- 投稿日:2025/06/13
- 更新日:2025/10/01

こんにちは!
現役16年介護職。現在、介護課長で奮闘中!
「老後は500万円あれば足りる」
たしかに、年金+持ち家で、元気に暮らせるならそれで十分かもしれません。
でも現場では――
60代・70代で要介護認定を受ける方や、突然の病気や骨折をきっかけに介護が始まる方が珍しくありません。
そしてそのとき初めて、
「介護って…こんなにお金がかかるの?」
「何から準備すればいいの?」
という“現実”に直面する方が多くいます。
今回は、現役介護職の視点から、
✅ 介護にかかるリアルな費用
✅ 在宅・施設の違い
✅ 使える制度
✅ 親と話しておくべきこと
などを、初心者の方にもわかりやすくまとめました。
「いざという時」に慌てないためのヒントになれば幸いです。
「介護費用の基本のき」
介護保険制度とは、高齢者が介護を必要としたときに、公的な支援でサービスを受けられる仕組みです。
40歳以上の人が毎月保険料を払い、介護が必要になったときに自己負担1~3割でサービスが受けられる制度です。
介護保険が使えるのはこんな人!
☑️【65歳以上の方】
→ 誰でも対象になります。
年齢による体の衰えや病気で、
「日常生活に介助が必要」と認定されればOKです。
たとえば…
歩くのがつらくなってきた
お風呂やトイレに介助が必要
認知症が進んできた
☑️【40歳〜64歳の方】
→ 特定の病気(=加齢が原因とされる16の病気)になった場合に使えます。
代表的な病気:
若年性認知症
脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)
パーキンソン病
がんの末期 など
つまり…
「まだ高齢じゃないけど、介護が必要な状態になった人」も対象になるということです。
💡介護サービスを利用するには「要介護認定」が必要!
介護保険を使ってサービスを受けるには、まず市区町村に申請して「要介護認定」を受ける必要があります。
この認定では、どれくらい介護や支援が必要か(=介護度)を判断します。
その結果によって「使えるサービス」や「利用できる金額の上限」も変わってくるんです。
▼要介護認定の区分とイメージは、こちらの図をご覧ください。
月にどれくらいかかるの?目安は?
在宅:月5万〜15万円
施設:月15万〜30万円
民間施設:月30万円以上も
→「5年間続くと数百万単位」になるという長期的視点が大事!
下記に詳しく説明していきます。
施設での生活、実際どれくらいお金がかかる?
例えば、介護老人保健施設(老健)や比較的リーズナブルな有料老人ホームを利用した場合、以下のような出費が想定されます。
要介護2:歩行や入浴など日常生活の一部に手助けが必要な状態
居住費・食費 約70.000円 年間約84万円
介護サービス費(自己負担1割)約25,000円 約30万円
雑費・理美容など約5,000円 約6万円
合計約100,000円 約120万円/年
💡 年金が月10万円前後あれば、
貯金にはほとんど手をつけず生活可能なケースも!
老後資金500万円でもやっていけるの?
年金月10万円 × 12ヶ月 = 120万円
年間支出 約120万円
→ 年金収入だけでギリー可能
この場合、500万円の貯金は「万一の医療費」「一時金」などに充てる安心のクッションになります。
介護度が上がって医療ケアが増える
個室や高級な施設を希望
年金収入が少ない
身寄りがなく、身元保証・葬儀代も自分でカバーする必要がある
この場合は、500万円では不安が残る可能性もあるため、
資産の見直しや、制度活用の検討が重要です。
お金の不安を減らす3つの備え
介護にかかるお金は「想像より高くなかった」と感じる方もいれば、
「やっぱり不安…」という方も少なくありません。
でも安心してください。
制度を活用し、早めに備えるだけで、不安はグッと減らせます。
✅ 高額介護サービス費制度
自己負担額が「年収に応じた上限」を超えると超過分を払い戻し
上限例:年収380万円以下→月24,600円、~770万円→44,400円
市区町村に申請すれば数ヶ月後に指定口座へ入金
✅福祉用具購入・住宅改修費の助成
住居内の手すり設置や段差解消スロープ工事、介護ベッド・車いすなどの購入費用を自治体が一部補助。
補助率は1/2~全額、上限額は10〜20万円程度(自治体により異なる)。
事前に市区町村窓口で申請要件や必要書類、見積提出方法を確認。
✅ 減免・補助制度(自治体ごと)
住民税非課税世帯などは居住費・食費の減免が受けられる場合あり
福祉用具購入や住宅改修の費用補助も自治体次第で利用可
詳細はお住まいの市区町村窓口で確認・申請を!
🧓 そして一番大事なのが「親との話し合い」
✅ 介護が始まる前に“最低限”話しておきたいこと
話すべき内容なぜ必要?
① 介護が必要になったときどうしたい?施設?自宅?希望を知っておかないと家族が困る
② 認知症になったら?延命治療は希望する?後からでは確認できない
③ 財産の管理・通帳・保険は?介護費用のやりくりに必須
④ 介護保険の申請はもうした?要介護認定がないと何も始まらない
⑤ 地域包括支援センターを知ってる?無料で相談できる公的窓口。
💬 話し合いのとっかかり例
「もし、転んで入院とかしたら、どうしたい?自宅に帰りたい?施設でもいい?」
「通帳や保険って、どこにあるかだけ教えておいてもらえる?」
「介護保険の申請、もうしてる?何かあったとき困らないようにだけ…」
👉 “いざ”というときに慌てずにすむのは、元気なうちの会話次第です!
✅ まとめ:老後500万円は「あり」か「なし」か?
介護保険制度を正しく使えば、月10万円前後で施設利用も可能
年金収入+公的支援があれば、貯金500万円でも現実的に生活可能
ただし、重度化や高額施設を希望する場合は資金不足リスク
🎤 最後にひとこと
70代で要介護認定 → いきなり施設探し!通帳もわからん!という家族が本当に多い。
だからこそ、今できる備えを。
・ざっくりとでも介護費用の把握
・制度の活用知識
・親との率直な会話
この3つだけで、将来めちゃくちゃ楽になります。
誰かの役に立てれば嬉しいです。
最後まで、お付き合いいただきありがとうございました!
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