- 投稿日:2026/04/08
はじめに
会社選びで、年収や知名度は気にしても、離職率までチェックする人はまだ少ないかもしれません。
でも実は、離職率はかなり大事です。
ただし、使い方を間違えると危険です。
離職率は、
「この会社はやりがいがあるか」
をそのまま教えてくれる数字ではありません。
むしろ、
「この会社、何かおかしくないか?」
を見つけるための警戒ランプです。
もちろん、離職率が高い会社が全部ブラック企業とは限りません。
業界によって、人の入れ替わりが多いところもあるからです。
だから大切なのは、
離職率が高いか低いかだけで決めつけないこと。
そして、なぜその数字になっているのかを考えることです。
この記事では、厚労省の定義、業界差、そして公式にどこで調べればいいかまで、初心者向けにわかりやすく整理します。
結論
離職率は、社員のやりがいや会社の魅力を測るための数字ではなく、危ない会社を避けるための数字として使うのが実用的です。
やりがいがあっても辞める人はいます。
結婚、介護、引っ越し、体力、キャリアチェンジでも退職は起こります。
業界によって離職率の相場もかなり違います。
だから、離職率だけ見て
「この会社は良い会社だ」
「この会社はダメだ」
と決めるのは早すぎます。
ただし、離職率が高い会社には、
・長時間労働
・教育不足
・上司との相性問題
・人手不足
・評価への不満
・現場の疲弊
こうした問題が隠れていることがあります。
つまり離職率は、会社の魅力を映す鏡というより、
職場にヒビが入っていないかを見るセンサーです。
厚労省でいう離職率とは?
厚生労働省の「雇用動向調査」では、離職率は「年初の常用労働者数に対する年間の離職者数の割合」です。
ここで大事なのは、この数字だけでは中身までは分からないことです。
たとえば、
・自己都合退職が多いのか
・会社都合が多いのか
・若手が辞めているのか
・定年退職が多いのか
そこまでは、この数字単体では見えません。
なので離職率は、単独で使うよりも、
業界の平均や、ほかの情報とセットで見るのがコツです。
業界によって離職率にはかなり差がある
厚労省の「令和6年 雇用動向調査結果の概要」では、一般労働者の離職率は産業ごとに差があり、サービス業や宿泊業・飲食サービス業は高めの数字が出ています。
つまり、離職率は会社の善し悪しだけで決まるのではなく、業界の働き方そのものにも大きく左右されます。
たとえば、離職率が高くなりやすい業界には、
・シフト勤務が多い
・体力負担が大きい
・未経験採用が多い
・賃金が上がりにくい
・土日祝や夜間勤務がある
といった特徴があることがあります。
だから、
飲食業の離職率とメーカーの離職率を、そのまま同じ物差しで比べるのは危険です。
見るべきなのは、
同業他社と比べて高いか低いか。
まずはそこです。
公式の離職率はどこで調べる?
公式に離職率を調べる場所は、主に3つあります。
1. 業界全体の離職率を見るなら「雇用動向調査」
・厚生労働省「雇用動向調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
・厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
2. 新卒3年以内離職率を見るなら「新規学卒者の離職状況」
・厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html
3. 企業ごとの定着状況を見るなら「しょくばらぼ」
・厚生労働省「しょくばらぼ(職場情報総合サイト)」
https://shokuba.mhlw.go.jp/
・しょくばらぼについて
https://shokuba.mhlw.go.jp/010/20180302201542.html
この3つを知っているだけでも、かなり強いです。
離職率は「やりがい」より「危険信号」を見るために使う
離職率が低い会社でも、ただ人が動かないだけということはあります。
逆に、離職率が少し高くても、成長中で合う人と合わない人がはっきり分かれる会社もあります。
だから離職率を見て、
・社員満足度が高そう
・やりがいがありそう
・夢がありそう
と考えすぎるのも危険です。
それよりも、こんな見方が実用的です。
・高い離職率
→ 労働環境、教育体制、人間関係、残業、人手不足に問題がないか確認する
・低すぎる離職率
→ 安定している可能性はあるが、組織が硬直していないかも少し見る
・若手の離職率が高い
→ 入社後のギャップ、育成不足、現場のフォロー不足を疑う
・業界平均よりかなり高い
→ 会社固有の問題があるかもしれない
就活や転職でまず大事なのは、
「自分が輝ける会社か」より先に、「自分がすり減らない会社か」です。
チェックリスト
気になる会社を調べるときは、次の4つを見るだけでも役立ちます。
□ その業界の離職率は高めか低めか
□ 新卒3年以内離職率は高すぎないか
□ 企業ごとの定着情報は公開されているか
□ 口コミで若手の不満が多すぎないか
今日からやること
□ 厚労省の「雇用動向調査」で、自分が気になる業界の離職率を1回見る
□ 厚労省の「新規学卒者の離職状況」で、新卒3年以内離職率を確認する
□ 「しょくばらぼ」で、気になる会社の定着関連情報が出ているか調べる
まとめ
離職率は、会社の魅力をキラキラ見せてくれる数字ではありません。
むしろ、危ない会社を避けるための警戒ランプです。
大事なのは、
・厚労省の定義を知る
・業界差を前提に考える
・公式データで確認する
・離職率だけで決めつけない
この4つです。
会社選びでは、
「この会社すごそう」
より先に、
「この会社、危なくないか?」
を見ること。
派手な看板より、まず足元。
就職も転職も、地雷を避ける力がかなり大事です。
参考にした公式ホームページ
・厚生労働省「雇用動向調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
・厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
・厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html
・厚生労働省「しょくばらぼ(職場情報総合サイト)」
https://shokuba.mhlw.go.jp/