- 投稿日:2024/10/08
- 更新日:2025/09/29

初めまして!シロマサルと申します。
今回は、名著「夜と霧」から人間が極限状況に置かれたときに何に価値を見出すかを紹介します。
テーマやどのような内容なのかはここでは伏せます。
ただ、極限状態において人間に残る「価値」を知れば、あらゆる問題は大した問題にはならないことを知れます。
人生を大きく変える(変わる)節目に一助となる作品です。
精神科医:フランクルの思想は人の魂を揺さぶる力を持っています。
フランクルの「夜と霧」とは?
彼の名はヴィクトール・エミール・フランクル
オーストリア・ウィーン在住の精神科医です。写真はwikiから
本人もある理由で過酷な極限状態の生活を強いらされた人物です。
精神科医の視点から、
「極限状態で人間は何に絶望し、何に希望を見出すのか?」を体験談と共に書きだされたのが「夜と霧」という作品です。
フランクルの代表的な思想
「あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない。」
「人間が人生を問うに先立って、人生から人間は問われている。」
といった、人生に対する見方を大きく転回させることを求めてきます。
また、人間は極限状態に置かれると、「無感動」「無感覚」「無関心」になって防衛策と適応能力を持つと語ります。
人間の生命維持という原始的な関心は我々が思っている以上に力強いことを教えてくれます。
生きる意味を見つける。3つの価値
創造価値(仕事や創作活動、何かをするということ)
「自分に与えられた仕事や作品にどれだけ最善を尽くしているか」が重要であり、普段の何気ない仕事であっても創造価値実現の機会があふれていることを説いています。
料理、プロジェクトの遂行、論文を書くこと、何かのイベントを計画することも「創造価値」です。
フランクル自身も身動きが取れない劣悪な環境の中、没収された原稿を復元するという目的は、生きる力となったと話しています。
まずは目の前のことを夢中でやってみる。
それが、いつか出会えるはずの「天職」にめぐり合える秘訣です。
体験価値(人とのつながりや何かと出会う)
人間だけでなく、大自然と触れ合う体験も「体験価値」です。
長く険しい登山の果てに見る日の出。
遠い国や旅行で得られる日常とは違う体験。
家族や友人とのかかわり。
体験がその人の人生を豊かにし、「生きていてよかった」という思いを与えてくれると説きます。
フランクル自身も過酷な労働の合間に妻を想い、日々の活力としていました。
このような状態においても人間は愛する眼差しの中に、彼が自分の中に持っている愛する人間の精神的な像を想像して、自らを充たすことができるのである。
『夜と霧』みすず書房
「思い出」が人間を最終的に救う力を持つのです。
態度価値(運命に直面した時の精神性)
創造的な活動や胸にしみる体験に恵まれる機会がなかったとしても。
自分では変えることのできない出来事にどのような態度でいるか。
これが「態度価値」です。
人生において、逃れようのない苦しみはきっと訪れます。
どのような精神をもって相対するか。
どの様な劣悪な環境でも、態度だけは人から奪い取ることはできないと力強く説きます。
彼らは、人間から一切を取り得るかもしれないが、しかしたった一つのもの、すなわち与えられた事態にある態度を取る人間の最後の自由、をとることはできないということの証明力をもっているのである。
『夜と霧』みすず書房
精神的態度は奪われることがない。
「それでも人生にイエスと言う。」
人生で何かをなしうる希望を捨ててはいけません。
おわりに
「夜と霧」の教えは、私たちがどんな状況でも価値を見出し、充実した人生を送るための道しるべとなるものです。
たった1行だけでも、生きる意味と希望を求める手掛かりになれば幸いです。
苦悩もまた人間の「能力」である。
自分に合った人生の意味を見出していきましょう!
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!