- 投稿日:2025/04/05
- 更新日:2025/10/09

こんにちは、名古屋市守山区で自宅整体サロンを運営する理学療法士のきむです。
こんなお悩みはありませんか?
「最近、なんか腕がしびれるような気がする」
「肩が重たい日が続いてる」
「朝起きたときに手がピリピリしている」
そんな“ちょっとした違和感”に心当たりはありませんか?
体の不調には必ずしも「大きなきっかけ」があるとは限りません。むしろ、日々の姿勢や生活習慣、目には見えないストレスが、じわじわと症状を育ててしまっていることがよくあります。
今回は、あまり知られていないけれど、実はこうした不調の原因となりうる「T4症候群」という症状についてお話します。
■ T4症候群ってなに?
T4症候群とは、胸椎の4番目(T4)あたりに問題が生じたときに起こる、一連の体の不調を指す言葉です。
具体的には…
手や腕のしびれ(左右どちらか、または両方)
肩甲骨周りの痛みや重さ
頭痛や顔のしびれ
朝方や夜に悪化しやすい
長時間の座位で悪化
姿勢を正してもなかなかよくならない
こうした症状が、特に検査をしても「異常なし」とされるケースでよく見られます。
名前にある「T4」は背中の上の方にある胸椎(背骨の一部)の番号で、この周辺の関節や筋肉の機能低下が背景にあるとされています。
■ どんな人に多いの?
T4症候群は、以下のような人に多く見られます。
長時間座って作業する人(デスクワーカー、学生)
猫背や前かがみの姿勢がクセになっている人
ストレスを感じやすく、肩や首に力が入りやすい人
運動不足が続いている人
目の疲れや睡眠不足を感じている人
特に現代のライフスタイルでは、PCやスマホの使用が多く、上半身が前に倒れた状態が続きがちです。この姿勢が、胸椎の動きを悪くし、T4付近に過度な負担をかけてしまうのです。
■ なぜ症状が“腕”や“手”に出るの?
不思議に思うかもしれません。背中の骨が原因なのに、なぜ手や腕、頭痛にまでつながるのか?
そこには“自律神経”の関与が考えられています。
胸椎4番の周辺には、交感神経の幹(いわゆる自律神経の一部)が通っており、この神経は首や腕、手、さらには顔にまでつながっています。T4周辺の筋肉や関節が硬くなることで、この神経が刺激され、手のしびれや顔の違和感、頭痛として現れるというのが一つの仮説です。
つまり、「痛みの出ている場所」が“原因の場所”ではないというわけです。
■ 病院では「異常なし」と言われたけど…
この症状のやっかいなところは、画像検査では異常が見つかりにくい点です。レントゲンやMRIでは「骨に異常なし」とされるケースが多く、結果として「原因不明」「ストレスのせい」と処理されてしまうこともしばしばです。
しかし実際には、関節や筋肉、そして神経の“動き”に問題があるケースが多く、そうした機能的なトラブルは画像には写りません。
そのため、「なんとなく調子が悪い」「検査しても異常が出ないけど不快」といった方こそ、T4症候群の可能性を考えてみる価値があります。
■ 自分でできる簡単チェック
以下の項目に当てはまる方は、T4症候群の傾向があるかもしれません。
朝起きたときに手のひらがしびれる
机に向かって1時間以上作業すると肩が重くなる
頭痛と肩こりがセットで出ることがある
姿勢を正してもスッキリしない
仰向けで寝ると背中の上が床につかない気がする
これらが複数当てはまる場合、T4周辺の関節の硬さや神経への影響が症状に関与している可能性があります。
■ 放っておかないことが大切
T4症候群は、放っておくと肩こりや頭痛、しびれの慢性化につながります。逆に言えば、早めに気づいて対処すれば、改善が期待できるものでもあります。
特別な器具や薬が必要というよりも、まずは“動きの改善”と“姿勢の見直し”が第一歩です。知らず知らずのうちに「姿勢と神経の通り道」が不調の原因になっているかもしれません。
■ 最後に
「なんか最近、変な感じがする」「病院に行くほどじゃないけど不快」
そう感じたとき、それは体が出している“サイン”かもしれません。
T4症候群は聞きなれない言葉かもしれませんが、もしかするとあなたの“モヤモヤした不調”の答えになり得る可能性もあります。
どこかスッキリしない日々が続いているなら、ぜひ一度、自分の姿勢や背中の状態に目を向けてみてください。