- 投稿日:2025/01/29
- 更新日:2025/09/29

はじめに
日頃よりワインセミナーやワイン会など、リベシティ会員の皆様にご参加いただいておりまして、ワインに興味を持っていただける事に感謝します。
「ワインの選び方を教えて下さい」この質問本当によくいただくのですが、答えを一言で言うと「受け取る方の好みによる」なんですよね😅
そうです、前提条件が揃わないと答えが出ないんですよね。では前提条件を纏めてみました。
前提条件として確認しておきたい事
① お好きなワインの種類
言わずもがな、まずは大きなカテゴリー分けの「種類」についてです。具体的には、
色の仕分けとして 白ワイン・赤ワイン・ロゼワイン
発泡か非発泡か スパークリングワイン・スティルワイン
味わいで 辛口・甘口
最低限ここが決まらないと次に進めないかと思います。ご自分用に選ぶなら好みですのではっきりと決められると思います。誰かへのプレゼントであれば日頃からお好みを観察しておく、もしくはざっくばらんに聞ける相手であれば聞いてしまうのも手です。
② セパージュ(好みのブドウ品種)
もし分かれば、好みのブドウ品種まで特定出来た方がより絞りやすくなります。ワイン好きな方であればご自分の一番好きなブドウ品種が有ると思いますので、一緒にワインを飲む機会に確認をしていただけると後々役立つと思います。
③ 予算
プレゼントでも自分用でも購入に際してはどれ位の価格帯を考えているかによって選択肢が絞られます。予算が掛けられればより高品質なワイン、著名なワインまで選択肢に入ってきます。勿論あまり予算を掛けられなくてもそれに応じたワインを選ぶこともある程度までは可能と思います。
以上の情報を元に選択しますが、ネット通販で購入する場合は上記の情報から選択・絞り込みが出来るので非常に便利です。後は選ぶ基準として何を優先するかが決め手となります。
選ぶ基準(何を優先するか)
① 著名なもの、名の通ったものかどうか
ワインの本場・ヨーロッパの上質なワインには「原産地呼称表示」と呼ばれる法律で定められた表示がされています。例えばフランスではA.O.C(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)※最近ではA.O.Pと書かれているものも有りますが呼び方が変わっただけで内容は同じです。この表示が有るかどうかによって上質なワインかどうかがある程度区分けされているんですね。同じくイタリア・スペインにも同様な区分が有ります。その上で、地域によってより上質な物に対して「スーペリア」「プルミエ・クリュ」「グラン・クリュ」等呼称表示を差別化しています。地域によっては呼称表示とは別に等級(特級・1級・2級等)を設けています。
以上から、ヨーロッパのワインはより著名なもの、名の通ったものが分かり易く、特別なプレゼントに「グラン・クリュのワインを贈ります」や「◯◯の特級のワインを贈ります」など「良いものを贈ります」が分かりやすいという良さが有ります。
これに対し、ニューワールドのワイン(北米・南米・オーストラリア等)は呼称表示が無いため、そのワイン銘柄自体の市場の評価が頼りとなります。
② 受け取る人の好みに寄せるか、敢えて定番ではなく普段買う機会の無いものを贈るか
プレゼントの場合、好みに寄せるのが王道ですが、敢えて恐らく召し上がった事の無い国と地域のワインをチョイスするのも有りです。ワインは本当に多種多様なセパージュ・国と地域で作られており、送られた人にとって今まで召し上がった事の無い地域やセパージュのワインを楽しむのも一つの楽しみになると思います。特にワインにあまり詳しくない方への贈り物であればデザートワインを選択するのも良いと思います。日本国内では辛口ワインと比べて召し上がる方が少ない印象です(甘いデザートに甘いワインではしつこいと思われるのではないでしょうか)が、実際に召し上がっていただくとすっきりとした甘みがケーキやマカロンなどの洋菓子ととても良く合って思わぬ発見に喜んでいただけると思います。(女性におすすめ、もちろん甘いものが苦手でない事が条件になりますが)スイーツ親方(芝田山親方・元横綱大乃国)も激推ししています😊
③ 1本に拘らず、コスパの良いものを複数揃えて贈る
贈り物としては1本物を贈るのも良いのですがお祝い事になぞらえて紅白(赤ワインと白ワインもしくは白・ロゼのスパークリングワイン)のペアで贈るのも良いですね。
予算から考えると1本あたりの価格を抑えなければなりませんがニューワールド(チリ・オーストラリア・アルゼンチン等)にはコスパの良いワインが多数有ります。欧州のワインとの違いとしてセパージュ(ブドウ品種)がラベルに明記されていますのでお好みに合わせたものを選びやすいと思います。
④ 贈る銘柄にストーリー性を持たせる。
ワインは実に多くの国と地域で生産されています。日本国内でも海外でも流通量には差が有りますが贈る方のゆかりの国・地域のワインを贈るのもまた趣が有って良いですね。うまく行けばその方が現地にいらっしゃった時に味わったワインと同じ銘柄をプレゼント出来るかも知れませんね。日本国内でもワインの生産地域は多数有ります。勿論日本酒と比べたら流通規模は小さいのですが通販を使えば現地に行かずとも購入が出来るので調べてみる価値が有ると思います。
実際にご提案した内容
実際にご相談をいただいてお答えした事例を以下ご参考まで載せてみます。
※提案してから暫く経っていますのでウェブのリンクが切れているかも知れません。ご容赦下さい🙏
ご相談内容(詳細は伏せて簡潔に)
20代の女性に誕生日プレゼントとしてワインを贈りたい 白ワイン希望 予算5,000円位
〜〜〜 以下、私からの回答 〜〜〜
おすすめの白ワインですが、実はおすすめのワインを教えて欲しいという質問が一番多く、なおかつお答えするのがなかなか難しいのです😅なぜならワインはブドウ品種や生産地域によって様々な味や香りの特徴が有り、個人の好みによって好きなものが決まりますので、10人居たら10人におすすめできるワインというのはなかなか難しいのです。🤔
また、ワインについては最終的に飲んでみないと分からないところも有りますので、下記に挙げたワインも正直試飲した訳では無い中でのチョイスとなる事をご容赦下さい🙇
一つに絞るのは困難なので、いろいろな観点から予算に近いおすすめワインをいくつか挙げてみました。
1.比較的万人受けする味わい・なおかつブランド力の有るワイン
比較的万人受けするブドウ品種は「シャルドネ」です。まろやかな口当たりと酸味がそれほど強くなく、香りも高いのが特徴で辛口ですが女性にも飲みやすい味わいかと思います。
シャルドネの銘醸地と言えば フランス ブルゴーニュ その中でもブランド力が高いのはコート・ドール地区産、続いてシャブリ地区産となります。 この条件でAmazonで探してみました。
① ルイ・ジャド サン・ロマン ブラン
コート・ドールの地区のワインからご紹介します。コート・ド・ボーヌ、サン・ロマン村産のワインで、ルイ・ジャドもブルゴーニュでは評判の良いブランドです。
② ロピトー サン・ロマン
こちらも①と同じ サン・ロマン村のワインです。
③ シャブリ・プルミエ・クリュ・フルショーム 2018
続いてシャブリ地区のワインをご紹介します。シャブリのワインはグラン・クリュ>プルミエ・クリュ>ノーマル の順に格付けがされています。
残念ながら予算の範囲ではグラン・クリュのワインはございませんでした。そこでプルミエ・クリュのワインからチョイスしました。
こちらのみヴィンテージ(ぶどう生産年)が入っていました。2018年はぶどうの出来が良い年と云われていますのでおすすめです。
④ シャブリ プルミエ・クリュ モンマン
こちらもシャブリ プルミエ・クリュとなります。
2. 普段あまり飲む事が無いが、特徴が有って印象に残るワイン
ゲヴュルツトラミネール
フランス・アルザス産の白ワインで、ライチの様な甘い香りが特徴です。その香りから中華料理に合わせるのもおすすめです。
もし飲んだことが無ければ一度試していただきたいぶどう品種です。
3.甘口のデザートワイン
ソーテルヌ
フランス・ボルドー ソーテルヌ産の白ワインです。
貴腐ワインと呼ばれていて、ぶどうに菌を繁殖させ、腐らせる事によりぶどうの水分を抜き、糖度の高いワインを醸造します。
こちらも甘口白ワインを飲んだ事が無ければぜひ一度試していただきたいと思います。(ブルーチーズやケーキなどデザートと一緒に召し上がる事をおすすめします。すっきりした甘さでとても良く合います)
4.フランスの銘醸地のメーカーがチリで手掛けたワイン
アキタニア ソル・デ・ソル シャルドネ
オーパス・ワンという赤ワインをご存知でしょうか?
オーパス・ワンはフランス・ボルドーの銘醸地のメーカーがアメリカ・カリフォルニアで手掛けた赤ワインで、本家・フランスと遜色無い赤ワインを作った事で、カリフォルニア産でありながら非常に高い評価を受け、高価格で取引されています。このオーパス・ワンの成功によって、フランス各地のメーカーがカリフォルニアやチリなどで近年高品質なワインを作る流れが出来ました。このワインもそのうちの一つで、フランスの銘醸地の作り手が手掛けたチリワインです。チリで作ることにより、高品質なワインをお求めやすい価格で提供可能となりました。
こういったストーリーを楽しむのも良い選択肢です。
以上、色々と挙げてみましたがある程度お好みを聞いていただいてチョイスしていただいても良いかも知れませんね。正直上記以外にも色々な選択肢が有ります。(スッキリした辛口の白、酸味の強い白など)コスパの良いチリワインを選んで違うぶどう品種のワインを複数本購入し飲み比べるのも楽しいかも知れませんね。(私がワイン会を行う時は3,000円以内でコスパの良いワインを持ち寄り、ぶどう品種の違いを楽しんだりしています)
ご参考にしていただければ幸いです🙏
〜〜〜 私からの回答終わり 〜〜〜
まとめ
どうしても万人に向けて書いてしまうと抽象的になってしまいますが、ワインを選ぶにあたってどの様な観点で考えれば良いのか、ご参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いたきっかけですが、今回ノウハウ図書館に寄稿した記事を読んでいただいた方からワインの選び方を相談され色々と悩み考えた結果、答え(いくつかの選択肢)とその理由についてご説明申し上げた経験を元に上程させていただきました。その方からこの内容を記事にする事をおすすめいただいた事が上程するきっかけとなりました。ありがとうございました。