- 投稿日:2024/10/14
- 更新日:2025/09/29
はじめに
本記事は
の続きです。単体でも成立していますが
意見と人格を切り離すという点で共通していますので、興味があればご覧ください。特に反論したっていいじゃないとは密接に関わっています。悪口を言われても気にしない力が身に着けば、自然と相手に的確に反論する力が備わってくるでしょう。
悪口の種類について
悪意のある場合
相手が何かしらの意図をもって、あなたに負の感情を湧きあがらせるために投げかける言葉です。あなたの怒り、不安、恐れなどを引き起こすことで、交渉事を有利にしようとします。もしくは、力関係を誇示することで、自分の自尊心を満たしたり、あなたに言うことを聞かせようとする行為です。
いずれにせよまともに受け取る必要はないのですが、昔読んだ書物に書いてあった一節が気に入っているので引用します。
記憶違いにより細部は間違っているかもしれませんが、概ね下記のような内容でした。
仏陀が論客にケンカ腰に議論を吹っ掛けられての一幕
仏陀「あなたが家で食事会を開き、ごちそうを提供した。それは誰の者か?」
論客「もちろん、客人のものだ」
仏陀「では客人がごちそうに手を付けずに、帰った。ごちそうは誰の者か?」
論客「もちろん、私のものだ」
仏陀「それと同様に私はあなたの放った言葉を受け取らない。それはあなたのものに帰っていくだろう」
反応しない練習 著:草薙龍瞬
つまりブーメランになるということですね。食事と言葉では性質が違うんじゃという突っ込めるポイントはあるものの、要は悪意のある言葉を真に受けるなという教えです。
悪意のない場合
相手に悪意がない場合もあります。相手がナチュラルに失礼なヤツだったり、あなたが深読みしすぎてしまっているパターンなどが該当します。悪意がある場合と違い、相手に目的がないので、より軽く受け流して問題ないですし、相手サイドにしつこさや陰湿さもありません。
しかし、一方で聞き入れるべき意見もあったりするので、判断材料として下記の図のように、意見に対するマトモな反論である場合は聞き入れて改善に努めましょう。
反論の段階については反論したっていいじゃないをご参照ください。

出展|Wikipedia
Yuasan, Paul Graham - translated from File:Graham's Hierarchy of Disagreement-en.svg, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107026369による
コラム:悪口のバリエーション
言語とは文化そのものです。歴史や経験と密接に結びついているので、悪口はそれを吐き出す人間を映し出すともいえるでしょう。つまり、相手がぶつけてくる悪口はその人自身が言われたら嫌な言葉です。
教養がないと悪口のバリエーションが単調になり、単純な罵倒しかできないですし、単純な罵倒がその人に効く言葉となってしまいます。
つまり、ワンパターンに罵ってくる人間と出会ったら
「ああ、この人は悪口のボキャブラリーが貧困なのね」と心の中で蔑んでおけばダメージを軽減できるでしょう。
※悪意のない場合はその限りではありません
※多種多様に罵ってくる人間は教養はあるかもしれませんが、人間性は嫌なやつです
対処法
さて、悪口は聞き流すに限るとして、具体的にどのようにしていけばいいでしょうか?
考え方と実践的な方法についていくつか記載します。
3人称視点にする
ゲームをやる人にわかりやすく言うとFPS(1人称視点)とTPS(3人称視点)の違いです。普段はFPSモードで人生というゲームをプレイしていますが、TPSに切り替えてみましょうという話です。
ゲームをやらない人にはなんのこっちゃという感じだと思うので、飛行機を例にとってみましょう。
1人称視点|飛行機本体は見えない。コックピットからの景色
3人称視点|飛行機本体が見える
ゲームで言うといきなり景色が見えたら1人称視点、キャラクターの後頭部が見えたら3人称視点です。自分の意識をプレイヤーとして、自分の体を外側から操作してる感覚になりましょう。
これは物事を俯瞰するという意味合いで、天井に自分の魂を飛ばして、自分の後頭部を眺めるイメージを持ってください(実際に後頭部が見えてしまった人は病院に行ってください)。
このイメージを持つことで、人格と意見を切り離しやすくなります。
相手と自分の間に壁を持つ
相手と直接交わってしまうと疲弊します。
直接ではなく、交わっているのはあくまでも「自分の意見」と「相手の意見」であり、一歩引いて壁を作るイメージを持ちましょう。
そうすることで、気分が少し楽になるはずです。
ハンドルネームを使ってみる
俯瞰する、相手と自分の間に壁をイメージするという方法を紹介しましたが、慣れないと難しいと思います。そこで、もっと具体的にやってみましょう。幸いにして皆さんハンドルネーム(本名とは別のリベシティで活動している名前)を持っていますよね。これを活用します。
「私は歩いている」
これを
「BALという男は歩いている」
さらに
「BALという男は右足を前に出した後に左足を前に出している」
こうすることで、より客観的に事実のみを整理することが出来ます。
他人から罵倒を浴びているときも
「目の前の○○という人物は、BALに向かいバカやアホといった単調な罵倒を浴びせかけている」
会社で上司から説教を受けているときも
「上司の○○は今月の営業目標を達成できなかったBALに対し、その要因の洗い出しと、来月の行動指針に対して話をしている。しかしBALは素知らぬ顔をしており、まさしく馬耳東風の様相を醸し出している。」
うん、なんかBALという人物は反省してなさそうで、出世できそうにありませんね。
このテクニックは声に出してしまうとちょっとバカっぽいので、心の中で呟いてみてください。
まとめ
✅3人称視点で見ることを心掛ける
✅「相手vs自分」ではなく「相手|意見vs意見|自分」
✅「私は」ではなく「○○は」と置き換える
参考文献|反応しない練習
著:草薙龍瞬