- 投稿日:2025/07/12
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」2019年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
出典:Wikipedia
医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。ハンスのTEDトークは延べ3500万回以上も再生されており、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。
TEDの動画:https://www.youtube.com/watch?v=Sm5xF-UYgdg
全く関係ない話だが、陶芸家が失敗作を割るのはどうしてだろう。
実は以下の5つから来ている。
❶作品の品質管理とブランド維持
❷精神的な区切りと創作への前進
❸再利用や処分のための合理的判断
❹税金対策
❺割れた面から火の通りを見るため
…となんとなくそれっぽい理由だからといって真実とは限らない。
当たっている部分もあるかもしれないが、この記事で知った気になるのはあまりにも早計である。というのが、今回のお話。
✅ 世界は思っているより良くなっている。
✅ 私たちは思い込みに支配されている。
✅ 「事実に基づく思考」で判断力は劇的に上がる。
本書は、よくありがちな「ひとりの天才による著作」ではない。 異なる才能·知識·視点を持った3人が議論と共同作業を重ねてできたものだ。 本の書き方としては風変わりで、時にいら立たしかったが、同時にとても生産的だった。 こうして生まれた世界の見せ方、とらえ方は、わたしひとりでは到底考えつかなかっただろう。
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」
なぜ「世界は悪くなっている」と感じるのか?
ネガティブ本能の罠
アメリカではどうだろう。
民主党の支持者と共和党の支持者は、互いに相手のことをバカ呼ばわりしている。 だが、「そもそも自分は世界についてどれほど知っているのか?」と胸に手を当てて考えてみれば、両者とも少しは謙虚になれるはずだ。
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」
⇒ 良くなっている事実より悪いニュースに反応してしまう。
メディアはセンセーショナルな報道を好み、私たちの「ネガティブ本能」を刺激する。
だから世界が悪化しているように錯覚する。というより耳に入りやすい。
しかし、実際の世の中は、「悪い」と「良くなっている」が混同している。
悪いニュースがあっても、悪い出来事が増えたとは限らないし、過去は美化されやすい。
数字はウソをつかない
本書では冒頭に13問の3択が用意されている。そのひとつを紹介しよう。
世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A 約2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」
⇒ 極度の貧困は20年で1/3以下に減った。
過去20年で極度の貧困率は29%から9%に。
世界全体の平均寿命も約10年延びている。
身近な話をすれば子、親、祖父母の価値観は全く違う。
30年前にスマホはなかったし、公衆電話はいっぱいあったし、もっと前には手回し式の電話や電報だってあった。電話交換手という仕事だってあった。
出典:Wikipedia
出典:からくり箱 保守記録(AI画像じゃないのよ。)
数十年でものすごい変化が起きている。
「事実」は十人十色だ。
著者らは、さまざまな国のさまざまな分野で活躍する人々に一連の質問をしてきたが、いずれも正当率は低かった。
学歴の高い人や、国際問題に興味がある人たちの場合も同様だったという。
実際に回答の傾向をみると、誤った2つの選択肢のなかでも、より極端なものが選ばれることがわかったのだ。
もう1つ問題を挙げよう。
世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A 低所得国 B 中所得国 C 高所得国
ちなみに正解はBだ。
日本内の所得で見れば千差万別だが、国家で見れば、決して低所得の国ではない。
例えば…世界の賃金上昇率 国別ランキングで日本は2023年では32位だ。
参考外部サイト:グローバルノート
私が提示した情報は本当に正しいのか?世界の国はいくつあるのか?
世界の賃金上昇率で所得の規模を把握できるのか?
全体像が見えなければ、どう捉えて良いのかさえ分からない。
自分に本当に関係があるのかも分からない。
ましてや、自分が対処できる問題なのかもわからない。
事実とは比較だけではない。
分け方でも認識を捻じ曲げてくる。
あなたの財布に入っている金額は…残念ながら事実なのだ。
事実と要因、得意不得意、人生の羅針盤から行動を起こすのだ。
分断ではなく、連続を見る力
「先進国/途上国」の分け方は時代遅れ
レベル1 1日2ドル 10億人 移動手段:徒歩 レベル2 1日4ドル 30億人 移動手段:自転車 レベル3 1日16ドル 20億人 移動手段:バイク レベル4 1日32ドル以上 10億人 移動手段:自動車
著者は世界を4つのレベルに分類し、今や91%の人が中〜高所得国(レベル2以上)に属していると説明する。
読者の大半が属しているのはおそらくレベル4で、10億人がここに分類され、私たちがイメージをしているような貧困に悩む人々はレベル1の低所得層。こちらも世界におよそ10億人いる。
また実はレベル1の国でも平均寿命は62歳で、多くの人は食べ物に困らないし、ある程度安全な水道水を飲める。
ワクチンを接種している子どもも多く、多くの女の子は小学校を卒業するという。
平均や極端な例に惑わされないために
現実を正しく見るためのポイントは3つある。
(1)「平均の比較」
平均は情報を素早く伝えられるが、中央値は分からない。
(2)「極端な数字の比較」
最も裕福な10%の人たちが、国全体の所得の41%を懐に入れている。といったような情報は全体の分布をみていない場合がある。
(3)「上からの景色」
レベル4の生活を送っている人には、レベル3、2、1はみな同じくらい貧しいように見えてしまう。
つまり、学長の1万円は1万円である。
あなたの1万円も1万円である。
ただし、アメリカや他国から見た時、日によって変わるのだ。
⇒ 分断本能を抑えるために思い込みを意識せよ。
平均や極端な比較は分断を誇張する。
実際には多くの人が中間層に存在しているのだ。
「思い込み」という本能に気づく
私たちは物語を求めすぎている
「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている」
「金持ちはよりいっそう金持ちになり、貧乏人はよりいっそう貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ」
「何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
⇒ 単純でドラマチックな世界像は危険。
「対立」や「破滅」などの物語に引き込まれがちだが、それは現実を見誤る原因となる。
『相場が過去最高の水準にあるときに、過去に一度も実現していない都合の良い理屈に飛びつこうとするのは危険である。だが、人はこうした過ちを犯してきたのであり、それはまた繰り返されるのだ。』
投資家:ハワード・マークス
ノストラダムスの大予言はもしかしたら本当に来るかもしれない。
世界が一瞬で崩壊することもゼロではない。
・・・が、あなたが心身をすり減らしてまでも対処する問題なのだろうか?
遠い祖先の時代から長年にわたってサバイバルするために必要だった本能が私たちをゆがめているのだ。
なんというか、精神衛生上良くない。
ファクトフルネスの習慣を身につけよう
すなわち、「悪い」と「良くなっている」は両立する。
⇒ 世界を正しく見ると、判断力が上がる。
本書は10の本能を指摘し、それぞれに対する具体的な対策を提案している。
意識的に訓練すれば誰でも使いこなせると語っている。
分断本能 「世界は分断されている」という思い込み ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」
⇒ 数字を見るだけでは原因はわからない。
個々の数字ではなく、全体の相互関係から個々の数字を見なければならない。
体温計の目盛りが37度以上を示しているとき、水を張った浴槽に病人を押し込めば、目盛りは下がるだろう。しかし、病気は治らない。
悪いニュースのほうが広まりやすく、人々のネガティブ本能に訴えかけて利益を得ようとする。
中立性を保ってドラマチックでない世界の姿を伝えるのは難しい。
副業や本業として発信することは個人で簡単にできるようになった。
「なにひとつ・・・世界は良くなっていない」と考えてしまうと、次第に「何をやっても無駄だ」と考えるようになる。
そして世界を良くする施策に対しても否定的になる。
場合によっては過激派になり、まったく生産的でない極端な手段を支持する人も出てくる。
ネガティブ本能がもたらす悪影響のうち、最悪なのは希望を失うことなのだ。
「過ちて改めざる。これを過ちという」
まとめ
✅ 世界は思っているより良くなっている。
✅ 私たちは思い込みに支配されている。
✅ 「事実に基づく思考」で判断力は劇的に上がる。
知識に賞味期限がないと思えば、安心できる。一度学んだことはいつまでも使えるし、学び直す必要もないと考えれば、気が休まる。
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」
⇒ 「思い込みから解放されれば、世界の見え方は一変する」
「考えるな、感じろ」は武道や芸術の範囲に留めよう。
そうでなければ、インデックス投資もできない。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆