• 投稿日:2024/11/17
  • 更新日:2025/10/09
【OEM】化粧品の作り方 Q&A 

【OEM】化粧品の作り方 Q&A 

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はるはる🌏美容マーケター

はるはる🌏美容マーケター

この記事は約7分で読めます
要約
化粧品のお仕事で30年以上のキャリアを持つはるはるです。 「化粧品OEM」にも携わり、たくさんのお客様の希望する化粧品を世に出してきました。 初めての方にもわかるように、化粧品の製品化についてご説明します。

自分のオリジナル化粧品の作り方

「自分のブランドの化粧品を作って世に出したい」
そう考えた時に、何をしたら良いのでしょう。

「資格はいるの?」
「誰に相談したらいいの?」
「いくらくらいかかるの?」

初めての方は、頭の中が「?」でいっぱいになりますよね?
業界30年以上のプロが、Q&A形式で教えます。


この記事の想定読者

🍀 実店舗(美容サロン含む)でオリジナル化粧品を販売したい方
🍀 ECで自社オリジナル化粧品を販売したい方
🍀 化粧品をプロデュースして卸販売したい方

Q1.化粧品を作るのに資格は必要?

化粧品を作るのに必要な資格は「化粧品製造業」「化粧品製造販売業」です。これは、要件を満たし国から認可を得る必要があるもので、いわゆる工場が持っています。

販売者は「発売元」になり、資格は必要ありません

発売元は「化粧品製造販売業」を持つ工場に商品を依頼して作ってもらうことになります。「発売元」は工場から「本舗さん」と呼ばれたりします。(歴史を感じる呼び方で、私はなんとなく好きです)

発売元と製造販売元の違い

お手元に化粧品があれば、パッケージを見てみてください。

IMG_20241117_094254.jpg大手メーカーの商品は会社名だけが書かれていて「製造販売元」などの表記がない場合が多いです。この場合ニベアさんが製造販売元です。

IMG_20241117_094217.jpgこちらは「発売元」と「製造販売元」が併記されています。

誰に相談したらいいの?

最終的には「化粧品製造販売業」を持つ工場に依頼して製造することになります。
ただ、製造販売業者といっても営業部門が小さい大手の下請け工場も多いので、相談窓口(営業部門)を持っている向上を探す必要があります。
OEM化粧品業界は中つぎ(営業専門)をしている業者も多いです。

インターネットで「化粧品OEM」などで検索して業者を探しましょう。

ネットで対応の良い業者さんは、工場ではなく営業専門会社の可能性が高いですが、OEMが初めての場合は、そちらが向いていることも多いと思います。

発売元と製造販売元の責任の違い

製造販売元:製造を管理し、製品の品質、有効性、安全性に関して全責任を負います。製品に不備があった場合の回収義務も負います。

発売元:自社ブランドの製品を市場で販売するために、製造販売元にOEM製造を依頼し、完成品を製造販売元から購入して販売する立場です。

化粧品の化学的知識ないけど作れますか?

あなたが化粧品の知識が豊富で、何なら自分でビーカー内で作れるタイプの方ならレシピを自分で設計したいかもしれません。逆に、ベンチマーク商品やアイディアはあるけど、化学の知識はゼロだからレシピはお任せにしたい方もいますよね。(こちらのタイプがほとんどだと思います)

実際に商品化される場合のレシピは、「化粧品製造販売業者」(=工場)のオリジナルになり、発売元は化粧品のレシピの知識は必須ではありません

レシピは製造販売元のもの

上記の「発売元と製造販売元の責任の違い」でも書いたように、製品の責任は製造販売元が持ちます。そのため、一般的に、工場は発売元に対して詳しいレシピを公開しません

例えば、工場Aに依頼してOEM製造した商品Aについて、別の工場で作ることは実質不可能です。工場選びは慎重に。
もちろん、表示義務のある「全成分」は公開されます。

Q2.発売元になるメリットは?

商品名を決定できる

商品名を自由に決めることができます。
薬機法(※)の制限を受けます。
例えば、効果を容易にイメージする名称はNG(例えば「シミ取りクリーム」「ニキビ専用ローション」など。ローマ字のみの名前は不可(「販売名」を記載するという抜け道あり)

内容量や価格を決定できる

マーケティング的に売れそうな内容量、価格を自由に決定できます。
製品に価格の表示をするしないも自由に決めることができます。

レシピに希望を出せる

レシピは製造販売元のものと書きましたが、希望は出せますし、詳しい方なら100%レシピを提供して製造依頼することも可能です。

ただし、新規原料を使用したい場合や、販売実績のない新処方(ビーカーで試作しただけのもの)の場合は、経年劣化などの試験などをしていないため、受け入れられない場合もあります。

パッケージデザインができる

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に抵触しない限り、パッケージは自由にデザインできます。
化粧箱をつけるorつけない、ボトルに印刷するorシールを貼る、などパッケージ構成も自由に決めることができます。

このあたりはコストとの相談ですね。

ただし、コスト削減したいからとボトルへの充填までを工場に依頼して、個装箱を自社でアッセンブリしたりするのは薬機法的にNGです。

価格競争に巻き込まれない

発売元になると、その商品の販売を一手に引き受けることになります。
仕入れ商品だと人気が出れば出るほど、ネット上などで価格競争に巻き込まれてしまいますが、自社商品であれば価格のコントロールができます。

販売力のある方ほど、このことは重要になってきますね。

Q3.いくらでできるの?

一番気になりますよね。
私も本業で日々その質問を受けています。

何を、どんな内容で、内容量どれだけで、何個、どんなパッケージで作るかによって幅が大きいのでここでお伝えするのも難しいのですが、書いちゃいましょう。

一般的に、工場が1アイテムを作るのには以下の工程が必要です。

・試作
・安全&安定試験
・製品の所轄への製造届
・原料調達
・釜(化粧品を調合する容器〜化粧品は原料を混ぜて加熱して作ることが多いので「釜」と呼びます)の用意、セッティング
・原料計量、調合
・充填器具の設定(内容量やボトルサイズによって)
・充填、パッケージ仕上げ
・釜・ラインの洗浄
・検品、品質管理

これだけのことを考えると、1アイテムの製造にミニマムでも10〜20万円程度のコストが必要なところが多いと思います。(釜が小さい小ロット対応の工場を想定)

もちろん高額なコンサル料は不要です

化粧品OEMが初めての場合、営業専門会社のほうが小ロット対応で、色々相談にも乗ってくれることが多いのでおすすめです。
基本的に、相談〜試作〜見積もりまでは無料のところが多く、商品代金のみででつくることができますので、くれぐれも高額コンサルに相談しないでくださいね。
もちろん「商品代金」に営業利益は乗っかるわけですが、相見積もりをとることで適正な業者を得選ぶことが可能です。

まとめ

リベに化粧品OEMの情報は少ないですが、以前、ノウハウ図書館に書いた「個人事業主向け 化粧品OEM入門」
https://library.libecity.com/articles/01J3YVMPM11PGSDFT27FK94SH8

という記事を結構読んでいただけたので、続編を書いてみました。
自分の仕事を客観視する機会にもなりました。
質問があればコメントください。分かる範囲でお答えいたします。

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化粧品OEM関連の記事は他にも書いています。
どうぞ、参考にしてください。

🔰「個人事業主向け 化粧品OEM入門」
https://library.libecity.com/articles/01J3YVMPM11PGSDFT27FK94SH8

⚠️中国OEMから国内化粧品OEMへ【つまづきポイント10選】
https://library.libecity.com/articles/01JZ70K50S645EMPH6N7WJJW0K

個別相談も承ります

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