- 投稿日:2024/08/05
- 更新日:2025/10/09
こんにちは!
名古屋市守山区で整体院を経営している理学療法士のきむです。
今回は、リハビリに関してよくある3つの疑問にお答えします!
病気や怪我が完治しなかったら、どうすればいいの?
リハビリの費用や、リハビリ専門職の収入について知りたい!
リベ大にリハビリテーション科ができる可能性はある?
リハビリ専門職としての経験を基に、わかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください!
解説者の経歴
平成19年理学療法士免許取得(現在、理学療法士18年目)
15年間、理学療法士として、外来・一般病棟、小児、回復期、整形外科クリニック、デイサービス、デイケア、訪問看護ステーションで、さまざまな疾患や障害を持つ方のリハビリテーションに関わってきました。
学長ライブで・・・
学長ライブでも、「学長のお父様がリハビリを頑張っているというお話」や「リベ大でリハビリテーション科を作る予定はありますか」という質問を耳にして、「リハビリ」という言葉は聞いたことがある人は多いではと思います。
1. 病気や怪我が完治しなかったら、どうすればいいの?
病気や怪我が生じた場合は、医療があることは知っている。しかし、病気や怪我が完治せず、心や身体に障害が生じた場合、それを解決するために、どんな方法があるの?
答えは:リハビリテーションです。
「リハビリテーションは、病気や怪我などで低下した身体機能や日常生活能力を回復し、自立した生活を取り戻すための訓練を指します。」
語源はラテン語の「re(再び)」と「habilis(能力や力を持つ)」から来ており、単なる機能回復だけでなく、「全人間的復権」という概念を基盤しています。「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」を目指す広い意味を持ちます。
リハビリテーションは、手段と概念の両方を含む包括的なアプローチです。
リハビリテーションには主に5つの分野があります:
1. 医学的リハビリテーション:病院や診療所で行われる理学療法や作業療法など
2. 職業リハビリテーション:障害のある人が仕事に就けるよう支援すること
3. 社会リハビリテーション:社会生活に必要な能力を高める支援
4. 教育リハビリテーション:学校などでの支援
5. リハビリテーション工学:補助具や技術を用いて支援
皆さんが、イメージするリハビリ像は医学的リハビリテーションだと思いますが、実はリハビリテーションには5つの種類があります。
ここでは、医学的リハビリテーションについて、主に解説していきます。
リハビリテーションの例①
①ランニングが趣味の30代の社会人
②ある日、ランニング中、膝が痛くなり、走れなくなった。しばらくランニングを中止にして、安静にしたが、状況は変わらないままであった。
④そこで、家の近くの整形外科クリニックを受診した。結果、ランナー膝(膝の外側の痛み)と診断された。
⑤医師の提案で、リハビリテーション科に行くよう進められ、理学療法士によるリハビリテーションを受けることになった。
⑥理学療法士から自宅で可能なストレッチや筋トレ方法を教わり、徐々にランニングが出来るようになってきた。
リハビリテーションの例②
①パチンコが趣味の80代の男性が自宅の段差にて転倒し、救急車で病院に運ばれた。
②診断の結果、重度の大腿骨の骨折が見つかった。さらに、痛みが強く/身体が動かない/力が入らない/歩けない/日常生活に支援が必要などの問題があった。
④骨折は手術をすることになった。術後は良好で、痛みも改善して来たが、身体機能が著しく低下し、歩けないという問題に直面した。
⑤そこで、医師の指示の下、リハビリ専門職が入院前の社会に復帰ができるように、リハビリテーションを行うことになった。
⑥リハビリテーションはリハビリ室だけではなく、病棟生活において、看護師や介護福祉士と連携し、自立支援をサポートした結果、病棟生活が改善し、退院することができた。
もし、心と身体に、障害を背負っても、リハビリテーションがあります。
リハビリテーションは、どんなに大きな病気や障害を背負っても、「何度でも、チャレンジすることを肯定し、自分らしく生きることを歓迎している」という概念を基盤にし、それをカタチにするっていうところに、私は魅力を感じています。
2. リハビリの費用や、リハビリ専門職の収入について知りたい!
リハビリを受けた際の費用、リハビリ専門職は稼げるのか、リハビリ専門職の給料について、知りたい。
そんなリハビリテーションが学長ライブで・・・
「リベ大でリハビリテーション科を作る予定はありますか」という質問が何度か出てきました。
学長の回答は
「今は、その予定はない」。
理由は、「なぜ、リベ大で?」というところが弱い点と「診療点数が低い(儲からない)から経営が難しい」「規模を大きくしないといけない」っていう回答を耳にしました。
リベ大の理念は「お金に困らず、自由に生きられる人を増やす」です。
リハビリの費用でぼったくられることはあるのかっていうと、リハビリの診療点数は厳密に法律で決まっていて、消費者がぼったくられることは考えにくいです。
病院や診療所の場合、施設基準や疾患名で点数が決まっていて、リハビリテーション料だけの値段でいいますと、ざっくり1単位(20分)50点〜250点です。1単位を10円で計算すると500円〜2500円になります。さらに、保険証を提示することで、窓口負担はその1割〜3割になりますが、そこに、医師の診察料や検査料などが加わます。
点数が決まっていることと、公的保険があることで、リハビリテーションの費用でぼったくられる可能性は低いと思われます。
リハビリ専門職は稼げるのか?
リハビリ専門職の売上は、クリニックや施設によって大きく異なることが前提ですが、一般的なリハビリテーションの売上を考える際、施設基準、疾患別、算定日数上限、1日に取得できる単位の上限(約24人)が決まっているため、どんなに頑張っても1人のリハビリ専門職が1日で稼げる人数は無限ではありません(労働集約型モデル)。仮に、効率化をして、満足度を下げずに、1日100人の患者さんを担当することは出来ません。さらに、1単位20分と決まっていて、いくら効率化や満足度が下がらないサービスで20分から5分に短縮できたとしても、リハビリテーションを実施した時間はカルテによって管理されており、診療報酬の不正請求は違法になります。私が整形外科クリニックで働いていたときの取得単位は月400単位前後でしたので、それに整形外科のリハビリテーション料である1750円を掛け算すると、概算の売上は70万円ほどでした。
リハビリ専門職の給料について
平均年収は400万前後だと言われています。その背景には、病院勤務の1年目の新人も30年目のベテランも、請求できる診療報酬は一律で、取得単位の上限(売上70万円〜100万円が相場)が決まっています。
3. リベ大にリハビリテーション科ができる可能性はある?
リベ大の理念とリハビリテーション科の設置は近いのか?遠いのか?
現状、消費者目線でリハビリ費用でぼったくられる可能性は低く、経営目線では収益性は低く、スモールスタートが前提で考えると、リベ大の理念に近いとは言えません。しかし、リハビリテーションは患者満足度が高く、総合病院では重要な役割を果たします。将来的にリベ大で総合病院ができれば、リハビリテーション科の設置も検討される可能性はあるかと思われます。
最後に
いかがだったでしょうか?
理学療法士の視点から、リハビリテーションに関連する疑問について、解説させていただきました。
リハビリテーションは知っているようで、よく分からないっていう方も多いかと思われます。
リハビリテーションの概念は、何回でもチャレンジを許容する世界です。
今、まさに、怪我や病気により、リハビリテーションを頑張っている人は、大変だと思いますが、目標に向かって頑張ってください!
リハビリ専門職の理学療法士のきむが応援しています。
*ご不明な点やリハビリテーションに関してのご質問がありましたら、可能な限り、お答えさせていただきます。