- 投稿日:2024/11/24
- 更新日:2025/10/08

先日、『オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤に関する研修会』を受講し、皆様もしくは周囲の方のいざという時のためなると思いましたのでシェアしたいと思います。
※緊急避妊薬は慣用的に、アフターピル、モーニングアフターピル、EC(Emergency Contraception)、エマージェンシーピル、ノルレボ(商品名)、プランBと言われています(今回は緊急避妊薬で統一しています)。
レボノルゲストレル(商品名:ノルレボ)
レボノルゲストレルは緊急避妊に適応のある医薬品で黄体ホルモン(プロゲステロン)の一種です。
性交後72時間以内に1錠を服用します。その後2~3時間ほどで速やかに吸収されます。
なぜ効くのか
卵巣からの排卵を抑制または遅延させる働きがあり、精子と卵子の出会う確率を低下させます。
効果は5~7日程度持続します。
飲むべきではない人(禁忌)
①過去に、黄体ホルモン(プロゲステロン)に対して過敏症が生じた人。
②重篤な肝障害のある人。
肝臓への負担が増加し、症状が悪化することがあるため。
③妊婦
妊娠初期・中期に投与した場合、女性胎児の外性器の男性化または男性胎児の女性化が起こることがあるため。
妊娠阻止率
妊娠阻止率{(妊娠予定数−実際の妊娠例数)/妊娠予定数×100}は100%ではないものの、80〜90%はあります。
海外の臨床研究では、
性交後24時間以内→95%
25~48時間以内→85%
49~72時間以内→58%
というデータがありますので可能な限り早く服用したほうが良いことがわかります。
副作用
消退出血(46%)、不正子宮出血(14%)、頭痛(12%)、悪心(5%以上)、嘔吐(頻度不明)などがあります。
悪心の頻度は高いものの、実際の嘔吐する可能性は低いですが、もし嘔吐してしまった場合どうすればようでしょうか?
上記グラフを参照すればある程度推測できます。
服用後2~3時間以内に嘔吐した場合、薬剤が吸収し切る前に吐物とともに吐き出されてる可能性が高く、追加服用する必要があるかもしれないので処方医に相談しましょう。
服用後3時間を経過してから嘔吐した場合、薬剤が吸収されてる可能性が高く追加服用する必要はないでしょう。
授乳中の場合どうすればよいか?
こちらも上記グラフを参照すればある程度推測できます。
レボノルゲストレルは服用2時間後までに速やかに吸収され乳汁中に移行し、服用24時間後にはピークの9%まで減少しているため、レボノルゲストレル服用後24時間経過してからであれば授乳しても問題ないでしょう。
まとめ
私自身、今まで対応したことがないため、臨場感をもってお伝えすることが難しいですが、緊急避妊薬の飲み方や注意点などを、可能な限りシンプルにまとめてみました。
活用するときは来てほしくはないですが、いざという時に来ていただければと思います。
医療機関や薬局探しに役立つ、緊急避妊薬入手までの過程もノウハウ図書館に投稿してますのでこちらも御覧ください。
【もしもの時に備えて】緊急避妊薬へのアクセス方法