- 投稿日:2024/08/31
- 更新日:2025/01/28

※この紹介にはネタバレは含まれておりませんので、安心してご覧いただけます。
北野武『首』と黒澤明『7人の侍』の共鳴
北野武の映画「首」と黒澤明の「7人の侍」は、それぞれ異なる時代背景とストーリーを持ちながらも、映画の見せ方や撮り方、歴史の再解釈において共通する要素が数多くあります。これらの作品は単なる歴史ドラマにとどまらず、観客に対して深い洞察と感動を与える映画です。
「7人の侍」
まず、黒澤明は「7人の侍」で巧みなカメラワークと緻密な演出を用い、観客に強烈な臨場感を提供しています。特に、戦闘シーンでは日本初のマルチカメラ方式を使い、遠景と近景を使い分け、戦いの壮絶さや登場人物の内面を鮮明に映し出しています。また、リアルな人間関係や感情の揺れ動きを表現するため、俳優の演技指導も徹底されています。
「首」
一方で、北野武は「首」において独自の映像美を追求し、二乗のリズムや静的なショットで緊張感を高めています。彼の映画では、キャラクターの内面や人間関係が画面の静寂や突然の暴力で描かれ、観客に強い衝撃を与えます。北野の作品は、映像そのものが語る力を持ち、その視覚的な表現力は黒澤明の「7人の侍」と共通する部分があります。

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