- 投稿日:2024/11/28
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:堀埜一成出典:https://www.jmca.jp/prod/teacher/11196
1957年、富山県生まれ。京都大学農学部、京都大学大学院農学研究科修了。1981年味の素に入社。87年ブラジル工場へ出向、超ハイパーインフレを経験。1998年同社発酵技術研究所研究室長。2000年、サイゼリヤ正垣泰彦より生産技術者として口説かれ、株式会社サイゼリヤに入社。同年、取締役就任。2009年、同社代表取締役社長に就任、2022年退任。
Youtubeの動画でリベ大でもないが参考になる動画があるので貼っておく。
【サイゼリヤ元社長 型破りな経営術】「ミラノ風ドリア」強さの秘訣
https://www.youtube.com/watch?v=_8ab0VkJn38
広告費を売上の5~8%かけるのがチェーンストアの相場だけどかけない。
サイゼリヤの店舗では新たに投資して、ドライキッチンを採用。
店舗の厨房の床がつねに水浸しにせず、掃除はモップがけだけで済むし、スタッフの靴も濡れないから、フロアに出ても、床を濡らす心配がない。
サイゼリヤには原価計算がない、ノルマがない、社内政治がない、という3つの「ない」など、2代目の外様社長が実施した戦略を書いている。
サービス業、製造業、小売業の視点から価格追及を徹底し、チェーン店が行う企業努力の解像度を上げてくれる。
各話も細かく区切っているので読みやすい。
つまり、”親しみやすい”書籍である。
差別化ではなく、一貫性を追求
顧客視点で考える「当たり前品質」
サイゼリヤは、「当たり前品質」を徹底的に守る経営方針を持っている。
〈品質要素の5分類〉
★魅力的品質:本来なくても構わないが、あるとうれしい
●一元的品質:あるとうれしいが、ないと不満につながる
▲無関心品質:あってもなくても満足度に影響を与えない
■当たり前品質:あって当たり前と受け取られるが、ないと不満に感じる
×逆品質:あると逆に満足度が下がり、ないほうがうれしい
他社との差別化を狙わず、とにかく顧客が求める「当たり前」を確実に提供する姿勢を徹底している。
⇒ 顧客が期待する標準を崩さず提供することが信頼を生む。
特別なサービスが必要ない理由
常連客を名前で呼ぶような特別対応は、一見プラスのサービスに思えるが、顧客が「特別扱い」に慣れてしまうと、それが基準になる。
これが逆に不満やモンスタークレーマーを生みかねないと指摘する。
とくに多店舗展開しているチェーン店では、そういう個人の力量に大きく依存したサービスは維持できない。
⇒ 「いつも同じ」が顧客満足を安定させる。
経営の基礎を守る“トイレ戦略”
細部へのこだわりが印象を決める
サイゼリヤでは、「トイレのにおい」を改善するために最新技術を導入しました。
どうすれば撥ね問題を解決できるかを検討する中で、パナソニックの「アラウーノ」というトイレを選定しました。
アラウーノの特徴は、便器の水の上に泡の層が形成されることです。洗浄液の中に洗剤が入っているからです。洗剤入りの水で流すことにより便器がきれいになり、また水面が泡で覆われます。その泡に、小便の撥ねを抑える効果があるのです。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
においの発生の抑制に成功した。
しかもトイレ掃除の負荷も減らしたため、従業員にも好評。
見えない部分での努力が店舗全体の印象を大きく左右するということを理解しているからこその対応である。
⇒ 細部に気を配る姿勢がブランドイメージを支える。
リニューアルよりもメンテナンス
多額のコストをかけた改装よりも、継続的なメンテナンスで不快感をなくすことに重点を置く。
国内1000店、従業員数1万人の規模のスタッフを抱えているサイゼリヤでは維持できない。
アンケート調査をしたことがありますが、たとえば、メニューブックがベタベタしているのが不快だ、という声があります。テーブルがガタつく、ソファに穴が空いているというのもそうです。そうしたことをなくそうと考えました。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
これにより、効率的な経営と顧客満足を両立している。
⇒ 手間を惜しまないことで品質を維持。
突出するよりも平準化を
チェーン店に求められる一貫性の本質
個人店が「特別な味」を追求する一方で、チェーン店ではそのアプローチが逆効果になる場合がある。
味のピークをどの店舗でも再現性を高めることが重要としている。
冷凍食品などの加工食品で、レストランレベルからもう一段階味のレベルは落とすけれども、味の再現性はきわめて高い。家庭で温めるだけでほぼ同じ味を味わえるのですから、めちゃくちゃ安定しているわけです。 「どの店でも同じ味を提供できる」という再現性や安定性は、「当たり前品質」そのものです。チェーン店が目指すべきなのは、やはり「当たり前品質」なのだということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
⇒ 平均点を高く保つことが多店舗展開の秘訣。
「誰でもできる」を設計する
サイゼリヤは、突出したスキルを求めない方針で、多店舗展開におけるブレを最小限に抑える。
突出したサービスというのは、プラスになるどころか、トータルではマイナスになる。必ず「あの店ではこうやってくれたのに、この店ではやってくれない」という不満につながるからです。多店舗展開しているチェーン店では、「当たり前のことを当たり前にできる」ように、ベースラインをそろえることのほうが、はるかに重要です。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
技術の平準化が、多くの人材を活用するための鍵としている。
⇒ 高度なスキルよりも、誰にでもできる仕組みが大切。
経営者の視点
数字を見る力
コスト削減だけでは、「当たり前品質」を維持できないとしている。
自分の裁量で減らせるところ、たとえば補修費をケチるようになる。それで店がボロボロになってしまうと語る。
商品別利益の計算のしかたなどを学んでもらいました。 数字の勉強というと、すぐに経理の話になりがちですが、外向けの財務会計、制度会計をいくら学んでも、本当に欲しい数字は手に入りません。大事なのは、その数字を自分でつくれるか。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
外部のシステム会社に丸投げせず、データウェアハウスを自分たちで作ることに。
データウェアハウス(DWH):企業内のさまざまなシステムからデータを収集・統合し・情報を一元管理し、必要な数値をいつでも参照できる分析やレポート作成に適した形式で保管するシステム。
部門ごとに、求める成果は何で、それを測るためにはどんな数字が必要か、ものすごく時間をかけて議論したと語る。
時間コストは膨大だったが、数字を見られる人間が何人も育った。
自分で帳票をつくって分析するということが、当たり前に行われるようになった。
投資は一度やったらおしまいではなく、継続していかないと、とくに生産技術はあっというまに陳腐化していきます。ある会社でどんな技術を採用しているかという情報は、少しずつ流れ出ていくものなので、それを真似するだけでキャッチアップできてしまう。だから、先行している側は、つねに前進を続けて、追いつかれないようにしなければいけません。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
⇒ 短期的な利益よりも継続性を重視する経営を。
参考
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが飲食店の紙ナプキンに描いたとされる伝説のループ図を見ると、内側のループを回すことで得られた「成長」を原資として絶えずインフラ整備に投資し、外側のループを回すことが描かれている。
このループ図はITだけのものじゃない。
まとめ
⇒ 「当たり前」を徹底する姿勢が、サイゼリヤを支えている。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆