「SES」という具体的な事例でお話ししました。
ですが、この記事を通して僕が本当に伝えたかったのは、特定の事業の作り方ではなく、「持たざる者の起業のリアル」です。
最初は誰だって、お金も実績も免許もありません。
だからこそ、「今の自分にできること」を見つけ、背伸びせずに一歩を踏み出す勇気が重要です。
一緒に、面白い未来をつくりましょう!
