- 投稿日:2024/11/20
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はエリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』2019年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:エリック·シュミット出典:Wikipedia
2001年から11年までグーグル会長兼CEO。15年までグーグル経営執行役会長。18年までグーグルの持株会社アルファベット経営執行役会長。その後、グーグルとアルファベットのテクニカルアドパイザーを務める。
共著者:ジョナサン·ローゼンバーグ出典
https://toprunner-marketing.co.jp/speaker/detail/jonathan-rosenberg/
元Googleの製品担当上級副社長。アルファベットのマネジメントチームのアドバイザー、アラン·イーグルはグーグルでエグゼクティブ·コミュニケーションの責任者等を歴任。
補足
この本の主役
ビル・キャンベル出典
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1604/19/news062.html
シリコンバレーで「ザ・コーチ」として知られ、あらゆる成功者に慕われた伝説のリーダー。
ジョブズと共にアップル帝国を築き、グーグルを巨大企業に導き、アマゾンの苦境を救ったビルだが、2016年に逝去。
本書はビルに師事した著者がその教えをまとめた貴重な書。
前提
日本でもコーチングの考え方が広まってきたが、現実には勘違いされていると語られる。
「○○○で困っています」「それなら、□□□するといいよ」
これはティーチング。
「その人が知らないことを教える」という考え方である。
コーチングの考え方は「その人が必要な答えは、その人の中にある」
相手に問いかけて、相手の中にある答えを引き出すのがコーチングである。
コーチが対象者との対話を通じて、目標達成やパフォーマンスの向上を支援する人材育成の手法。
コーチングは経営幹部や従業員の力を育み、組織力を上げる上で、実に役に立つ手法として紹介される。
良い質問というのも「コーチング」に近い。
参考になる本:「良い質問」をする技術
①「質問の差」が「人生の差」になる
②質問は4つに分けられる。
③良い質問をするコツ
④良い質問の作り方
粟津恭一郎著 2016年発行
別のコーチング
・「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」
マーシャル・ゴールドスミス著 2024年発行
シリコンバレーで「最高のコーチ」と称されたのが、本書の主人公ビル・キャンベルである。残念ながら2016年に他界。
追悼式には彼を無二の親友と慕う1000人以上の人たちが集まった。
ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン、マーク・ザッカーバーグ、シェリル・サンドバーグ、ティム・クック、マーク・アンドリーセン、ジョン・ドーアなど
本書はビルのコーチを受けたグーグルの経営幹部3人が、ビルの知恵を世界の人たちと共有するため、ビルに影響を受けた数十名にインタビューして生まれた一冊となっている。
すぐれたマネジャーでいるためには、すぐれたコーチでいる必要があることを、本書「1兆ドルコーチ」は明らかにしている。
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
実に、つまみ食いしやすい書籍である。
コーチングのバイブル
信頼とは、「誠意」だ。お互いに対し、またお互いの家族や友人、チームや会社に対し、誠意を尽くすことをいう。
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
信頼がすべての基盤
ビルにとって誠実に話し合える信頼関係は常に最優先。
チームの信頼を築くためにビルが日ごろ心がけていた3つの指針がある。
❶相手の資質を見極める
コーチングを受け入れられる資質をもつ人だけにコーチする。
①正直さ
②誠実さ
③あきらめずに努力をいとわない姿勢
④常に学ぼうとする意欲
⑤思慮深さ
コーチングを受け入れるには、自分に残酷なまでに正直でなければいけない。
例
本書の著者の一人ジョナサン・ローゼンバーグは、グーグルのプロダクト部門の責任者として採用される際に、最終面接でビルの面接を受けた。
ビルはこう言った。
「キミはコーチングを受け入れられるか?」「コーチによりますね」と答えると、ビルは「利口ぶるやつはコーチできない」と言って部屋を出て行こうとした。
ヤバいと思ったジョナサンは答えを撤回し、面接を続けてくださいと懇願した。
ビルは腰を下ろして、こう言った。
「自分は一緒に働く人を謙虚さで選んでいる」。
❷相手に集中。
コーチングは、その人の中にある答えを引き出す作業。
じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを先回りして考えず、質問を通して問題の核心に迫るよう相手に考えさせる。
敬意のこもった問いかけは、相手が「自分には力がある」と感じる有能感、「自分は状況をコントロールしている」という自律性、そして「他者とつながっている」という関係性を高める効果がある。
❸率直にコミュニケーションする
信頼関係があれば、厳しいことも面と向かって言える。
ビルは100%正直にありのままを話し、厳しいことも臆せず伝えた。
同時に、コーチングを受ける相手にも率直さを求めている。
そのために相手の資質を見極めることを前提にしている。
「率直なフィードバック」はNetflix(ネットフリックス)でも重視されている。
参考になる本
・「NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX」
リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー共著 2020年発行
コーチャブルな資質とは、正直さと謙虚さ、あきらめず努力を厭わない姿勢、つねに学ぼうとする意欲である。
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
コーチャブルとは、「コーチングを受けやすい人」や「成長意欲の高い人」という意味。
⇒ 信頼がなければチームは成り立たない。
信頼を重視したビルのコーチングは、意見の相違を恐れず、真の信頼関係を築くことで、健全な議論と成長を促した。
チーム・ファースト
「共通の目的のもとで力を合わせてこそ、本当に成功し、ものごとを成し遂げることができる」
(中略)
「多くの人は、いろんな意味でこのことをわかっていないし、わかっていてもやり方をわかっていない。ビルのすごさはここにあった。」
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
チームを最適化すれば大半の問題は解決するとビルは語る。
ビルは常にチーム最優先。徹底してチーム・ファーストの姿勢を人々に促している。
❶問題解決より、まず「チーム」
ビルはいきなり問題を解決しようとせず、まずチームづくりに取り組んだ。
チームに誰がいて、彼らが問題を解決できるかを見極め、適切なチームが問題解決できるように心を砕く。
専門家を見つけてチームをつくり、任せるべきとしている。
専門外のことを問題分析しても見当外れも多いことをビルは知っている。
参考:強みを活かし、弱みは補え
・「経営者の条件」
P·F·ドラッカー著 1966年発行
❷経験よりも「スキルとマインドセット」
メンバーの経験を重視しがちだが、ビルは過度に経験を重視しない。
未来を築くには潜在能力も重要と考えている。
そこで、ビルは4つの資質を求めた。
1.さまざまな分野の話をつなげられる知性
2.勤勉
3.誠実
4.そしてGRIT(グリット)
参考:GRIT(グリット)とは?
・「やり抜く力 GRIT」
アンジェラ・ダックワース著 2016年発行
❸小さな声がけの効果
ビルは社内会議にもマメに顔を出す。
例
ある幹部が、会議で自分が望む決定が下されなかったときのこと。
会議が終わると、ビルがその幹部のそばに来て、こう言った。
「いいか。今回は変更しないと決めたんだ。残念だし、キミが大変なのもわかるが、我慢してなんとかやってくれ。わかったな?」
彼は人々の間にある「小さな隙間」を埋めることに苦心した。
小さな心のささくれ立ちがチームワークを破綻させることを彼は良く知っていた。
⇒ 善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。
補足:「孫子」の文言
訳:戦いの上手な者は人心を一つにまとめて規律ある軍隊を作り上げる。
問いかけで答えを引き出す
有能なマネジャーやリーダーになるためには、有能なコーチにならなければならない。コーチングはもはや特殊技能ではない。
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
ビルは常に相手のことを真剣に考え、愛情を注ぎ、多くの人に愛された。
人を大切にするには、人に関心をもたなければならないという当たり前のことを、本書は教えてくれる。
まさに、「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」
コーチングは相手に信頼されてはじめて成立する。
⇒ コーチは教えるのではなく、問いかける。
まとめ
⇒ 「信頼を築き、問いかけで力を引き出す」
企業が成功するためには、コミュニティとして機能するチームが欠かせない。
個人的な利益よりもチームの利益を優先させ、会社にとってよいことや正しいことを徹底的に追及するチームだ。
こうしたコミュニティはとくに有能で野心家の人たちのあいだには自然に生まれないため、コーチ、それもチームコーチの役割を担う人の介在が欠かせない。
エリック・シュミットほか著『1兆ドルコーチ』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆