- 投稿日:2024/11/15
- 更新日:2025/10/05
「遠くに住んでいる親に何かあった時、すぐに駆けつけることができないことに不安を感じたことはありませんか?
ケアマネジャーとして仕事をしていると、ご家族様から緊急時に対応してくれるサービスはありますか?と尋ねられることがあります。
そんな不安に応えるため、自治体は『緊急通報システム』を提供しています。何かあった時にボタン一つで支援を呼ぶことができるシステムで、一定の条件を満たした高齢者の方が使えるサービスです。
緊急通報システムとは?
緊急通報システムは、緊急ボタン(通常は身につけるタイプのペンダントや腕時計、または固定されたボタン)を押すことで、迅速に支援を呼ぶことができるサービスです。通常、システムが稼働すると、予め登録された担当者や救急機関に通報が入り、必要なサポートが提供されます。
どんな時に役立つの?
転倒して動けなくなった場合
急な体調不良で助けが必要な場合
家で孤立しているときに危険を感じた場合
緊急通報システムの仕組み
登録: 利用者が事前に市区町村の福祉窓口や地域包括支援センターに申し込み、登録します。このとき、利用者の状態や緊急時の連絡先(家族や知人など)を登録します。
装置の設置: 自宅に通報装置が設置されます。装置は、電話回線やインターネットに接続されていて、緊急時に外部と連絡を取るために使用されます。
ボタンを押す: 緊急時に利用者がボタンを押すと、警備会社や地域の福祉担当者、または救急機関に自動的に通報されます。ボタンは、通常、ペンダントのように身につけられるタイプや、家の中に設置されているタイプがあります。
迅速な対応: 通報が届いた後、担当者が状況を確認し、必要に応じて、家族に連絡したり、医療機関や警察を派遣したりします。
緊急通報システムを使いこなせない人もいる
良いな!と思えるこのサービスにも、対応できないこともあります。
それは、ボタンを押さないと通報されない。ということです。
緊急時にボタンを押す。ということができないと、ただの置き物になってしまいます。
認知症の方などは、このボタンを押すんだよと説明しても忘れてしまう可能性もあります。
また、脱衣所で倒れたけれど、緊急ボタンは寝室ということもありえます。
持ち運べるようにとペンダントタイプなどもあるのですが、私が担当したお客様は、サイズが大きくてベッドの手すりにくくり付けているとおっしゃる方もいました。
*一定期間動きがなければ家族に連絡がいく家電等もあるので、そちらも併用するか検討するのも良いと思います。
対象者や条件
東京都葛飾区の場合
65歳以上の高齢者の方で、身体上慢性疾患があるなど、日常生活を営む上で常時注意を必要とする状態のひとり暮らし、高齢者のみの世帯、または日中・夜間に高齢者のみになる世帯の方。
※家族や友人等が緊急連絡先となる必要があります。
静岡県浜松市の場合
65歳以上の心疾患及び脳血管障害等循環器系の疾患を持つひとり暮らし高齢者世帯(昼間や夜間に高齢者のみとなる世帯を含む)
75歳以上のひとり暮らし高齢者世帯(昼間や夜間に高齢者のみとなる世帯を含む)
75歳以上の支援の必要がある高齢者世帯(昼間や夜間に高齢者のみとなる世帯を含む)
🌸自治体によって対象者や条件が異なります。対象に当てはまるかどうか事前に確認してください。🌸
費用負担
葛飾区の場合
住民税非課税の方:月額700円
住民税課税の方:月額1,750円
浜松市の場合
・市民税非課税世帯は無料とする
・市民税課税世帯は、1台1月あたり1,030円とする
※緊急通報機器を利用する際にかかる電話通話料は、利用者の実費負担とし、 1世帯1台の貸与とする。
どこに申し込みに行けばいいの?
葛飾区の場合 高齢者総合相談センター(地域包括支援センター)又は高齢者支援課在宅サービス係(葛飾区役所)
浜松市の場合 地域包括支援センター、各福祉事務所担当窓口となっています。
注:申込時に必要なものがあるかなど事前に電話で相談してから、申し込みにいくことをお勧めします。
地域のサービス確認方法
自分の住んでいる地域でこのサービスが提供されているかどうかを確認するには、GoogleやYahooで『緊急通報システム 市区町村名』と検索してみましょう。簡単に地域の詳細情報を調べることができます。
まとめ
自治体が提供する緊急通報システムは、離れて暮らす親の安全を守るための大きな助けとなるサービスです。
ご家族ももちろんですがご本人も緊急時に迅速に対応してもらえる安心感があると思います。
お住まいの地域で利用できるか、条件や費用をしっかり確認して、必要な場合はサービスが利用できるまでに時間がかかるので早めに相談しにいくことをお勧めします。
参考
葛飾区



