- 投稿日:2024/11/04
- 更新日:2025/11/05
目標設定や業績報告、これらを聞くだけで「嫌だなぁ…」って思う人って少なくないですよね。
かく言う僕も好きなわけではありませんでしたw
それでも、大丈夫!!
これらのスキルは一歩一歩習得していけるものです!
本記事では、そんな苦手意識を少しでも和らげながら、ゆっくりと進めていける目標設定と業績報告のポイントを紹介していきます。
会社における目標設定・業績報告の目的
これらは仕事力を上げるための訓練です!!
具体的には下記のような効果が得られます
✅偉い人が何を求めているかわかってくる(コミュ力)
✅自分が何をやってきたかを明確にできる(目的意識)
✅自分の強み・価値観がわかってくる(課題認識)
✅毎回、報告の精度を上げることで信頼貯金が貯まる
特に上の3つは転職活動で必要と言われている項目ですね。
そうです!自分が求める職場環境を勝ち取るには、自社にい続けようが転職しようが必要なスキルなんです。
転職時に他社の人にこれらを説明するより、自社の人(上司)に説明する方がまだハードルは低いと思いますので、まずは自社でこれらをちゃんとやっていくことをお勧めします!!
会社員の目標設定・業績報告のテンプレート
会社によっていろいろあると思いますが
下記の要素が入っていれば、問題ないかなと思います。
目標設定
✅なぜやるのか(背景・目的)
✅何をするのか(テーマ・表題)
✅何ができれば達成なのか(達成の定義)
✅どうやってやるのか(達成のための計画)
業績報告
✅目標の達成レベルに対してどこまでできたのか(達成結果)
✅どうやって進めた(達成した)のか
✅自己評価
具体的なサンプルはこんな感じです。(後でも出てくるのでじっくり見なくていいです)
(僕がIT業界の人間なので、業界用語が混ざってたらごめんなさい)

いかがでしょうか?
難しいですよね???
大丈夫!継続してやることで身についてきます!!
では、これらを一つずつ解説していきますね。
目標設定の考え方
目標設定の考え方の順番は、以下がオススメです。
① なぜやるのか(背景・目的)
② 何をするのか(テーマ・表題)
③ 達成の定義と達成のための計画
これは会社の目標に限らず、人生の目標とか価値観とかすべてに当てはまります。
① なぜやるのか(背景・目的)
この文字面だけで、多くの会社員に精神的ダメージを負わせることのできる文言「背景・目的」
見るだけでなんか気分が悪くなりますよね?w
こんな難しい言葉だとやれないので、言葉を変えましょう!
「現在の状態と理想の状態」
どうですか?なんかイメージしやすくなりませんか??
背景というのは、現状を意味することが多いです。
そして、目的とは理想の状態のことです。
図にするとこんな感じですね。
課題解決や目標設定の解説によく出てくる図ですね。
理想の状態に対して、なぜ現状そうならないのか、何をすれば理想に近づけるかを考えます。
そのためにはまず、現在の状態と理想の状態を定義しましょう!
定義する際には、できるかどうか・なれるかどうか、みたいなことは考えないでください!
だって、理想なんだから。
図の例で言うと
現状:残業時間が多い状態
理想:残業がない状態
となります。
ここからが会社員の目標設定用の話になりますが
「残業がない状態にしたいです!」って言っても通りません。
あなたの理想の状態は会社にとってどんなメリットがありますか?
あなたと会社はWin-Winの関係でないと成立しません!
✅会社(部署)の目標に結び付くか
✅会社(部署)の目標がわからないなら、売上アップ・品質向上(顧客の信頼)・コスト削減のどれかに結び付くか(どれも利益向上に繋がる)
自分の要求だけになっていないか確認しましょう!
多くの場合、あなたの理想の状態は会社にとってもメリットがあるはずです。
図の例にあるように残業時間をなくすが理想の状態であれば
それは会社にとってコストが削減されるというメリットがあります。
さて、ここまで考えられたとして、冒頭のサンプルの「背景・目的」部分を見てみましょう!
リベのチャットの質問テンプレートとほぼ同じですね。
現在の状態、その状態であることの問題、どういう状態を目指すのか
という話をするセクションになります。
僕が部下の目標設定を見ていて、却下されるほとんどの理由は
会社のメリットではなく、自分のメリットを書いているパターンですね。
✅時間がかかりすぎてチームが疲弊している
✅たくさんの量をこなしていて大変である
みたいな感じ。
これでは上司が興味を持ってくれないのもありますし、そもそも「じゃあどうすればいいんだい!?」となってしまいます。
僕は「お前が大変かどうかはどうでもいい」って言われたことありますw
上記の例だと
✅計画通りに進まず、納期遅延の原因となっている
✅ 確認不足という人為的なミスが多発している
とかが良いですね。
社員が困っていることは、会社にとっても問題のはずです。会社を主語にして考えてみましょう!
② 何をするのか(テーマ・表題)
先ほどの図をもう一度出します。
残業が多い理由は何でしょうか?
納期が短いから?上司が仕事をたくさん振ってくるから?人が少ないから?
確かにそれらは要因の一つかもしれませんが、自分ではどうしようもないことです。(これを他責思考と呼ぶのだと思います)
あなた自身ができることは何でしょうか?
サンプルを書いた子は「テストを全部手動でやってるからだ!」と考えたみたいです。
なので、表題は「テスト工程の効率化」となっています。
書き方としては、やることを端的に表現してください。
接続詞なしの一文が理想です。
接続詞が入ったり、文が二つになってしまったとしても、40文字程度で納めてください。
先ほどリベのチャットの質問テンプレートの話をしましたが
「何が聞きたいのか(質問の概要)」ってありますよね?
人に説明する際に非常に重要なスキルになります。
あと、好まれそうなビジネス用語に置き換えるのも重要です。
✅楽する、無駄を省く ⇒ 効率化・コストダウン
✅ 楽しくする ⇒ できるようになる ⇒ スキルアップ・売上アップ・品質向上
みたいに。
「チームが楽するために」みたいに書く子もいましたが、それは印象的にダメですw
③ 達成の定義と達成のための計画
さて、ここまででも大変ですが、最後にみなさんがつまづくところがこれです。
なぜつまづくかというと決められた期間内でやる、という勝手な縛りを設けているからです。
なので僕のおすすめは、やることを決めたら業績報告を先に書くというやり方です。
これによって、理想の状態のイメージを忘れないようになります!
めっちゃやってやりましたよ!絶対ボーナス上げてくださいよ!
・・と自信を持って上司に言うとしたら、何て書きますか??
半年後・一年後を想像して未来日記を書いてみてください。
それがあなたの理想の状態に辿り着くための想定の手順です。
そこから現実的な期間を逆算していきましょう。
目標設定期間である半年や一年で出来ることを考えるのではなく
納得のいく結果を出すには何をすればいいのか、どれくらいかかるのかをちゃんと出して
それだと半年や一年だとどこまでできるかを考えましょう!
ここまで考えたら、これらを状態を数字で定義してみましょう。
目的が理想の状態で、目標がそれを数値化したものです。
残業時間を月10時間以内にする!(ゼロでも良いです!)
そのために、開発者のテスト時間を0にする!
そのために、テスト工程の時間を半分にする!
そのために、テスト工程の時間を15%削減する!(←半年だとこれくらいという目標)
これに対して、もう一度詳細な手順を考えてください。
「達成までの計画」の書き方はこんな感じです
簡単な手順とスケジュール(1カ月単位くらい)を書いてから
その詳細を書いていってください。
起こりそうな問題と対応案を書いておくのがコツです。
目標設定を書き終えたら、もう一度業績報告を書いてみましょう!
ちゃんと自信を持って自己評価が最高点の業績報告が書ける目標設定になっていますか?
実際に最高点にできるかどうかはやってみないとわかりませんが、想像で最高点にできないとすると、それは目標設定からつまづいてることになります。
業績報告の書き方は次の章を参考にしてください!
業績報告の考え方
業績報告は下記の順番で説明していきますね
① 自己評価
② 目標に対してどうだったか(達成結果)
③ どうやって進めたのか
① 自己評価
自己評価は高めにつける人と低めにつける人とで、性格が出てきますw
ただ、正直なところどっちでもよく、自分でつけた評価の根拠を説明できるかどうかが大事です。
自己評価を4としたのであれば、3でもなく5でもなく4である理由を説明することを意識するようにしましょう!
そのための、達成結果の説明だったり、どうやって進めたのかの説明だったり、目標の設定だったりするのです。
② 目標に対してどうだったか(達成結果)
「成果は数字で!」と、よく言われます。
もちろんその方が相手に伝わりやすいからですが、自分への納得感という意味でもとても有用です。
なので、目標設定の「達成の定義」とこの「達成結果」はなるべく数字で表現しましょう!
どうしても数字にできないときは
〇〇ができるようになったが基本です。
✅(目標通り)〇〇ができるようになった
✅(目標には届かなかったけれど)〇〇「までは」できるようになった
✅(プラスアルファで)〇〇「も」できるようになった)
みたいな感じになります。
③ どうやって進めたのか
この部分は「出来ると思っていたことが出来ました」と書くところではありません。
✅難しいと思っていたこと(目標設定時の懸念点)に対してどうだったか
✅想定外の事象が起こった時にどう対処したか
✅進め方をどう工夫したか
・・というのを書くところです。
つまり、想定していたことに対して、どうだったのかという話です。
最初に想定していないと想定外のことは起きません!
目標設定時の想定はしっかりやっておきましょう!
最後の「工夫」というのが難しければ「途中で思いついたこと」という言葉に置き換えて考えてみてください。
何でもかんでも思った通りに事が進んだってことはなかったハズです。
書き方としては時系列順でいいですが
最後は目指す姿(目的)に対して、どうだったのかという状況を書くのがベストです。

最終的にはこんな感じになります。

最後に
何度目かになりますが
業績報告は目標設定と一緒に書きましょう!
10月にやったことなんて、3月に振り返っても忘れてます!
この業績報告を最低月1回見直して、修正していきましょう。
これで提出する時期には、業績報告が出来上がっていることになります。
これを積み重ねていけば、職務経歴書も完成です。
会社への提出物は僕が紹介したテンプレートほど求められることはないかもしれませんが、転職の面接時などには聞かれる内容です。
✅なんでこれをやろうと思ったんですか?
とか
✅その結果どうなったんですか?
とかですね。これで実績の面接対策はバッチリです。
また、評価の高かった課題があなたの強みであり
低かったところがあなたの弱みということでもあるので
何が得意で何が苦手かというのもわかってきます。
(会社に目標管理の制度がない場合は自己評価でOK)
仕事が出来る人というのは、専門知識をたくさん持っている人ではなく
日々こういう訓練を経て、経営層の考えていることを想像したり
自分の想定と想定外の事象を把握して、計画力を上げたりしています。
これにより、会社への貢献が評価されるようになることで、転職の選択肢が増えますし、社内の自由度が上がってきますよ!
関連
「仕事力」の話をいろいろなテーマでコラムやイベントでお話しています!
「仕事力」の記事はコチラ