- 投稿日:2025/10/18
初めまして!シロマサルです。
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今回はローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』2018年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ローレンス・J・ピーター
1919年、カナダ生まれ。教育学博士。南カリフォルニア大学教授。同大学で規範教育研究所ディレクター、情緒障害児支援プログラムコーディネーターを歴任。教師、スクールカウンセラー、刑務官指導員、コンサルタント、大学教授などの幅広い経験から「階層社会学」を提起。著書多数。1990年没
著者:レイモンド・ハル
カナダ生まれ。小説家、ノンフィクション作家。1985年没
✅ 昇進は必ずしも成功ではない
✅ 無能は構造的に生まれる
✅ 最善の策は「創造的無能」である
「有能かどうかの判定を下すのはいったいだれなのでしょう?」
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
「うちの上司、なんであんなに無能なんだろう…」
「真面目に働いてきたのに、昇進したら仕事ができなくなった」
そんな疑問にズバリ答えるのが、本書『ピーターの法則』である。
今回は、組織に蔓延する“無能の正体”と、あなたが陥らないための処世術をお伝えする。
ちなみに無能な部下は存在しない。
チームが成果を発揮しなかった時は普通の部下を、無能なリーダーが率いているとのこと。
ごくまれに「有害な部下」はいても、「無能な部下」はいない。
だが昇進すれば、すべてがf***(無能)になる。
『ピーターの法則』
階層社会とは、身分や等級、階級に従って構成員の配置が決まる組織のことである。
階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
昇進するほど、無能になる理由
⇒ 出世の果てに能力の限界が来る。
⇒ 管理職でなくても報酬を上げる仕組みを。
⇒ 昇進ではなく、昇給で報いるべき。
有能な現場責任者が、管理職になった途端に「無能」になる。
ピーターの法則は、階層社会において、誰もが最終的に“能力の限界”に達する構造を説明している。
誰もが管理職に向いているわけではない。
監督や親方ではなく、選手や職人が最も高い能力を発揮できる人物もいる。
実務型の人には、専門性を評価して収入で報いるべきとする。
これは組織の持続的成長にもつながる。
一般的に出世した人の主な仕事はマネジメントだが、マネジメントは自分ではなく人にやらせて成果を出す仕事であり、プレーヤーとして自分が成果を出すのとは全く別の能力が問われる。
プレーヤーの仕事ができすぎる人は出世が早いものの、2つの理由でマネジメントでつまづきがちになる。
1つは、わからない人の気持ちがわからないこと。
もう1つは、出世する前の若手のときに、苦労して仕事を覚えたり、後輩の面倒を見ることなどを通じてマネジメントの力量を磨く経験が不足していることだという。
大抵、社員が有能か無能かを決定するのは、外部の人間ではなく、その組織内の人間(特に上司)である。
ちなみに、同僚間で無能をあげつらうのは、優秀な同僚への羨望からくるという。
己を知るものは、他者に負の感情で影響されることは少ない。
経済危機や政治危機にもいろいろありますが、1つだけはっきりしていることがあります。
それは、さまざまな学識経験者がてんでばらばらな解決策を提言するということです。
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
この理由は3つ考えられ、
❶専門家は既に無能レベルに達していて、その指摘が見当違いである。
❷筋は通っているが、実行に移す能力を持っていない。
❸政治や経済をつかさどる組織が、無能に満ちた階層社会の数珠つなぎ状態であるため、どのような提言も実行されるに至らない。
とのことである(笑)。

アルフレッド・D・チャンドラー・ジュニア著『組織は戦略に従う』
事業を多角化、外注化していくと、「ひとつの事業はひとつの事業部に任せ、トップは実務に関わらない」という事業部制組織に行き着く歴史が書かれた書籍。
機能別組織(「開発」「製造」「営業」といった機能ごと)や事業部制組織は「ピーターの法則」が起こりやすい。
近年では、解消するためにマトリックス組織(複数の軸で構成される組織形態)が生まれた。
こちらはこちらで、複数の部門や上司から指示を受けるため、管理が複雑になるのでバランスが難しい。
出典:ゆうゆうぶろぐ
学長マガジン
リベの組織体系って、マトリックス組織になっててな。 従来のカンパニー制と違って、一人の人が複数の部署や、プロジェクトにまたがって、自由に行き来するねんな。
メリットは、部署や、プロジェクトを自由に横断しながら、柔軟性が持てる。
「Aさんは、◯◯事業部だから、このプロジェクトは手伝えないよね」とかが、ないというか。 一方で、マトリックス組織の問題点は、管理含めて、複雑になるねんな。笑 今、リベ大グループが大きくなってきて、プロジェクトの隙間が出てきて、 「このプロジェクトとかは誰に頼めば良いかな?」 みたいな事が起きたりしてるねんな。
組織はなぜ無能を許容するのか
出典:漫画『へうげもの』
勉強や自己啓発に熱心なことは、むしろマイナスの効果をもたらすという見方もできます。
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
⇒ 無能は構造を壊さないから重宝される。
無能は組織を壊すと思われがちだが、大半はそうではない。
⇒ 超有能は、組織にとって異物になりやすい。
組織は「秩序」が最優先。
有能すぎるとルールを壊す恐れがあるため排除されやすく、むしろ“従順な無能”が評価されやすい仕組みがある。
やっかいな「押し(自己アピール)」の強い無能でなければ、組織で重宝される。
新しい提案や改革を恐れる組織にとって、優れた人材は「空気を乱す存在」になりがち。
スティーブジョブズやジェフ・ベゾスは友人としては楽しいが、仕事仲間や上司の場合は非常に大変だという(笑)
優秀な人物は、自分のキャリア形成の前にどうにもならない妨害者(または仕組み)があらわれても、先のふさがっていない昇進(または転職)ルートにそつなく乗り換えていく。
結果、無能は残り、有能は辞めていくという皮肉な構図が生まれる。
誰だって、全肯定してくれる人物を周りに置きたい。
イエスマンが多く、巨大な会社はだらだらと長生きできる。
だが、周囲やライバル企業の変化に適応できなくなるとき崩壊する。
そして、崩壊するときは一瞬である。

出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』
真のリーダーとは忠言を歓迎する者である。
どんな組織も「上に立つ人の器以上のことはできない」
貞観政要(じょうがんせいよう)出口治明著『座右の書「貞観政要」―中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
優秀であるほど組織に使いつぶされる。
「だいたいいつもベゾスから隠れてすごそうとしていました。楽しい話し相手ではあるのですが、彼のお気に入りプロジェクトになるのは避けたいのです。いやというほどあいされてしまいますからね」
ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』
では、どうすれば良いのか?
抜け出す方法はあるのか?「創造的無能」という戦略
「創造的無能」とは無能になることを自らコントロールすることである。
「料理人が多いとスープをだめにする」
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
⇒ あえて“ちょっと抜けた人”を演じるのも手。
自ら無能を装うことで、昇進を避け、現在の職務に集中する戦略が「創造的無能」と語る。
弱さをさらすというのは非常に勇気がいるが、”静かな退職”よりは組織や仕事に対して肯定的である。
出世欲に振り回されず、自分の得意な仕事を続ける工夫だ。
だが、そんな簡単にできるわけないだろ!?と私自身思う。
私たちは必ず無能になるのなら、「複数の場(コミュニティや仕事場所)」を持つと良いだろう。
「無能」になる時間軸をズラせれば、自己肯定感を維持しやすい。
複数の場があれば、すべてで昇進する必要もない。
自己肯定感や小さな成功体験をいつもどこかで持てることが秘訣である。
前述したマトリックス組織も対策の1つといえるだろう。
もしくは、自分が社長になってみることだ。
(階層社会から抜け出す)
現代では、ハイブリッド起業といった選択肢もある。

入山章栄著『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』
ハイブリッド起業とは、「会社勤めを続けながら、それと並行して起業すること」
起業の成功確率はそもそも低いので、会社を辞めて起業し、自分の時間とキャリアのすべてを賭けるのはリスクが高い。
しかし、会社に勤めつつ副業として小さく事業を始め、成功・失敗の不確実性を下げれば、リスクは下がる。
上村理絵 著『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』
⇒ 他人と比べず、自分を肯定する。
「老化の個人差」を生み出しているもの。 それは「自分の存在を認め、自分は自分のままでいいと思えているか」どうかです。
上村理絵 著『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』
無能の個人差も同じことがいえる。
・人間の階層社会はいつまでもなくならない
・人間社会は能力の極限まで出世する
・有能、少し有能、無能の3つに分けれる
・階層社会では誰もがいつか「無能」になる
・無能はどんなところにもいる、会社、役所、お店など
・自身は「無能」にならないために、昇進をお断りするのも手
・昇進ではなく昇給させるべきである
・もしくは、十分な訓練を受けて昇格させるべきである
これらをまとめた結果が、『ピーターの法則』である。
まとめ
✅ 昇進は必ずしも成功ではない
✅ 無能は構造的に生まれる
✅ 最善の策は「創造的無能」である
知恵ある博士や聖人をたずね
道理を理解しようと耳を傾けたが
空しく帰路につくだけだった
ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
⇒ 出世の果てに「無能」は待っている。
人間は全能じゃない。だから、人間なのだ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
