- 投稿日:2024/09/24
- 更新日:2025/10/01

エコキュートについて
エコキュートは、電気でお湯を沸かしてタンクに溜めるシステムです。
エアコンが空気を温めるのと同じ原理で、ガス湯沸かし等に比べてエネルギー効率に優れます。
↑のような室内モニターが付いており、屋外にはタンクと室外機があります。
室外機はエアコンの室外機とそっくりです。
太陽光発電について
太陽光発電(10kW未満)は、発電した電気を自宅で使い、余った分を電力会社に買い取ってもらうシステムです。
買い取り単価は契約年度ごとに変わります。
2015年度に太陽光を設置し契約したなら、10年間は33円/kWhで買い取ってもらえます。
契約の単価は年を経るごとに右肩下がりで、2024年度の契約なら10年間は16円/kWhで買い取ってもらえます。
一見、早く契約した人のほうがお得に見えます。
しかし、導入(本体・設置)にかかる費用も右肩下がりです。
設置の早い遅いで有利不利が生じないようバランスがとられています。
当然ですが、太陽の出ている時間帯しか発電しません。
電力価格の変遷
ここで、ひと昔前の日本の電力価格の話をします。
・自宅で発電した電気は高く買い取ってもらえるので、なるべく使わずに売電するのが有利でした。
・深夜電力が非常に安かったため、なるべく深夜に電気を使うのが有利でした。(契約による)
↑のような条件のため、エコキュートは深夜にお湯を沸かすように設定されていました。
それが現在に至ると、条件が変わっています。
・自宅で発電した電気の買取価格が低いため、電力会社の高い電気を買うより自家発電分を使ったほうが有利です。
・深夜電力も高いため、自家発電分を使ったほうが有利です。
↑の条件下では、日中に太陽光発電でお湯を沸かすほうが経済的なのです。
日中に太陽光でお湯を沸かしたいのに…
エコキュートは深夜にお湯を沸かすようにプログラムされており、書き換えられません。
エコキュートを作る会社も、深夜電力より太陽光発電を使ったほうが経済的な時代が来るとは予測できなかったのです。
(2022年頃から一部機種では、日中だけお湯を沸かすモードが加わりました。
「おひさまエコキュート」などと言われます。
古い機種でも「深夜+太陽光」的なモードがありますが、あくまで深夜メインのようです)
太陽光発電が付いているのに、古いエコキュートだと深夜電力でお湯を沸かすしかないのでしょうか?
アナログな解決策!
ここで、単純にして簡単な解決法があります。
エコキュート本体の時計を12時間程度ずらせば良いのです。
これにより、エコキュートは日中を深夜だと勘違いします。
(機械が、お昼の12時を夜の0時だと思い込みます)
あとはエコキュートにお任せです。
太陽光発電で生まれた電力でお湯を沸かしてくれます。
太陽光パネルが東向きなら発電のピークは午前ですので、短めに(10時間など)ずらします。
逆に西向きなら発電のピークは午後ですので、長めに(14時間など)ずらすと良いでしょう。
このへんは、それぞれご家庭のデータを見ながら調整して下さい。
大雨や雪の場合
天候が悪くて自家発電しない時などは、日中でも電力会社から電気を買わなくてはなりません。
その場合は深夜電力よりも高くつきます。(契約による)
翌日の天気予報を見て、場合によっては夜間に手動で沸かすと良いでしょう。
積雪などで発電ゼロが数日続くことが予測できるなら、一時的に時計を戻すのも良いです。
このへんは面倒なら、「トータルで得ならいいや」と割り切るのも手です。
気付いた時だけ実践するくらいの気持ちでも良いでしょう。
注意事項
「時間ずらし」はメーカーの想定外の使い方です。
故障の際に保証が受けられなくなる可能性があります。
(自分から「時間ずらし」を申告しなければ、バレないとは思いますが…)
保証期間はだいたい1〜2年のようですので、それが過ぎるまで待ってから実施するのもアリです。
私は納入後すぐに「時間ずらし」しましたが、2年経った時点で故障もありませんでした。
ある意味、賭けに勝った感じです。
終わりに
電力会社との契約単価は、会社ごと・地域別・契約種別などにより異なります。
普通に深夜電力を使うほうがコスパが良いご家庭もあるかもしれません。
(昨今だと、ほぼ無いとは思いますが…)
不安なら、電力会社のサイトや請求書などで買電・売電単価を確認してから実施して下さい。
また、同様の理屈で洗濯乾燥機なども日中に使うほうが経済的です。
学長のおっしゃる、
「最初は面倒だけど、一度やってしまえば後は何もせずとも節約になる」
という事例に当てはまるかと思いますので、ぜひお試し下さい。