- 投稿日:2025/01/03
- 更新日:2025/10/01
はじめに
2016年〜2023年までタイ、中国に駐在していました。タイではバンコクブラスバンド、中国では上海ブラスバンドに所属してクラリネットを吹いていました。実は日本は吹奏楽大国で世界を見渡しても中学生、高校生が部活動で吹奏楽を行う国はありません。アメリカもありますがマーチングバンドが主流です。こういった土壌もあって日本では楽器が安価で手に入れられましたが最近は高騰して下がることはありません。なぜそう言えるのか私見ですが3つの理由を挙げてみたいと思います。
①為替とインフレ
1つ目はリベ民でなくてもわかる内容です。国内ではヤマハが頑張って静岡県磐田市(豊岡)で楽器を作っていますがエントリーモデルは台湾製です。また、サックスはセルマー、クラリネットはクランポンとフランス製なので為替の影響を受ける楽器なのです。木管楽器だけでなく金管楽器、例えばトランペットもバック(アメリカ)が有名で吹奏楽の強豪校ではクランポンやバックに統一させているところもあるくらいです。
②新興国発展による富裕層(吹奏楽)人口増加
はっきり言って楽器や絵画のような芸術は所得が上がらないと発展しないものです。習い事も塾やそろばんに比べて優先度は落ちますね。
家電に例えると塾が冷蔵庫なら楽器はハードディスクレコーダーです。かつて東アジアや東南アジアでは生活するのがやっとで音楽は演奏するものではなく聴くものでした。それが時代が変わってバンコクや上海ではジャズバーが出来て一般人が練習して披露できる場も出来たりしています。
特に中国では習近平国家主席の鶴の一声で学習塾が一夜のうちに潰され代わりに文化系の習位ごとが残され富裕層はそちらに流れていくことになりました。
お茶の水の楽器街に行くと外国人が楽器を物色している光景を見ますが需要と供給のバランスが崩れています。
木が無い
これはクラリネットやオーボエに限りますがこれらの楽器は「グラナディラ」と言う木材を使用します。比重がとても重く水に浮かばず沈んでしまいます。アフリカ原産で近年採れなくなっているのです。環境破壊や需要の高まりによる過剰伐採が原因ですがこれがないと楽器は作れません。年々木材が高騰しています。

ヤマハはそのことを憂慮してアフリカでグラナディラの植林を行っています。ただ生育に時間がかかるので長期計画ですがこう言う取り組みは素晴らしいですね。

安いモデルでは樹脂製モデルが各社から発売されていますが将来木材から樹脂に変わるかというと、私は絶対変わらないと思います。
まとめ
吹奏楽部に所属しているお子さんを持つ親御さんにとって楽器を購入するか学校から借りるか悩ましいところです。
3年間だけなら借りるという選択肢が1番ですが買うことになったとしてもきちんとしたモデルを購入すれば上記3つの理由によりリセールバリューは高いので参考にしてみてください。
余談ですが楽器の中でも「低音楽器」は値下がりしにくいと言われています。中古市場でも出回らないのが理由です。楽器選びもお子さんと相談するのも資産形成で重要かと思います。