- 投稿日:2025/01/18
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』2016年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ハーマン·サイモン出典:Wikipedia
戦略・マーケティング·コンサルティング会社、サイモン・クチャー&パートナーズの会長。ドイツのマインツ大学とビーレフェルト大学で経営管理とマーケティングの数授を務め、ハーバード大学、スタンフォード大学、ロンドン大学、INSEAD、慶應義塾大学、マサチューセッツエ科大学の客員教授を務めた。ボン大学とケルン大学で経済学と経営学を学び、ボン大学で博士号を取得。
価格は利益を生み出す最も効果的なものだ。
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
✅ 価格戦略の重要性を理解し、実践しよう。
✅ 高価格戦略や低価格戦略を上手に選択し、利益を最大化せよ。
✅ 利益=販売量×価格-コスト
どれだけ儲かるかは価格次第である。というシンプルな真理を教えてくれる。
理論書のように見えて、具体例がある良書。
価格戦略を考えたいビジネスパーソンには一度熟読してほしい。
価格戦略の基礎
価格の決定要因とその影響
サイモンは税金アドバイザーに相談した体験を紹介している。
30分のアドバイスに1500ドル(約15万円)の請求が来たことに驚いた。😱
サイモンが高額だと感じたが…。
アドバイザーは「他の人なら解決に3日かかってもおかしくない😉」と説明し、迅速に解決策を提示したことに納得した。🤔
価格とは価値である。
顧客が「その価値なら支払う」という価格が正しい価格。
相手が「この価格で」と言うようでは…ダメ。
自分で価格を決められることが大切なのだ。
価格は販売量とコストによって決まると考えてしまうが…。
最も重要なのは「顧客が支払う価値」と「市場の反応」である。
⇒ 価格が利益に与える大きな影響を理解しよう。
行動経済学を活用した価格設定
プロスペクト理論:損する痛みは、得する喜びよりも大きい。
返金保証、ポイント付与、抽選キャンペーンなども該当する。
ちなみに、平成26年4月1日以降、「消費税還元セール」は法律で禁止されている。
還元セールで増税の損失感が消えて、あまりにも効果が高かったからともいえる。
参考PDF:農林水産省 禁止される表示の具体例
「ビジネスは心理学で考えなければならない」がセブンアンドアイ元会長・鈴木敏文の口癖だったとか…。
人は価格が適切かを判断できない場合、価格と品質を結びつけて考えるのも行動経済学に基づく理論から来ている。
⇒ 顧客心理を理解して、価格を最適化しよう。
プロスペクト理論やアンカー効果を活用すれば、心理的価格設定が可能となり、競争優位性を持てる。
ダン・アリエリー著『予想どおりに不合理』
「行動経済学」は不合理な人間の行動を解き明かすもの。
プラシーボ効果、アンカー(アンカリング)はこちらの記事で紹介している。
ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器[第三版]』
「相手にイエスと言わせる」社会心理学の名著。
現実は複数の要素であなたの財布を狙っている。
クリス・アンダーソン著『フリー 無料からお金を生みだす新戦略』
価格設定において無料ビジネスは非常に強力である。
「低価格戦略」と「高価格戦略」のいずれを選ぶかは、重要な判断を必要とする。
成功事例と戦略の選択
低価格戦略で成功した企業
ニトリは創業以来、「家具を安くし日本を豊かにしよう」と考え、低価格路線を追求し続けている。
低コストのために生産から販売まで自社で行い、ムダを徹底的に省いている。
店舗数を増やし、販売量拡大により仕入れ業者との価格交渉力も高め、より安く調達している。
さらに値引きは滅多に行わない。
常に最低価格を保証しているという。
参考PDF:公式 「お、ねだん以上。」の価値を提供する ニトリグループ独自のビジネスモデル
⇒ 効率を追求し、圧倒的に安い価格で市場を支配。
ニトリなどは、価格を徹底的に抑えることでコスト競争に勝利し、顧客の信頼を得た。リュディガー・ユングブルート著「IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣」
こちらも家具やインテリアを提供。
顧客への価値提供が成功の秘訣と語る。
堀埜一成 著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」
低価格戦略と言えばサイゼリヤ。
「当たり前品質」を徹底的に守る経営方針が特徴。
高価格戦略の効果と事例
高価格でも圧倒的なサービスを提供し、成功を収める場合
本書では永久保証をしている米国の害虫駆除会社の例を紹介している。
害虫が出たらお金は払い戻し。再駆除費用や損失も負担する。
その代わりに料金は他社の10倍。
一軒家に住む人にとって、シロアリは大敵。
いつの間にか大事な家が食われて資産価値も下がってしまう。
害虫駆除だけでなく、永久に害虫を寄せ付けなければベストであると判断しやすい。
もしかして、アサンテ(6073)もそんな感じなのかな🤔と考えてしまう。
⇒ 高品質な商品はブランド力を強化していく。
私たちも、買い物をする際は年数と費用、補償内容を加味して考えるべきだろう。
では、低価格戦略と高価格戦略のどちらを選ぶべきか?
価格設定の落とし穴と注意点
サイモンは1966〜2010年の米国企業2万5000社を分析した研究者の結果を引用し、こう述べている。
高価格戦略で成功している企業のほうが、低価格で成功している企業よりも多い。
ほとんどの市場で、低価格戦略で成功できるのは1社か2社しかない
ハーマン・サイモン著『価格の掟―ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白』
サイモンは値引きについて、自身の経験を紹介している。
庭を手入れした庭師に「3%値引きすれば全額ここで払う」と言うと、こう返された。
「私の利益率は6%です。支払っていただくと手持ちの金は増えますが、3%値引くともう一件の仕事をしなければいけません。ご提案は承りかねます。」
サイモンは納得して庭師の提案を受け入れた。
大幅値引きは、未来の顧客から売上を立てているに過ぎない。
当たり前だが、低価格だと数をこなさなければならない。
数が必要となると、時間も質も取られる要素が増える。
これが、「利益=販売量×価格-コスト」の考え方である。
逆にわずかな値上げで、儲けは格段に増える。
価格戦略についてしっかりした考えを持つ日本企業は少ないのが現実である。
まとめ
✅ 高価格戦略や低価格戦略を上手に選択し、利益を最大化せよ。
✅ 利益=販売量×価格-コスト
⇒ 価格戦略はビジネスの要。
⇒ 適切な価格設定が、あなたのビジネスを成功へと導く。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆