- 投稿日:2024/12/12
- 更新日:2025/10/02

はじめに
特定口座で保有している投資信託を新NISA口座へ移すことは、システム的には出来ません。
特定口座で保有する分をいったん売却して、新NISA口座で新たに買い直す必要があります。
投資信託は売買の結果が反映するまでに日数を要します。
つまり、特定口座で保有する分の売却手続き→お金が入金されるまでに、数日が経ってしまいます。
入金されたお金を使って買いの注文を出す場合、売った日から数日後の基準価格で買うことになるわけです。
数日で基準価格が上がると…
分かりやすいように、極端な例えをします。
某月1日の基準価格が10,000円だった投資信託(特定口座で保有)10,000円分に売却の注文を出して、某月3日に10,000円が入金されたとします。
この投資信託が1日から3日の間に大暴騰して(値上がりして)、3日の時点で基準価格が1日の倍の20,000円に上がっていたと仮定しましょう。
売却で手に入れた10,000円で、3日に新NISA口座で10,000円分の投資信託を買うことは出来ます。
しかしそれは3日の時点での10,000円分であって、1日の時点では5,000円分だったものです(1日から3日の間に価値が倍になっているため)。
つまりこれは、「1日に10,000円で売ったものを、3日に10,000円払って半分だけ買い戻した」という事になります。学長ライブで「乗り換えについての質問」が絶えないのは、これが怖いからだと思います。
上記のような極端な例は除くとしても、損するのは少額でも嫌なものですからね。
解決策 その1
この問題を解決する簡単な方法があります。
それは、「余剰資金を一時的に使って、売却と買いを同日に注文する」という方法です。
例えば、特定口座に100万円分のオルカンを持っていたならば…
・特定口座のオルカン100万円分を売却注文
・新NISA口座でオルカン100万円を、(余剰資金を使って)買い注文
この2つを同日に行えば、売値と買値のあいだに基準価格の変動は起こりません。
投資信託の基準価格は、1日に1度しか変動しないからです。
数日後に特定口座のオルカン100万円分の売却が完了したら、入金された100万円を余剰資金に返せばOKです。
注意事項
ちなみに、多くの投資信託の注文締切時間は15:30だそうです。
例えば15︰29分に売却の注文を出して、15︰31分に買いの注文を入れると…
おそらく売却と買いで基準価格が1日分ずれます。
そのあたりだけ、ちょっと注意してください。
解決策 その2
この方法に回せる余剰資金が足りない場合は、この作業を複数回に分ければ良いだけです。
先程の例で、余剰資金が50万円しか用意できないのなら…
・特定口座のオルカン50万円分を売却注文
・新NISA口座でオルカン50万円を、(余剰資金を使って)買い注文
この2つを同日に行います。
数日後に売却した50万円が入金されたら、再び
・特定口座のオルカン50万円分を売却注文
・新NISA口座でオルカン50万円を、(入金された50万円を使って)買い注文
この2つを同日に行えば大丈夫です。
最終的に50万円を余剰資金に返して、移動が完了です。
余剰資金が10万円なら、10回に分けて作業すれば同じことです。
おわりに
学長は「そんな細かいこと、気にしなくて大丈夫」とおっしゃるでしょうし、実際に些細な問題なんだろうとは思います。
それでも「やはり気になってしまう」という方は、この方法で特定口座から新NISA口座へ入れ替えてみてはいかがでしょうか。
※ ちなみに今回の話は、
・楽天証券やSBI証券を利用
・eMAXIS Slimシリーズを購入
を前提として記事にしました。
条件が変わると、内容にも相違が出てくる可能性があります。