- 投稿日:2024/12/24
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は中村圭志さんの『教養として学んでおきたい5大宗教』2020年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:中村圭志
1958年北海道小樽市生まれ。北海道大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学・宗教史学)、宗教学者、昭和女子大学非常勤講師。
「信仰したいわけではないが、宗教について学びたい」という人にはおすすめできる本。
逆にこういう人にはおすすめできない。
神とは、目に見えない魔法の友達に全責任を押し付ける無能な奴らが考え出したフィクションだ。
ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』「六つのサッチャー」:ホームズのセリフ
なお、別のドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』では…。
薔薇の何と美しいことか。この花ほど推理を必要としないものは無い。宗教もそうです。それは論理性により完成された科学として構築することが出来る。
ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』「海軍条約事件」:ホームズのセリフ
同じシャーロックホームズだって、見方や時代、監督が変われば表現は変わる。
宗教は信じるものだけでなく、人生の理解を深める学びの対象でもあるのだ。
宗教は「教養」として知っておきたい。
宗教について受動的に学ぶだけでは駄目で、積極的に「自分としては宗教をどう考えるか」判断していかなければならない時代が来ていると言えそうです。これは面倒くさいことのように思われるかもしれませんが、あなた自身が主体的理解を示すチャンスなのです。
あなたが「無宗教」なのであれば、その無宗教の立場から宗教に切り込んでいけばそれでいいのです。 これはむしろ、宗教の「お勉強」に呪縛されずともよいという、自由な、解放的な状況なのではないでしょうか。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
宗教は私たちが生まれるよりもはるか昔から存在している。
人間が集団や組織を形成する際に宗教が果たしている役割は「教養」として知っておくことは損にならない。
「宗教」で多様な考え方と世界観を学ぼう。
「宗教」は「道徳」や「理由」である。
日本においては、少しづつ風化してきていますが、宗教による戦争、新興宗教やカルトによる社会問題や事件も起きています。
カルト:宗教や政治、心理などの手段を利用して、人やお金を集める目的で活動する集団を指す。ちなみにフランス語(仏: culte)である。
自分や家族を守るためにも、宗教の概要を知っておいて損はありません。
地域によっては「道徳」や「重大な決断をする理由」と同じなのです。
リベ大で紹介される「タルムード」もユダヤ教から生まれたものです。ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
世界の五大宗教や宗派
一般的に世界の五大宗教は以下の通り。
・ユダヤ教
・キリスト教
・イスラム教
・ヒンドゥー教
・仏教
エリアで細かく分類すると…。
■中東生まれの宗教
・ユダヤ教
・キリスト教
・イスラム教
■インド生まれの宗教
・ヒンドゥー教
・仏教
■東アジア生まれの宗教や思想
・儒教
・道教
・神道
どれも、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか?
私たちにとってユダヤ教とキリスト教の違いは曖昧。
唯一神を信じているのは同じでも、考え方は違う。
ユダヤ教……民族を中心に救う神のイメージ
(戒律を守ることが重要)
キリスト教…個人単位で(全人類を)救う神のイメージ
(キリストの神秘を信じることが重要)
キリスト教の中にも宗派がある。
東方正教会……ギリシャ、東欧(ブルガリア、セルビアなど)、ロシアなど
カトリック……南欧(イタリア、スペイン、フランス)、アイルランド、ドイツ南部、ポーランド、中南米、フィリピンなど
プロテスタント…ドイツ北部、北欧、英国、カナダ、米国、オーストラリア、ニュージーランドなど
東方正教会は古代からの儀礼を重んじ、思想的には概ね保守的。
カトリック教会は中央集権的で、概して保守的。今日ではリベラル。
プロテスタント諸教会は、教団による違いが大きく、超保守もあれば超リベラルもある。
…とまぁ。全ての5大宗教を語ることはできない。
本書は簡潔にまとめられているので「信仰したいわけではないが、宗教について学びたい」人にはおすすめできる。🍀
ここでは宗教の果たす3つの役割を紹介する。
宗教の果たす3つの役割
1. 奇跡をもたらす
宗教は病気治しや祈りによる福を呼び寄せる呪術的な側面を持つ。
心理的効果で実際に救いを感じることも多い。
宗教が象徴的に未来への希望を示し、絶望的な状況下でも生きる力を与える役割を果たしている。
もちろんこれは非科学的な話。
非科学的な信念に基づく実践を呪術(マジック、魔術、魔法)と呼ぶ。
宗教の機能の大部分は呪術です。死者にお供物を捧げるのも呪術であり、天に向かって祈るのも、しばしば呪術的な意識で行なわれるものです(祈りによって福を天から呼び寄せるという呪術)。 こうした呪術には心理的な働きがあり、病気などの場合、それが絶大な効果を上げる場合があります(心理状態がある程度身体状態にフィードバックされる)。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
あらゆる個人が「希望」を原理として生きている。
どんなに絶望的な状況の者にも「希望」を抱くキッカケを提供する。
⇒ 「宗教」には希望を与える力がある。
2. 秩序をもたらす
中世の時代、海外でも日本でも宗教は国家事業として真剣に治世のために活用されていた。
同じ神話を共有することで仲間意識を生み、協力や社会の安定を促進する。
歴史的には大宗教の神話が何千万、何億という人々に同一のアイデンティティを与え、社会の秩序と潜在的な協力体制を維持してきた。
⇒ これが「道徳」として機能している理由である。
人々が同じ神話を共有することで、仲間意識を高め、スムーズな協力関係に入り、相互に善行を施しあうユートピアを部分的に現出することができます。これは人々に人生の目的と誇りを与え、アイデンティティの感覚を与えます。互助のシステムの創出は、奇跡と並ぶ宗教の重要な機能です。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
人間が動物と異なる最大のポイントは、何であれ神話を共有することで「仲間」をつくることができる点。
社会の調和や善行を支える基盤にもなる。
⇒ 人々をつなぐ絆を作る。
ただ、戒律や神話は時に排他的な側面を持つ。
価値観やタブー、階級差別、性差別、性志向差別など争いの要因にもなる。
3. 人生の問いに答える
宗教は「人間とは何か?」「世界はどのように始まったのか?」「なぜ善と悪があるのか?」「死んだらどうなるのか?」といった、高度に哲学的な問いに答えようともします。いわゆる神学です。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
神学は発達した哲学や科学から見たらツッコミどころ満載の不確かな説明が多い部分もある。
神が正しいことを証明するための研鑚が現在につながっている。
数学、天文学、生物学など、神様がいかにこの世を完璧につくり上げたかを証明するために研究は行われた。
⇒ 生きる意味を探る助けとなる。
科学では説明できない感覚的な納得を与え、人生に奥行きをもたらす。
例1
神に祈れば病気が治る。
↓
しかし治らない。
↓
病気は神の試練である。
例2
悟れば人生の問題は解決する。
↓
いくら坐禅しても人生の問題は晴れない。
↓
真の悟りはブッダのみにある。
言い訳というと聞こえが悪いのですが、こうした知的操作を重ねることで、信者は人生の奥深さに目覚めていくことができます。
人生には裏があり、裏にはまた裏がある……この経験的事実を、神学もまた教えてくれるのです。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
例のように神学は、あくまで個人個人の気持ちを納得させるためのもの。
状況に応じて論点をズラしていく(言い訳を重ねる)のが常。
人生の解決というよりも、自問自答に一生を費やすことに。
一部の信者(エリート信者)が聖職者や神学者になることで、宗教は次世代に伝えられる。
まとめ
⇒ 宗教の役割と学びは、人生を豊かにするための「教養」になる。
⇒ 「自分」を知ることの助けになる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆