- 投稿日:2025/01/05
- 更新日:2025/09/30

人はなぜ100km歩くのか
私は趣味で100kmウォークに2年連続で出場しました。
「一度に100kmを歩くなんて、普通では考えられない。」と思われる方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際にはそんな極端なチャレンジに挑戦している人たちがいます。
歩くこと自体は健康に良いとされていますが、100kmとなると話は別です。
100kmを歩くと体がズタボロになり逆に不健康だという声もあります。
ではなぜ、100km歩く人がいるのでしょうか?
※100kmウォークとは100kmを歩いて完歩するイベントのことです。
本記事では、「100km歩くことのデメリット」と「それでも歩く理由」を解説していきます。
100km歩くことのデメリット
100km歩くことでどんなデメリットが生じるのか、順に紹介していきます。
1.身体への負荷が大きい
100kmの道のりを歩くと、個人差はありますが一般的に150,000歩ほどの歩数が必要といわれています。
普通の人で平均6,000〜7,000歩/日と言われているので、いかに異常な距離かということがお分かりいただけるかと思います。
150,000歩も歩くと、体のあちこちに痛みが出現してきます。
足、膝、股関節はもちろんのこと、腰や肩にも出現し、擦れによってお尻や脇などにも痛みが出現します。初めは、少し休憩するだけで痛みが軽減することもありますが、徐々にその痛みは増していきます。
私の場合は左足の指先の痺れから始まり、50kmを超えたあたりくらいから徐々に下肢全体が痛くなっていきました。大会後、左足の爪が内出血を起こし、黒っぽくなっていましたが、今でもその跡が残っています。
しかし、これらはインソールを適したものに変えたり、お尻に馬油を塗ったり、眠気覚ましや痛み止めの服用などの対策にて軽減することが可能です。
2.拘束時間が長い
3〜6時間ほどで走りきるマラソン大会とは違い、100km歩くとなるとより長い時間が必要です。
100kmウォーク大会には制限時間が設けられており、一般的には24〜26時間の大会が多いです。早い人であれば12〜13時間でゴールしますが、それはほんの一握りで、多くの人は20時間前後の時間を要します。
準備や会場に向かう時間、帰路の時間なども含めると丸2日ほど取られてしまうので、なかなか時間を割けない人もいるのではないでしょうか?
私が参加した大会でのタイムスケジュールは以下の通りでした。
9:30 家を出発(会場まで電車含め40分ほど)。
早めに行って荷物を預けたり整列をします。
12:00 100kmウォークスタート!
人数が多いため出発まで1時間かかりました。
翌日
9:00頃 ゴール。疲労困憊のため仮眠+着替え+ぼーっとする時間が2時間ほどありました。
11:00 帰り支度を整え、よちよち歩きで最寄り駅まで向かう。
12:00 駅に到着。ご飯を食べた後、JRで帰路に着く。
15:30 帰宅
こんな感じでした。丸二日間は時間を取られますし、帰ってきてもまともに歩けないので、帰宅後はずっとソファーで倒れていました。
3.とにかくしんどい
大会の後半になればなるほど体の痛みは強くなり悲鳴をあげていきます。歩くペースも落ちていき、心がへし折られそうです。
追い打ちをかけるように、睡魔・寒さが襲い、まるでゾンビのような歩容で何とかゴールをめざしますが、横を通り過ぎるリタイアバスが「お前さんも乗らないかい?」と誘惑してきます。
100kmウォークの完歩率は7割ほど。大会によっては6割ほどになることも。簡単にゴールできる大会ではありません。
「もういいじゃん」
「よくここまで頑張ったよ』
と、しんどすぎて途中で諦めてしまいそうになることが、何度もあります。
それでも100kmウォークに挑戦する理由
ここまでを読んで、100km歩くことへの嫌気がさらに増してきたかもしれません。
ここからは、なぜデメリットを受け入れ100kmウォークに挑戦するのか詳しく解説していきたいと思います。
1.自分の可能性を開くことができる
皆さんは「100kmもの距離を自分が歩き切れる訳無いよ」と自分で自分の可能性に蓋をしていませんか?
100kmウォークに限らず、仕事や私生活でも挑戦することから距離を置いてしまっていませんか?
私が100kmウォークを始める前は、何かにチャレンジすることもなく、平穏な日々を過ごしていました。
しかし、100kmを歩くという目標を立て、目標を達成したことで「自分にもできる」と自信を持つことができました。やらなければできないが、しっかりと準備しコツコツと続けていけば、ちゃんとやれるんだと自信が持てるようになりました。
その結果、副業や転職にもチャレンジすることができ、毎年目標を持って何かに取り組めるようになりました。
2.健康な体を手に入れることができる
100kmウォークを歩いている時は、体はズタボロになります。
しかし、100km歩くための練習を続けていくことで健康的な体や生活習慣が手に入ります。
適度なウォーキングは、血液循環の改善により心疾患リスクの軽減や筋肉・骨の強化、ストレス軽減、睡眠の質の向上などなど、数えきれないメリットを与えてくれます。
併せて、ウォーキングの練習時間を確保するには、時間管理が必要です。毎日の時間管理をすることで習慣にしてしまうことが可能です。
私は時間管理をして朝6時に起きて歩く時間を作りました。それを継続することで習慣になり、大会本番までに合計800kmを歩くことができました。
3.知らない人と出会える
「完歩する」という同じ目標を持った人と触れ合えるのも100kmウォークの魅力の一つです。
「ゴールまでもう少しですね」
「どこから参加したんですか?」
など、わずかな時間ですが、他の参加者さんとお話しできるのも楽しみな瞬間です。
また、沿道から応援してくれる人たちもいます。
道端に立って、「頑張ってねー」と手を振ってくれたり、飲み物やお菓子などを準備してくれる方々の優しさに触れることができるのです。
普段、誰かに面と向かって応援されることが少ないので嬉しかったです。
4.精神的に強くなれる
100kmウォークは身体面だけではなく、精神面でも強さを求められる大会です。
押し寄せる痛みに耐えながら、眠気を押し殺して、寒さを堪えながら、雨が降ろうが、風が吹こうが前に進んでいかなければなりません。
休憩ポイントで他のウォーカーさんがリタイアバスに乗り込むのを見ながら、前に進むという決断をしなければなりません。
体は徐々に動かなくなり、ゴールまでまだまだ距離はありますが、歩かなければなりません。
「なぜこんなにきつい思いをしなければならないのか」
「もうやめてもいいんじゃないか」
途中で投げ出して楽になってしまいたいという誘惑に幾度となくぶつかります。歩き続けるかリタイアするかは自分次第。無理をしすぎることは良くはありませんが、いつでもリタイアできる状態で、辛い道のりを歩き続ける選択をするため精神的に強くなれるのです。
まとめ
100km歩くことのデメリット、それでも100km歩く理由について解説してきました。
デメリット
1.身体への負荷が多きい
2.拘束時間が長い
3.とにかくしんどい
それでも歩く理由
1.自分の可能性を開くことができる
2.健康な体を体を手に入れることができる
3.知らない人と出会える
4.精神的に強くなれる
私は、100kmウォークに参加することで、何かにチャレンジする習慣を身につけることができました。
100kmウォークは毎年各地方で開催されています。
この記事を読んで少しでも100km歩いてみたいくなった方、何かにチャレンジしてみたくなった方は、ぜひ一度チャレンジしてみてください!