- 投稿日:2024/01/30
- 更新日:2025/09/29

前提|詐欺を防ぐのは難しい
詐欺にあう人は、「まさか私が詐欺にあうとは思っていなかった」などの、自分とは無関係、自分は騙されないという自信を持っている人が多いらしいです。一方で自分は騙されるかもしれない・・・くらいの気持ちの人のほうが逆に詐欺被害の遭遇率は低いらしいです。
らしい・・というのは私がまだ一度も詐欺被害にあったことがないため伝聞系となります。体験談ではありませんのでご承知ください。
今回紹介するのは昔から行われている手口です。ポンジスキームもですが、今も残っているのというのは、それだけ被害者がいるということです。当然、時代の進歩とともに新たな手口も発生しますので、これさえ押さえておけば安心というわけでありませんので、日ごろからお金の5つの力をバランスよく鍛えていきましょう。
知識は重要!・・でも
前述した自分は大丈夫!という気持ち、色々勉強していくと自信がついていくかと思います。ところが勉強したつもりになったり、自信が付きすぎると詐欺にあいかねません。これは勉強するなという意味ではなく、勉強しても常に上には上がいるという認識と、自分の能力を客観的に見つめるのが大事という話です。実際に金融広報中央委員会の調査でもマネーリテラシーと金融被害の関連性についてレポートが出ています。金融トラブル自体は各リテラシーで発生していますが、低リテラシーにおいて、金融教育を受けているとトラブルの遭遇率が上がることが伺えます。つまり、勉強した気になって身についていないにも関わらず、自信がつくと危ないよという話です(自戒も込めて)。
出典|金融リテラシー調査
ポンジスキーム
リベ動画でもしばしば話題に上がる伝統的手法です。細かい解説は不要だと思うので概要だけ記載しておきます
1.高利回りを謳い、資金を集める。
2.実際に高利の配当を出しながら、さらに資金を集める
3.配当は利益から出しているわけではなく、元本から捻出する(タコ足配当)
4.資金が十分集まったら、計画倒産・逃亡などを行う
と非常にシンプルです。
引っ掛かりやすい人
実はポンジスキーム、社会的知性(SQ)が高い人ほどハマります。SQとは 自己と他者の感情を理解し、共に目標へ向かい邁進する能力です。なんだか仕事が出来そうな人ですよね?実際に現在のようなオープンな環境ではSQが高い人ほど仕事ができます。基本的な行動スタンスとしてまずは相手を信頼し、一緒に仕事をして、結果が出ればますます仲良くなるというものです。なんと、ある程度の信用をバラまいてから、最後に逃げ切るポンジに狩られてしまいます。
防ぐには・・・
必要なのは社会的"常識"です。高利回りを謳ってますので、相場観を知っておき、現実的に無理のある手法だと理解すれば一発で避けることが出来ます。
宝くじ商法、競馬予想の類
さて、ここからが本題です。検索しても正式な名前がわからなかったのですが、この手法のやり方は共通しています。ポイントは、自分はノーリスクで他人にリスクを取らせ、リターンをかすめ取ることです。詳しく解説していきましょう。
どんな取引、ギャンブルでも使える
株だろうとFXだろうとビットコインだろうと基本的には「安く買って高く売る(先物なら順番は逆、しかし本質は一緒)」だけです。そして、これは上がるか下がるかの二者択一です。宝くじや競馬であっても当たるか外れるかの二者択一になります。細かい確率や期待値は全然違いますが、大事なのは「予想を当てられる(ように見せかける)」ことなので、省略します。予想を当てられる(ように見せかける)にはどうするか?そして見せかけたらどうするか?順番に見ていきましょう。
1.信用を勝ち取る
まずは予想を当てられる人だと思われるのが大事です。これをすることでポンジの高配当を出すのと同様に信用が得られます。「この人は相場が読めるんだ」「この人は宝くじの裏技を知ってるのか」「この人は競馬の必勝法を知ってるのか」などといった幻想にカモが囚われてくれたらしめたものです。では、どうやって予想を当てるのか?やり方はいたって単純です。大勢の人に声を掛けます。外れたときに詰められないように、少額で勝負させることが多いようです。また、この段階では金銭のやり取りは発生させません。あくまでもすごい人であると思われる=師匠になることが詐欺師の目的です。
10,000人に対して→次はFXのドル円上がるよ
10,000人に対して→次はFXのドル円下がるよ
↓実際に下がった
5,000人に対して→次はFXのドル円上がるよ
5,000人に対して→次はFXのドル円下がるよ
これを3~4回ほど繰り返せば信じさせるには十分ではないでしょうか?外れたときには適当なことを言って、そのグループの人と音信不通になればよいだけです。
2.カモに勝負させる
さて、十分に信用を得たところで、カモに高額で大勝負をさせます。場合によっては詐欺師も大勝負してるように見せかけることもあるでしょう。この場合は詐欺師はデータの数字をいじっていたり、逆ポジションをもって保険を掛けるなど、やり方はいくらでもあります。
3.勝ったカモから顧問料を頂戴する
さて、大量に声をかけているので大勝負に勝つカモも当然出てくるでしょう。そのカモが「師匠のおかげで勝てた」とでも思ってくれればしめたもの。勝った金額の〇〇%などと言って顧問料をせしめてくるかもしれません。若しくは最後の大勝負前に「ここから先は秘密の情報なので有料です。」などと言って、お金を取る方法もあります。
一度信用させてしまえば、いくらでもやりようがあるので、他人を妄信しないことが重要です。投資はどこまで行っても自己責任。「〇〇さんが良いと言っていたから」といった他人を軸にした投資はやめましょう。
後述するように詐欺師側は振り込みがなくても困りません。そして中には次も美味しい情報がもらえると思って、お金を払ってしまう人もいるでしょう。
完全後払いでもOK
さて、ここまで読んでお判りでしょうか?そう、この手法は投資スクールなどと違い、完全後払いでも成立します。予想を外しても自身はノーダメージ、予想を当てた人がお金を払ってくれなくてもノーダメージなのです。ここから先は有料のパターンでも、キャッシュポイントが少しずれるだけで、全く問題なく詐欺師側は稼げます。大量の人間に声をかけることで、もらえる人からもらうというやり方です。
騙されないためには
まずは必勝法など存在しないという社会的"常識"を叩き込んでおきましょう(ちなみに必敗法はあります。投資の勉強とは必敗法を勉強して避けることです)。こちらもポンジと同様にSQが高いと引っ掛かりやすいと思います。詐欺師側もまずは仲良くなって無料で情報を提供してきますからね。その情報のおかげで勝てた!と思ってしまうと沼にハマります。ポンジほど有名ではない気がしたので、手法を紹介しておきました。投資であれ、事業であれ最終的には運が絡んできます。人間は本能的に単純な因果関係を結び付けてしまうそうですが、世の中はもっと複雑です。
ちなみに2022年イグノーベル賞経済学賞では資本主義社会に必要なのは中程度の才能と高い運という研究結果が出ています。つまり、未来を正確に予想することはできません。
まとめ
投資詐欺の基本は信用を得るところからスタートします。他人の意見を参考にするのは大事ですが、妄信しないようにしましょう。また、常に投資は自己責任であり、必勝法も存在しないということはキモに銘じておきましょう。