- 投稿日:2025/06/07
- 更新日:2025/10/07

なんだか怖いタイトルですねー(笑)
今回のこの記事は
人は食べたもので性格も変わるかもよーっていう話です。
例えばこんな話を聞いたことがあります。
結婚を控えていたある女性が婦人科の治療によるホルモン剤で、急に婚約者を受け付けなくなり、結婚が破談になった例があるとか。
「人の思考や感情は、体に取り込まれた物質で変わる」というのは、決して他人事じゃないんです。
昔からよく言われる言葉に、”You are what you eat.”(あなたは、あなたが食べたものでできている)というフレーズがあります
実はこれは、「身体」だけじゃなく「脳」にも言えることなんです!
あなたの思考、感情、やる気、集中力、すべては“脳の材料”によって決まるとしたら?
「脳」はいったい何でできているか、考えたことはありますか?
脳の60%は脂でできている
私たちの脳の重さは、成人でおよそ1.3kg〜1.4kg。
その乾燥重量のうち、なんと約60%が脂質で構成されていると言われています。
つまり、少し大袈裟かもしれませんが、脳は“脂でできている”臓器ともいえます。
脳の細胞膜を作るのも脂。
神経同士のスムーズな伝達を助けるのも脂。
つまり「記憶する」「考える」「感情を調整する」といった、私たちの“人間らしさ”を支えるすべてに、脂が関係しているのです。
でも、「脂」と一口に言ってもその種類はさまざま。
どんな脂を食べているかで、脳の働きも変わってくるというのが、近年の研究でも分かってきました。
毎日の食事に含まれる脂が、あなたの思考や感情の“質”を左右しているとしたら・・・
これって、ちょっと怖くないですか???
現代人の食卓とトランス脂肪酸
油は摂取する「量」に注目が行きがちですが、私は「どんな油を取らないか」に重点を置いています。
以前の記事で人工甘味料を極力摂らないようにしていると書きましたが、あと他にトランス脂肪酸も摂らないようにしています。
ところがこのトランス脂肪酸も日本人の食卓の、ありとあらゆる食べ物に含まれているんです。
マーガリン、ショートニング、スナック菓子、菓子パン、ファストフードなどに多く含まれていて、「サクサク」「ふわふわ」とした食感や長期保存を可能にするために使われています。
でもこの油は自然界にはほとんど存在していないので、体にとっては異物に近い存在。
特に脳においては、神経細胞の膜に入り込んでしまい、神経伝達を阻害する可能性があると指摘されているんです(一部の動物実験結果にて。)
実際に、トランス脂肪酸の摂取量が多いと「記憶力の低下、抑うつ傾向の上昇、認知機能の低下」などとの関連があるという研究結果も報告されています。
私はマーガリンは使わずにバター、油はオリーブオイル、米油がメインです。
世界のトランス脂肪酸事情
トランス脂肪酸の危険性は、もう世界の常識になりつつあります。
たとえばアメリカでは、2018年にトランス脂肪酸を食品から全面禁止。
カナダやスイス、タイ、イラン、シンガポールなども、次々と使用・販売を禁止または厳しく規制しています。
EUでも2021年から上限値規制が施行され、特にデンマークは早くて、2003年にはすでに規制を始めていたというから驚きです。
ところが
日本では、いまだに「自主規制」という名の“ゆるゆる運用”。
一部の企業が自主的にトランス脂肪酸を減らしてはいますが、スーパーやコンビニの棚には、トランス脂肪酸を含む加工品がふつうに並び続けているのが現実です。
農水省のHPには「トランス脂肪酸の摂取は冠動脈性心疾患のリスクを増やすことが示されている」とありますけどね・・・
悪い油がダメなのは分かった。でも、何を選べばいいの?
ポイントは、自然に近い形で、酸化しにくい油
有名どころではDHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)やアマニ油・えごま油などですが、実際のところ私はそこまで意識していません。
先に書いたように「どんな油を摂らないか」に重点を置いているので、トランス脂肪酸を摂らないだけでも初めは結構大変なんです。
私が意識していることは以下
オリーブオイルはヨーロッパ(イタリア、スペイン)産の「エクストラバージンオイル」(日本で加工されていないもの)。
米油やごま油は「圧搾法(コールドプレス)」のものを選ぶ(「圧搾」や「一番搾り」と明記されているもの)。
マーガリンやショートニングの入っているお菓子はなるべく避けるパンも同様に、“意識して”食べる(たまにはいっか♪程度)
完璧に避けることよりも、「自分が何を食べているかを把握する」ことが一番大きな変化の第一歩です。
脳には栄養バランスも大事
今回は脳の乾燥重量のうち、約60%が脂質ということで油メインで書きましたが、もちろん脳には油だけではなく、栄養全体のバランスがとても重要です。 脳を構成し、そのエネルギー源となる栄養素は、脂質・たんぱく質(アミノ酸)・炭水化物(糖質)の三大栄養素と呼ばれるもの。
これらがしっかりと摂れていなければ、どれだけ良い油を選んでも、脳のパフォーマンスは上がりません。
あと、睡眠も大事にしています。
意識が変われば、心も変わる。人生も変わる
私が「油」を意識するようになってから、もう数年が経ちました。
気がつけば、以前よりだいぶ心が穏やかになってきたように感じます。
不思議と自己肯定感も上がり、感情に流されず、物事を論理的に捉えられるようになってきたとも思っています。
「第二の脳」とも呼ばれる「腸」活も同時に取り入れているので相乗効果かもしれませんが・・・
あなたも脳活してみませんか?
最後にマザーテレサの言葉を引用して、この記事を締めくくります。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
参考文献
National Institute of Mental Health (NIMH):
"Hormones and Mental Health"https://www.nimh.nih.gov/health/topics/hormones-and-mental-health
PubMed(例):
"Effects of Hormonal Contraceptives on Mood: A Review"https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24286445/
Neuroscience 6th Edition, Purves et al., Sinauer Associates, 2018
「脳の乾燥重量の約60%が脂質」と記載(Chapter 2: Cells and Structures)。
Nature Reviews Neuroscience:
"Brain lipids: functional roles in membrane structure and signaling"https://www.nature.com/articles/nrn2233
American Heart Association:
"Trans Fats"https://www.heart.org/en/healthy-living/healthy-eating/eat-smart/fats/trans-fat
PubMed:
"Trans fatty acids and memory: the roles of hippocampal neurogenesis and synaptic plasticity"https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25907244/"Trans-fatty acid intake and depression: the SUN cohort study"https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21464365/
FDA(アメリカ食品医薬品局):
"Final Determination Regarding Partially Hydrogenated Oils"https://www.fda.gov/food/food-additives-petitions/final-determination-regarding-partially-hydrogenated-oils
EU Food Safety Authority:
"Trans fat in foods"https://www.efsa.europa.eu/en/topics/topic/trans-fat-foods
農林水産省:
"トランス脂肪酸に関する情報"https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/
Harvard Health Publishing:
"Nutrition and the brain"https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/nutrition-and-the-brain
Nature Reviews Neuroscience:
"Brain energy metabolism: focus on astrocyte-neuron metabolic cooperation"https://www.nature.com/articles/nrn3113