- 投稿日:2024/10/23
- 更新日:2025/10/02

はじめに
実際の快適性を左右する重要な要素として「体感温度」があります。
しかしながら、多くの人は室温だけに注目しがちです。
体感温度は、室温だけでなく、天井や壁との熱のやり取り(熱放射)の影響を大きく受けます。
この点を理解することで、より快適な住まい選びができるでしょう。
体感温度とは
体感温度は、人が実際に感じる温度のことです。
室温計で測定される温度とは異なり、様々な要因によって変化します。
特に重要なのが、天井や壁との熱放射のやり取りです。
熱放射の影響
熱放射とは、離れた物体間で行われる熱の移動の一形態です。
近ければ近いほど、温度差が大きければ大きいほど、多くの熱が移動します。
今回の話でいうと、「住んでいる人間 ↔️ 天井・壁」の間で行われる熱のやり取りです。
熱は常に、温度が高い方から低い方へ移動します。
夏の場合
暑い夏の日、日光に照らされた壁は高温になります。
この場合、温度の高い壁から人体へ熱が放射されます。
室内の温度が適温に設定されていても、天井・壁からの熱放射により、実際には暑く感じてしまいます。
冬の場合
寒い冬の日には壁の温度が低くなります。
この時、温かい人体から冷たい壁へ熱が放射されます。
暖房で室温を上げても、人体から冷たい天井・壁への熱の移動によって、寒さを感じることがあります。
快適性への影響
熱放射の影響により、同じ室温でも体感温度が大きく変わることがあります。
これは生活の快適性に直接影響を与えます。
・夏は暑さを感じやすくなり、冷房の効きが悪く感じる
・冬は寒さを感じやすくなり、暖房費が増加する可能性がある
・年間を通じて、温度むらを感じやすくなる
住宅選びのポイント
快適な住まいを選ぶためには、以下の点に注意しましょう。
1.断熱性能: 高い断熱性能は、壁や天井の表面温度を室温に近づけ、不要な熱の移動を軽減します。
2.窓の性能: 断熱性の高い窓と窓枠は、外部との熱のやり取りを最小限に抑えます。
3.家の場所・向き: 日当たりを考慮し、夏の直射日光を避け、冬の日光を取り入れやすい向きを選びます。
4.換気システム: 第一種熱交換換気システムを採用した住居は、換気により取り入れる空気の温度が室温に近づきます。
まとめ
住まい選びの際は、単に室温だけでなく、体感温度と熱放射の影響を考慮することが重要です。
高断熱・高気密な住宅を選ぶことで、年間を通じて快適な生活環境を実現できます。
壁や天井との熱のやり取りを最小限に抑えることで、エネルギー効率が向上し、快適性も高まります。
家族の健康と快適性を長期的に考えると、これらの要素に注目することは非常に大切です。