- 投稿日:2025/06/18
- 更新日:2025/09/29

資産を守るうえで最も警戒すべき存在、それが「詐欺師」です。
私自身、多くの被害者の方から話を聞く中で、同じ人物から複数人が詐欺被害を受けていたというケースにも遭遇しました。
このような事例がなぜ後を絶たず、そしてなぜ詐欺師たちは何度も詐欺を繰り返すことができるのでしょうか?
今回は、詐欺師が捕まりにくい理由と、私たちができる防御策についてお伝えします。
詐欺師の「巧妙なシナリオ」とその手口
多くの投資詐欺では、数百万円単位の資金を預け、「高配当が得られる」と謳うのが基本構造です。
実際、最初の1〜2回は配当金が振り込まれるケースも多く、それによって信頼感を醸成し、追加投資へと誘導されます。
しかしその後は、連絡がつかなくなる、雲隠れされるといった流れが典型的です。
被害者が全額返金を求めても、返ってくる言葉はテンプレートのように決まっています:
「資金がロックされていて出金できない」
「私も被害者なんです」
「返金する意思はあります。もう少し待ってください」
このような文言を並べることで、法的な“逃げ道”を確保しているのです。
詐欺と立証するハードルの高さ
実は、日本の法律ではたった1回でも配当を受け取ってしまった場合、「詐欺」として立証するのが非常に難しくなります
また、詐欺師側が「返す意思がある」と言っている場合も、すぐに逮捕や強制執行が行われるケースは少ないのが現実です。
つまり、詐欺師たちはこの“抜け穴”を熟知した上で動いているのです。
なぜ捕まらないのか? そして、なぜ繰り返すのか?
詐欺師が繰り返す理由はシンプルです。
リスクよりもリターンが大きく、捕まる確率が極めて低いからです
以下は、彼らが「捕まらない」ために意図的に行っている行動です:
・小口で複数人から少しずつ資金を集める
・被害者に「信頼できる人間」と思わせるよう演出する(高級ホテル、ブランド品、上品な言葉遣いなど)
・証拠となるパンフレットや資料は一切渡さない(「社外秘」などの理由で)
・連絡はLINEや口頭中心、契約書も簡素または存在しない
詐欺師の多くは、**法律・心理・人間関係を知り尽くした“プロ”**です。
私たちにできる備えとは?
残念ながら、被害にあってからでは遅いのが現実です。
そのため、以下のような**「心構え」と「行動」**が大切です。
1. 証拠を残す
会話は録音(正当な理由がある場合、違法ではありません)契約書・パンフレットの写メをとっておく振込記録、LINEのやりとりを保管
2. 優しすぎる相手には注意
「自分を理解してくれる人=信頼できる人」ではありません特に資産や収入の話題を振ってくる人は警戒が必要
3. おかしいと思ったらすぐ相談
一人で抱え込まず、周囲や専門機関へ相談を被害者同士でつながるコミュニティや、情報共有も有効
資産を守るのは「冷静な知識」と「記録」
私自身も、被害者の話を聞く中で数え切れないほどの涙と悔しさを見てきました。
なにより心が傷つくのは、「人を信じた自分を責めてしまうこと」です。
詐欺師たちは、その“心の弱さ”さえも利用してきます。だからこそ、冷静な知識、そして記録を残す意識を持つことが最大の防御になります。
あなたの大切な資産と、信頼を守るために。
「自分だけは大丈夫」と思わず、今日からできる備えをぜひ始めてください。