- 投稿日:2025/08/09
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は伊藤雅俊 著『商いの道』2005年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:伊藤雅俊
1924年、東京生まれ。1944年、横浜市立商業専門学校(現在の横浜市立大学)卒業。1956年に羊華堂の社長となり、本格的なチェーンストアを志し、1958年、株式会社ヨーカ堂を設立する。イトーヨーカドー、セブン‐イレブン、デニーズなど六十数社のイトーヨーカドー・グループの創業者として活躍。セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。2023年3月10日に逝去。
「ビジネスで成功するために、何を守ればいいのか?」
「変化の激しい時代に、どこに軸を置けばいいのか?」
現代の起業家やフリーランスにも響く、答えがある。
それが、イトーヨーカドー創業者・伊藤雅俊氏の残した、商売人の原則かもしれない。
「商人が漢字や難しい言葉でものを考えるようになると現場から遠くなっている」というのが私の持論です。
伊藤雅俊 著『商いの道』
手に取りやすい文庫本なので、図書館でも簡単に閲覧できる。
是非、手に取ってもらいたい。
短くも納得できる言葉がちりばめられている。
「人間は好みに滅びる」
「森が山火事で焼けると新しいものが生えてくる」
「良い商品を安く」
「ジュースの原液は、いつも濃くしておかなければならない」
ちなみに伊藤雅俊氏の言葉というよりは兄や母から受け継いだ言葉を伝えている。
正しく、受け継ぎ、行使するのも、成功者の秘訣である。
✅ 商売の基本は「信用と誠実さ」にある。
✅ 成長よりも生存を重視すべし。
✅ 顧客の見えない声を拾い、仕入れで勝負せよ。
商いの道
道を歩いていて迷った時、皆さんはどうされますか。「一度、わかるところまで戻る」とお答えになる方が多いのではないでしょうか。人生にも、そして「商いの道」にも同じことが言えると思います。
伊藤雅俊 著『商いの道』
商売は「ないない尽くし」から始まる
「商人は孤独を生甲斐にしなければならぬ」
伊藤雅俊 著『商いの道』
⇒ 謙虚さと苦労の覚悟が、商いの出発点。
「お客さんは来ないもの」
「取引したくてもお取引先は簡単に応じてくれないもの」
「銀行はかしていただけないもの」
この“ないない尽くし”の考えが、経営者の覚悟を決めてくれる出発点となる。
「商売とは、お客様を大事にすること、そして信用を大事にすること、それに尽きる」
人間としての基本を毎日毎日飽きずに繰り返してきただけと申し上げる以外にないのです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
長倉顕太著『誰にも何にも期待しない』
「最善の選択ではなく、選択を最善にする」
長倉顕太著『誰にも何にも期待しない』
信用は、最大の資本である
ここでいう信用とは、誠実を貫くことである。
誠実とは、「嘘のない行為であり、責任を持った行為」でもある。
「商いは信用第一」と言います。
この言葉は、多くの商家の家訓にも入っている当たり前のことです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
何度も何度も何度も使い古された言葉に聞こえるかもしれないが、唯一の手段。
⇒ 小さな誠実が、最強の信用を生む。
定めた以上は、どんな状況でも「まあ、そう固いこと言わずに少しぐらいいいじゃないか」と妥協せずに筋を通すことが大切だと思うのです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
「少しくらい」「今回だけ」という気の緩みが、積み重なっていずれ信用を失う。
メルカリで100以上の取引を重ねても、ビンテージのズボンではなく、グミを送ってしまえば、信用を失うのはあっという間である。
現代の人々は個人の直感、評価、批評を頼りに生きている。
利益より信用を重んじる姿勢が、真に強い商人をつくる。
3つのことを肝に銘じていたという。
❶自分たちは身を質素にして尽くす
❷笑顔で応対する
❸利幅を抑える(二枚もうけで行く)
※二枚もうけ:服といった商品を1ダース(12個)単位で仕入れたうちの2個分を粗利益とし、この範囲内で人件費や賃料など販売管理費を捻出すること
また、取引先の支払いや銀行の返済期日を守ることも同様である。
つまり、「不機嫌」で信用は生まれない。
現金は血液、なくなれば死ぬ
時代の波に一喜一憂し、ある時はものすごく悲観し、ある時はすぐ慢心してしまうのは私たちの日常です。しかし、時代は常に移ろうものだという怖れを持ち続けることが大切なのではないでしょうか。
伊藤雅俊 著『商いの道』
⇒ 現金主義こそ、企業を守る。
老銀行家の「現金ほど大切なものはない」という教えの通り、現金の確保は生命線である。
コロナ渦を含めた天下の大変動を経験している企業ほど、「現金の重要性」を考えている。
資金繰りが滞れば、優れたビジネスも崩壊する。
「誰もそんなことを考えていないときの怖さ」が恐ろしいのだ。
最近になって、社員や株主への還元を進める傾向になってきた。
誰でも、「先出し」の「損」に舵を取るのは難しいものである。
しかし、富をため込むだけでは意味がないのも事実。
重要なのは、自分の器にあった範囲から「先出しの損」を進めていきたい。
「商人は冒険を望まねばならぬ絶えず危険な世界を求めそこに飛び込まぬ商人は利子生活者であり、隠居であるにすぎぬ」
伊藤雅俊 著『商いの道』
冒険をしなければ、成功のチャンスを手に入れることはできないと、背中から言われているようだ。
仕入れが9割、見えない顧客も見よ
お客様が買いたい値段で提供することが商いの基本
伊藤雅俊 著『商いの道』
安く買って、高く売る。
これが商売の基本であるのは間違いない。
せどりも仕入れ元でほぼ純利益が決まるといっても過言ではない。
⇒ 潜在ニーズに応える仕入れが差をつける。
⇒ 一人一品を丁寧に見て、売上は伸びる。
一店一店、一人一人、一品一品に目を配る。
その先にあるのが「単品管理」であり、商品と顧客の接点を最大化する手法である。
単品とは、素材、デザイン、色、柄、サイズ、容量までを区別したもの。
単品管理は毎日棚卸し、不足があるとその日のうちに問屋に配達してもらう。
よい商品を見極めて仕入れたつもりでも、売れないことは多い。
見えない顧客のニーズを想定し、仕入れに創意工夫を凝らすべきだ。
そのために、徹底した現場管理を信条としていた。
「現場を担当していただいてるパートタイマーの方たちとは、正社員とのコミュニケーションの倍はしなくてはダメです」と言うのです。
単品管理で大事な三点は、発注、品揃え、見切りです。
これらの仕事をパートさんに教えるには、正社員の倍位の時間がかかります。
しかし、そこを丁寧にしないと、あとで混乱をきたします。
伊藤雅俊 著『商いの道』
この部分が「短くも納得できる言葉」でなければならないと私は感じる。
面白いのが、現場の声は絶対に正しいわけでもないと語っている。
見えていないお客様の声を聞く創意と工夫も、現場責任者は戒めようとも言っている。
言葉を変えるなら、それがマーケティングとなる。
肝心なのは、リサーチが外れて、思わしくない結果が出た時にどうするかということなのです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
よく調べるという行為が、いつか有効な対策につながる。
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
価格は利益を生み出す最も効果的なものだ。
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
成長よりも、生存を考えよ
無理をせず、周囲の状況を見極めながら、一歩ずつ歩んでいく生き残り商法が安全なのです。これが私が思う、アクセルとブレーキのやり方なのです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
⇒ 変化に耐える仕組みこそ永続の鍵。
⇒ 感謝と人間性が、最強の武器。
起業である以上、アクセルは必要である。
「成長を考えるな、生存を考えよ」という伊藤氏の教えは、急拡大で崩壊する現代企業にこそ響く。
堅実に、長く生きる企業こそが勝つ。
そのためには、人こそ商売の命。
取引先、顧客、従業員すべてに感謝と誠意を持つ姿勢が、企業文化と業績を支えていく。
AIが金融商品を選ぶ資産運用をできる時代だ。
いづれ、AIが商品を買う時代もやってくるだろうが、まだ根底には人間の「動機」が潜んでいる。
他者の「動機」は制御できるものではない。
成長だけを考えては、貪欲になる。
自身の「動機」に適度なブレーキをかけるための教えである。
まとめ
✅ 商売の基本は「信用と誠実さ」にある。
✅ 成長よりも生存を重視すべし。
✅ 顧客の見えない声を拾い、仕入れで勝負せよ。
商いの基本は身体と心の全体でつかむものだと思うからです。
それでも敢えてこのことに触れたのは、結局、人間は弱いものですから、常にこうありたい、こうあらねばならないという理想や理念を持ち、それを意識して日々の実践を行わなければ流されてしまうからです。
伊藤雅俊 著『商いの道』
⇒ 信用は一朝一夕で築けず、日々の誠実さが礎となる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆