- 投稿日:2024/11/17
- 更新日:2026/01/02
はじめに
くるくると申します!
普段は新橋オフィスを中心に個別株分析オフ会を開催しています。
オフ会では各自が好きな銘柄を1つ調べてきて発表しあうことを目的としています。
分析をしたことがない方でもご参加いただけるように、私なりに分析方法をまとめた記事を投稿しています↓↓↓
個別株分析の始め方(高配当株編)
そのなかでは以下の流れで分析を進めるように紹介しています。
Q1.投資候補として現在興味がある銘柄を一つ教えてください。
Q2.興味をもった理由は何ですか?
Q3.どんな事業をしていますか?
Q4.「配当額」と「配当利回り」はいくつですか?また、その推移はどうなっていますか?
Q5.配当額は今後どう変化すると思いますか?
Q6.分析の結果、その銘柄の株を買いたいと思いましたか?
そのうち、この記事では以下の手順の具体例として執筆しました。
Q3.どんな事業をしていますか?
Q4.「配当額」と「配当利回り」はいくつですか?また、その推移はどうなっていますか?
Q5.配当額は今後どう変化すると思いますか?
まだ個別株分析の始め方(高配当株編)を読んでいない方は、先に読んでからこの記事をお読みいただくことをオススメします。
注意事項
様々なやり方のうちの一つと捉えてください。
また、いかなる投資商品の購入を推奨するものではありません。
投資は自己責任でお願いします。
記事の内容は2024/11/16時点の情報に基づきます。
題材:全国保証【7164】
今回は高配当銘柄として知られる全国保証【7164】を分析します。
Q3.どんな事業をしていますか?
以下の資料やサイトが調べやすいです。
・会社ホームページ
・YouTube
・決算説明資料(特に通期決算説明資料)
・中期経営計画
全国保証の場合はホームページに事業内容が掲載されています。
画像:全国保証の事業より
事業内容
全国保証は住宅ローンの保証を行っています。
この場合の保証とは、「万が一ローンの借主が返済出来なくなったとき、借主に代わって返済(=代位弁済)すること」を指します。
万が一の時に代位弁済をしてあげる代わりに借主から保証料を受け取ります。これが全国保証の収益源です。
なお、全国保証のような保証会社を使う以外の方法として、連帯保証人に設定することもできます。
しかし、借主にとっては連帯保証人を探す手前がかかります。そもそも誰にも頼めずローンが借りられないかもしれません。一方、金融機関(貸主)にとっても連帯保証人に返済能力があるのかを見極めなくてはいけません。
その双方の手間を省く手段として、保証会社が存在します。
画像:全国保証の事業より
Q4.「配当額」と「配当利回り」はいくつですか?また、その推移はどうなっていますか?
全国保証の配当金と配当利回りの推移は以下の通りです。
ここで確認する観点は2つです。
①.配当は増配傾向にあるか?
②.過去も高配当だったのか?
①.配当は増配傾向にあるか?
左の図から配当金はこれまで減配することなく順調に増えていることが分かります。
②.過去も高配当だったのか?
一般には配当利回りが4%以上あれば高配当株と呼ばれます。右の図を見ると、全国保証は高くても3.09%です。そのため高配当銘柄と呼ぶには少し配当利回りが低いです。
しかし、順調に配当金が増えていることから、一時的に株価が下がることで配当利回りが4%を超えるタイミングを狙って購入するのもアリです。
Q5.配当額は今後どう変化すると思いますか?
全国保証の株主還元方針は決算説明資料に記載があります。
2026/3までに配当性向を段階的に50%まで引き上げ
全国保証の場合には現在の配当性向も決算説明資料に記載があります。今年度の配当性向が45%ですから、まだまだ配当金の増加が期待できます。(※ただし配当金の元である利益が減少しない場合)
画像:2025年3月期第2四半期(中間期) 決算短信補足資料より
ただし26年3月期以降について具体例な言及がないので長期にわたって配当金が増加し続けるかどうかはわかりません。
全国保証では成長戦略のひとつにM&A戦略をとっています。この数年で5社を子会社化しました。
2018年 株式会社YUTORI債権回収を子会社化
2020年 東和信用保証株式会社を子会社化
2021年 筑波信用保証株式会社を子会社化
2023年 東日本保証サービス株式会社を子会社化
2024年 ちば興銀カードサービス株式会社を子会社化
利益がM&Aの元手になっていることも考えると、さらに配当性向を高めていくとは現時点では考えにくいです。
今後も全国保証の配当金が増え続けるかどうかは利益が増え続けるかどうかにかかっていると個人的には思っています。
以上が全国保証の分析例です。
このような分析結果ともとに、その企業が自分自身の投資目的を合致しているかを判断し、購入するか否かを決めます。
なお、「利益が増え続けるかどうか」はおまけで最後に触れています。気になった方は最後までお読みください。
まとめ
あくまでも自己流の分析方法になります。このやり方をベースに皆さま流の投資スタイルを確立していただければと思います。
最初は難しいかもしれません。
そのため出来るだけ興味をもって分析できる銘柄から始めてみましょう。
まずはやり切ることが大事です!
せっかくやってみたけど正しいの分からない、、、他の人の意見も聞いてみたい、、、という方!!
ぜひオフ会にお越しください!一緒にスキルアップしていきましょう!!
おまけ①:【発展】簿価利回りでの高配当を狙う
全国保証の配当利回りは高配当と呼ぶには少し低いと前述しました。
しかしながら、全国保証のような配当金が順調に増えている銘柄は「時価利回り」ではなく「簿価利回り」で高配当株を狙うという考え方もできます。
この場合の簿価利回りとは現在の株価ではなく取得時の株価に対する配当利回りを指します。
例えば2020年4月に5,087円で全国保証の株式を購入したとします。2021年3月までの配当金は117円なので、この年の配当利回りは2.3%です。
2025年3月の予想配当金が197円にアップしています。すると取得株価の5,087円に対する配当利回りは3.8%です。
高配当株の場合は保有が前提になります。その点では、現在の株価に対する「時価利回り」ではなく、取得時の株価に対する「簿価利回り」の方が重要です。
現時点では高配当株には届かずとも、今後配当金が増えていくことが期待できるなら購入を検討できます。
この考え方はいわば金の卵を生むニワトリをヒヨコのうちに見分けるということです。既に優良高配当になっている株を探すよりも難しい点は注意が必要です。
おまけ②:【発展】競争優位性を調べる
事業内容を調べる際、出来れば競合他社と比較して特徴や強みがあるかを調べます。この特徴や強みを競争優位性といいます。一般には競争優位性=「他社より利益を上げやすい点」といえます。
配当は利益を元に分配されるものなのですから、競争優位性を調べることは「高配当を出し続けられる企業なのか?」を間接的に調べることになります。
なお、本来は業界知識や客観的な判断が必要なので分析が難しいです。よって、まずは出来そうなところから始めましょう。具体例には、その会社が何か自己アピールをしていないかを調べます。
全国保証の場合はホームページにまとまっています。
画像:全国保証の強みより
この記事では1つ目の強みを解説します。
強み:独立系の保証会社
全国保証は独立系の保証会社といわれています。独立系とは特定の金融機関グループに属さない保証会社を指します。
特定の金融機関グループに属さないことで様々な金融機関と提携することができます。
画像:全国保証の強みより
逆に特定の金融機関グループに属する保証会社では、原則としてその金融機関に対する保証を行います。例えば「三菱UFJローンビジネス株式会社」は「三菱UFJ銀行」の住宅ローンに対する保証を引受けています。
なお、グループ内に保証会社をもつ金融機関でも独立系保証会社と提携する場合があります。
グループ内の保証会社の保証審査に通らなかった場合に、独立系保証会社にも保証審査を依頼し、通過すれば独立系保証に保証を引受けてもらいます。これによって、金融機関にとってはローン残高を伸ばすチャンスが増え、借主にとってはローンを組める可能性が広がります。

画像:リトライサービス[北陸銀行ホームページ]より
全国保証は2024年3月末時点で719金融機関と提携しています。全国の約70%(※)もの金融機関と取引があることを表します。
この取引先の多さが全国保証の強みです。全国保証のポジションを脅かすような企業は簡単には現れないでしょう。
※総数1038機関。これは最新の業態別金融機関数の2024年9月末時点のうち「証券会社等」、「生命保険」、「損害保険」を除いて集計したもの。
逆にいうと、取引先を増やしていく伸ばす戦略には限界が近づいています。つまり既存事業だけでは、近いうちに成長が頭打ちになる可能性があるということです。
実際、全国保証の売上高や利益の推移を確認すると、徐々に横ばい推移に移行しつつあります。
既存事業の頭打ちが見えてきているため、M&Aによる規模拡大や新規事業の開拓が有力な選択肢になります。
中期経営計画でも「基幹事業の拡大」のなかの「インオーガニック成長」、「周辺事業への進出」といった方針をとることを表明しています。
画像:2025年3月期第2四半期(中間期) 決算短信補足資料より 既存事業と合わせて新規事業がどこまで伸びるのかが今後の注目ポイントになります。