- 投稿日:2025/06/25
- 更新日:2025/10/08

こんにちは!BONBONと申します。
個人家庭教師・塾講師としてこれまでに数百人の生徒さんと接してきました。
日々指導を行う中で多くの生徒さんや保護者の方から以下のような質問をいただきます。
「英検(漢検)の案内が来たんだけど受けたほうがいいですか?」
今回はこちらの質問にお答えしていきます。
結論:漢検は4級まで!英検は大学進学するなら要検討!
⚠️前提について
お子さんやご家庭の状況に応じて様々な条件がありますので、まずは前提を揃えてから解説します。
✔️小中学校:地元学区の公立校
✔️高校は偏差値45〜60程度の学校へ進学
トップ進学校というよりは大学進学する生徒の半数以上は推薦入試(総合型・公募型・指定校型)を利用する高校への進学を想定しています。
進学校で一般入試を受験して大学進学を目指している場合は、資格検定よりも受験勉強を最優先に頑張ってくださいね!
一般受験で大学進学する場合も後述する「英語外部検定試験利用入試」が使える場合もあるため、英検は積極的に受験を検討しましょう。
このいわゆる「普通の子」に対する「受験に向けた教育投資」という観点を前提に、漢検・英検は必要なのかを家庭教師・塾講師としての私の経験を元に解説していきます。
なぜ漢検は4級までで十分なの?
ひとことでいうと公立高校受験に出題される漢字のほとんどが漢検4級程度からの出題だからです。
漢検4級は「中学在学程度」の漢字が出題範囲として設定されていますが、実は私立進学校を除いて、高校入試で必要となる漢字の読み書きは「小学校高学年〜中学1年生程度」のものです。
漢検は10級(小学校1年生修了程度)から級の設定がありますが、私個人としては5級(小学校6年生修了程度)と4級(中学在学程度)を中学1、2年生までに取得するのをオススメします!
🤔そもそも漢検って必要?
「漢字の読み書きだったら学校で習うし、わざわざ漢検を取らなくていいんじゃないの?」と思うかもしれません。
確かに「漢字の習得」だけを目的とした場合、学校教材で十分です。
しかし、個人的には取得する価値は十分にあると考えています。
漢検には以下の2つの大きなメリットがあります。
①社会で必要な最低限の語彙力が集中的に身につけられる
②入試で問われる四字熟語、慣用句、熟語の構成について集中的に学べる
「集中的に」というのがポイントです。
資格勉強として集中的に学ぶことで、その後の受験勉強などの学習でのフックになります。(簿記やFPの学習をすでにされた方は実感しやすいかもしれません)
早めに漢検4級までの語彙力と漢字にまつわる知識を学習しておくことで、国語に限らない多くの教科、分野の学習が楽になりますよ!
大学受験と英検って関係あるの?
高校受験や他の学習において取得メリットが大いにある漢検に対して、高校受験までの学習においての英検の必要性はあまり高くありません。
しかし、大学受験(特に各推薦入試)において英検取得の重要性は年々高まっています。
現在、多くの大学では総合型選抜や学校推薦型入試の出願要件として英検をはじめとした英語検定試験の級やスコアが設定されています。(一般入試においても出願要件としている大学もあります)
つまり、英検(や他の英語検定資格)がなければ出願すらできない大学が増えています。
大学の推薦入試での出願を目指して定期テストを頑張って評定平均(通知表の5段階評価の平均)を確保しても、英検を持っていないことが原因で志望校の選択肢が減るケースがあります。
特に総合型や公募・指定校推薦での大学進学を検討している生徒さんは英検の取得を計画的に進めましょう!
📊何級を目指せばいい?
結論、大学によりますが準2級以上を基準としている大学が多い印象です。
しかし中には総合型選抜の出願要件として準1級以上を条件としている大学もありますので、できれば高校1、2年生の早い段階で興味のある大学の出願要件について確認しておきましょう。
・上級国公立/私立大学の文学/国際系/医学部:準1級以上
・一般国公立大学/中堅私立大学:2級
・その他大学・短期大学:準2級
個人的な目安はこんな感じです。
2025年4月から新しい級として「準2級プラス」が新設されましたが、大学入試での取り扱いがどうなるかは、これからです。
私の生徒の中には英検3級で地方国公立大学に合格した生徒さんもいますので、英検が出願要件に入っていない場合は英検は必須ではありません。
🎓一般入試で大学を受けるなら必要ない?
では一般入試では英検はいらないのでしょうか?
結論「なくてもいいけど、2級以上を取れるなら取るといいことあるかも」って感じです。
現在の大学入試には「英語外部検定試験利用入試」という制度を導入している大学が多くあります。
これは英検やTOEIC、GTECといった英語検定の級やスコアによって、一般入試の英語の点数が加点されたり、英語の試験が免除さたりといった優遇措置が受けられる制度です。
優遇措置の内容は大学によって様々ですが、当然「優遇」なので求められる基準も高くなります。
そのため、英検2級相当(できれば準1級)の実力がある生徒さんは利用を積極的に検討してみましょう。
📚英検の受験方法は?
英検には会場で受験する「従来型試験」(年3回実施)とテストセンターのPCで受験する「S-CBT試験」(ほぼ毎週実施)の2種類があります。
「S-CBT試験」は毎週実施される上、「従来型」では別日程で2次試験として実施されるスピーキング(面接)が一気に行えます。
一見、「S-CBT」の方が良いように思えますが、中高生には「従来型」がオススメです。
✔︎「S-CBT」の懸念点
⚠️「従来型」に比べて受験料が割高
例 : 2級受験料
「従来型」会場受験:9,100円/学校受験:6,900円
「S-CBT」:9,700円
⚠️英文読解や解答選択を不慣れなPC画面上で行わなければならない
書き込みながらの解答ができません。
⚠️疲れやすい、集中力を維持しにくい試験順序
「スピーキング🗣️」→「リスニング🎧」→「リーディング📕」→「ライティング✏️」の順で行うので、②の操作方法と合わせて専用の練習が必要です。
このような理由から基本は「従来型」、どうしても日程が合わない場合は「S-CBT」での受験をオススメします。
🗓️英検はいつ受けるべき?
「従来型」での受験を前提に私が生徒さんに勧める基本的な取得スケジュールを紹介します。
中2冬までに4級
⬇️
高校受験終了後、高1春に3級
⬇️
高1冬に準2級
⬇️
高2冬に2級
これで無理なく受験までに2級取得が可能です。
1回で受からない場合や目指す級が違う場合もあるので、上記をベースに各生徒さんに合わせて調整して、計画的に取得を進めていきましょう!
大学によっては「過去2年間の成績のみ有効」とする場合もあるので、早めに取得したら再受験が必要なこともあります。志望校が決まったら必ず確認するようにしましょう。
漢検・英検はどうやって勉強すればいい?
漢検も英検も基本的な学習方法は一緒です。
ひたすら過去問を繰り返しましょう!
様々な参考書や問題集が発売されていますが、原則過去問がそのまま掲載されている問題集で十分です。
「出題回数順」や「予想問題集」なども売られていますが不要です。
6回分以上の過去問が収録されている過去問集を購入して、きちんと振り返りながら繰り返し取り組むのが合格への最短ルートです。
漢検も英検も出題の問題形式を把握しながら練習しましょう。
✏️漢検学習のポイント
✅️読めない、書けない漢字をなくす
✅️意味を説明できない熟語をなくす
✅️苦手な出題形式の過去問を集中的に練習する
✏️英検学習のポイント
✅️英検はとにかく単語勝負!読めない意味が取れない単語をなくす
✅️ライティング(英作文)は絶対に落とせない!必ず答えられるようにする
✅️リスニングの要は音読!スクリプトはもちろん、リーディングの長文も利用してスムーズに音読する練習を繰り返そう!
細かなアドバイスはまだまだたくさんありますが、英検の学習方法について有益な情報はノウハウ図書館を始め、インターネット上にたくさんあります。
正しい学習方法で練習すれば必ず合格は手にできますので頑張りましょう!
おわりに
今回は「高校・大学受験における必要性」を基準に「教育投資として漢検・英検を受験すべきか」について解説しました。
受験に向けた教育投資と期待リターンという観点で見れば、必要以上の検定取得というのは無駄かもしれません。
しかし、修了の証として、そして情操教育の側面としての資格受験を否定する意図はありません。
私が始めて取得した資格検定は小学5年生でとった漢検5級でした。初めて貰った合格証がとても誇らしかったのを覚えています。
私のように「生まれて初めてとった資格検定は漢検だった」という方も多いのではないでしょうか?
漢検や英検といった資格検定は、子どもたちの承認欲求を満たし、その達成感を通じて自己肯定感を育んでくれます。
「学習のステップを進めた努力の証」として子ども達の自信にもなります。
勉強は最も再現性の高い自己投資のひとつです。漢検・英検の取得を通じて得られた成功体験はお子さんの将来への財産になります。
そのような観点で見れば、お子さんの資格試験の取得の要不要は今回の限りではありません。
受験を迷われた際の一つの指標として、参考となれば幸いです✨
最後までお読みいただき、ありがとうございました😊