- 投稿日:2025/09/18
- 更新日:2025/10/02

新卒から2年6ヶ月ほど植木屋で働いていました。2年間を通して庭園を管理していました。草取り、刈り込み、芝生の作業をしていました。
常識的な事から、経験からおすすめしたいこと、等をまとめました。
0.物件を買った時に、外構の手入れを勧められた時
木を植えるという提案は断ってしまって大丈夫です。
とても魅力的に見える提案をされると思います。
きれいな完成図面。住宅の前には綺麗な緑で、大きいシンボルツリーに、下には花が咲いて、緑に溢れている。
しかし、その樹木は本当に必要ですか?
一番避けたいのは、
きれいな庭の予想図を見せられて、勧められた木を入れてしまうこと。
家計管理と同じで、樹木を植えている、というだけでお金と時間がかかります。
自分はタダではありません
庭に大切な時間をかけすぎない為にも、勧められて良さそうだからという理由だけで植物を増やすのはやめておきましょう。
次の項目で、なぜ厳選が必要なのか、説明していきます。
【樹木を植える前に調べるポイント】
1.植えられる広さがあるのか
1−1本当に地面が足りているか
1−2隣地にはみ出さない場所か
1−3実際に植える場所を考えてみよう
2.かかる費用を考えよう
2−1管理に何時間かかるのか
2−2管理にいくらかかるのか
3.樹木のことをしっかり調べよう
3−1どんな手入れが必要なのか
3−2何メートルまで伸びるのか
4.1〜3を踏まえたうえで、自分が「本当に欲しい」のか考える
4−1樹木は癒やしであり、季節であり、思い出
1.植えられる広さがあるのか
1−1本当に地面が足りているか
1−2隣地にはみ出さない場所か
1−3実際に植える場所を考えてみよう
1-1本当に地面が足りているのか
樹木を育てるのには、予想以上の広さが必要です。健康な樹木なら枝が伸びる距離まで、根っこが来るといいます。
詰めて植えても育つ事はありますが、根っこは栄養の取り合いになります。
中木でも大体、4mの円ぐらいは離したほうが良いです。できれば植える樹木の枝がどれぐらい伸びるのか調べてから植えるのがおすすめです。
1−2隣地にはみ出さない場所か
10m以下の樹木でも、大きくなった時の枝先から1mは離した方がいいです。道路や隣地に枝が出れば、毎年切らなければならなくなります。
自分で毎年切るから大丈夫と思うかもしれません。ですが、いつまでも自分で手入れできるわけではありません。その時に手間をかけるのは親族になります。
また、隣地に引っかかると、枝下に隣人が車を置いていたら切るのが倍面倒になります。近所付き合いがなければ車をどかしてもらうことが厳しいですし、もしも枝や虫が落ちたらトラブルになることもあります。
1−3実際に植える場所を考えてみよう
植える場所を考える時に気をつけるのは、
1.木が育った後でも、枝が重ならない位置に植える
2.隣地、道路に育った後でもかからない位置にする
3.木が育った後でも、家に枝が届かなぐらい離す
3.10年後、20年後に使わない位置に植える
以上を踏まえば、大きくは失敗しないと思います。
自分の家、買おうと思っている家の庭を想像してみてください。
1〜3の事を考えると、自然と植えられない場所が出てくると思います。
そのうえで、4の10年後、20年後を想像します。子供がいる家庭なら、車は2台になっているかもしれませんし、介護用の車を入れられるようにしたいと考える人もいると思います。また、10年後には大型バイクに乗りたいとか思っているなら、屋根付きの車庫が必要だと思うかもしれません。
その位置に木を植えてしまうと、伐採、抜根までしてせっかく育てた木を切らないといけなくなります。
抜根は根を掘る為、かなり大変です。
2.かかる費用を考えよう
2−1管理に何時間かかるのか
2−2管理にいくらかかるのか
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2−1管理に何時間かかるのか
樹木は植えて終わりではありません。必ず管理時間がかかります。
常識的なことですが、一応書き出します。
・掃除
・草取り
・剪定
・水やり
・(薬剤散布)
この中でも特に草取りは思っている以上に時間がかかります。自分でこれぐらいかかるかな、と思った3倍ぐらいの時間がかかると思ってください。
また、季節によって、辛さが違います。春や秋のちょうどいい気温で作業できるのは、全体の4分の1です。大体、暑い日か寒い日です。夏に汗を流しながら水やりや草取り、冬の寒い日に剪定をしている自分の姿を想像してください。
樹木が多くなるほど、落ち葉は増えますし、作業する事が多くなります。
もし、自分で買ってきた木を管理しないとなると、
・家の誰かがやってくれている
・放置して伸びるに任せている
のどちらかになります。
放置すれば当然見目は悪くなりますし、大きくなりすぎれば管理できなくなり人に頼む事になります。
また、家族の誰かが買ってきた木を、本人が世話をしないせいで自分が時間をかけて手入れをやらされるところを想像してみてください。わたしなら嫌だと思います。
自分も家族もタダではありません。
2−2管理にいくらかかるのか
管理にいくらかかるのか。年を取った時にどうしても人に頼むようになっていきます。
まず身内に頼む、それができないなら業者に頼む事になります。
業者を探すときは、
・金額
・評判
をしっかり見て相見積もりをとって探してほしいです。
樹木の剪定は技術職です。
業者によっては樹形を気にせずにぶつ切りにする腕の悪い職人もいます。ぶつ切りにすると、次の年に切ったところから細い枝が大量に出て、それも手入れしないとむしろ見た目が悪くなってしまいます。次の年にちゃんとした職人が切った場合、多少マシにはなりますが切った枝が戻ることはないです。慎重に選んでください。
金額を考えるときは、この作業にどれぐらいの人が必要か、というのを考えてもらえるとわかりやすいかと思います。
例えば、木のサイズや枝の多さ、太さにもよりますが7mぐらいの木で職人1人、掃除する人1人で1日2本剪定できた場合、職人さんが1人日給2〜3万以上、その他諸費用がかかると考えると、最低金額が出ると思います。
(職人さんの日給✕2人+枝の処理費用(産業廃棄物扱い)+(車代+ガソリン、道具等の維持費+営業費・事務費)/30日)✕かかる日数+会社の利益となってきます。
植木職人は技術職です。素人が切れないレベルのものを切るので、日給は高くなります。
この他にも、物によってはクレーンを使わなければできない場合や、枝のゴミ出しに長距離歩いていかないとできない、近隣の家が近すぎて枝を早く落とせないなど、金額が上がる理由が出るので、見積りが必要になります。
親戚の庭を植木屋に頼んだときの話ですが、庭にある4〜10mほどの木を数本剪定、庭全体のざっとした手入れで30万ほどかかったそうです。
親戚も金額が高いと思い、他に頼んでみようとシルバー人材に頼んでみたこともあるそうですが、人数が多く来て作業も遅く、結局同じ金額がかかったそうです。
管理コストを考え、樹木の本数を増やすのには慎重になりましょう。
3.樹木のことをしっかり調べよう
3−1どんな手入れが必要なのか
3−2何メートルまで伸びるのか
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3−1どんな手入れが必要なのか
・どんな害虫がつくのか
有名なものだと、桜はモンクロ、椿はチャドクガ、という代表的な毛虫がつきます。特にチャドクガは毛虫がいなくなった後も、落ちた毛虫の毛が原因で、木の下を掃除しただけでかゆみに襲われます。毎年の消毒(殺虫剤)が必須になります。
農薬を使いたくないと思う方も多いと思いますが、虫の勢いはすごいです。
事前にどのような虫がつきやすいか調べることで、予防ができ、結果的に樹木を枯らさない事に繋がります。
・果樹を作るならどのような手入れが必要なのか
果樹によっては、剪定する時期を間違えると、実がつく枝を切ってしまうことがあります。また、甘い果実は虫も大好きです。病気などなく長く実をつけてもらうためにも、基本的な情報収集をすることをおすすめします。
3−2何メートルまで伸びるのか
思っているよりも大きく育つ木は多いです。
事前に何メートル伸びるのか、枝のつき方はどうなのか。縦に伸びるようなら何メートルで上を止めるのか。ある程度調べて決めることで、管理がグッと楽になります。
有名なもので、『シマトネリコ』という樹木があります。
2m時点では、葉もそれほどもっさりせず、涼し気な見た目で、葉は小さく可愛らしい感じがします。育成も早く、新築物件の庭によく植えられているのを見ます。
しかし、とても増えやすく、季節になると庭のあちこちに雑草かと疑うほど、小さな木がたくさん生えてきます。樹木の小さい苗は、草よりも固く抜きづらく、見落として数年放置すればシャベルをつかって掘り起こさなければならないほど根を張ります。
また、育成が早いので地植えだと1mぐらいの苗が数年で3m超えてきます。最終的には10mぐらいまで育ちます。そうなると途中で切る必要が出ますし、枝も大きくなるにつれてもっさりしてくるので、剪定も必要になっていきます。
もし植えたいようでしたら、鉢植えがおすすめです。
4.1〜3を踏まえたうえで、自分が「本当に欲しい」のか考える
4−1樹木は癒やしであり、季節であり、思い出
個人的には、樹木はとても好きです。
見ていると癒やされますし、夏は木陰を作り、広葉樹なら秋には紅葉が見られ、果樹ならおいしい新鮮なフルーツが食べられます。
マイホームがあれば、シンボルツリーが欲しくなる事もあります。
樹木を家族と手入れすること自体が思い出になることもあります。
ツリーハウスを作りたいから、大きくなる木を植えたいという方もいると思います。
大事なのは、すべて諦めることではなく、厳選して、庭の手入れが人生の負担にならない程度に抑えることが大事です。
自分が管理できる程度で、少しづつ増やして、変えていく事をおすすめします。
特に木は大きくなるほど管理が大変になります。植えて3年目の2,3mぐらいの木に必要な手入れと、30年の巨木に必要な手入れは違います。
最大限大きくなったとき、その時の自分の年齢、人に頼むための費用、しっかりと考えた上で増やしていくのがおすすめです。
最後に
長くなりましたが、以上になります。
4000字超えていて自分でもびっくりです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
家を買うと、どうしても庭に凝りたくなる人が多いです。
家計管理のように、キュッと締めながらも、満足度の高い庭にできる手伝いになったらなと思います。
参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。