- 投稿日:2025/07/05
- 更新日:2025/10/03
こんにちは!
すまいる院長です。
普段は一人治療院を運営しています。
これから治療家の独立開業物語を書いていきます。
私の経験を元にして、うまく行ったことや失敗したこと、開業後に学んだ知識も含めて物語調にして進めていく予定です。
それでは始めていきます!
この章で学べること
・他人のことはよく見えるが、自分を客観視するのは難しい。でも自分に気づくことが大切。
・挑戦するための時間作りが重要。治療家、セラピストは時間を作るための方法を考える必要がある。
・昨日と同じことをしていたら、昨日と同じ結果しか手に入らない。
・始めるのが一番大変。始めてしまえば半分終わったようなもの。
詳しくはストーリーをどうぞ!
プロローグ 自分に気付くことから始めよう
瞬介は毎日もやもやしていた。
これからの人生を考えると早く独立開業するべきだと思うが資金もないし、そもそも仕事が忙しすぎて独立の準備なんてする時間は全く無かった。
彼は鍼灸師と柔道整復師の資格を取得し、鍼灸整骨院で働いていた。
『鍼灸師と柔道整復師を同時に取得できたあの頃は、それだけで夢に近づいてるって思ってたんだよな……。』
就職してから3年、確かに誰よりも早く院長に昇進した。しかし、このまま雇われたままで終わるつもりはない。
一日も早く独立開業をしたかった。
しかし激務に追われる日々では何から手を付けるべきか検討もつかない。
そこで中学生時代からの先輩、橘さんに相談するために今夜会う約束をした。
『相談って言っても、何をどう話せばいいかすらわかってない。でも……今のままじゃ何も変わらない。せめて、何かヒントだけでも掴めたら─。』
駅前で待ち合わせ、そのまま駅近くの居酒屋に入り乾杯した。
「どうした瞬介?なんか冴えない顔してるけど??」
「まあね。ちょっと最近気持ちがスッキリしてなくて。独立開業したいとずっと前から考えてるんだけど、結局何も変わってなくて・・・」
「なるほど。確かに独立するとか考えたり口に出すのは簡単だけど、実際に行動するのはその何百倍も難しいからね。実際動き出す人なんて百人に一人くらいだよ。」
橘さんは若くして起業し、今や3つの会社を経営している経営者。誰が見ても大成功している若者と言えるだろう。
学生時代から仲間で集まるとみんな橘の周りに集まるような、リーダー的な存在だった。
橘は瞬介のことをいつも気にかけてくれていたので、瞬介は学生時代からいろいろなことを相談していた。
瞬介から見ると、橘も相談に答えるのが楽しそうに見えた。
『あの頃はちょっと先を行く先輩って感じだったのに、今ではだいぶ差がついちゃったな・・・』瞬介は彼に会う度、心の中で呟いていた。
「俺は独立するって昔から決めてたんだけど、実際一歩踏み出そうと思うとなかなかね・・・」
「はじめの一歩を踏み出すだけでもできる人は限られてるからね。だいたいみんなそう言っているだけで、行動する人なんてほとんどいないよ。」
「俺はみんなとは違うよ。俺の周りの人はいつか独立するとか、将来は法人を作るんだとか言ってるけど、何もしてないからね。」
「みんなとは違うって言ってるけど、今のお前と何が違うんだ?お前も何も初めてないんじゃない?」
瞬介はハッとなり恥ずかしくなった。
『確かに俺は周りの奴らは口だけで何もしてない奴らだと思ってたけど、考えてみれば俺も何も変わらないじゃないか』
そう頭に浮かんだ瞬介はしばらく黙り込んでしまった。
それを見て橘は微笑みながら、優しく話しかけた。
「周りのことはよく見えるけど、自分のことを見るのは難しいからね。古代ギリシャの哲学者タレスも、❝一番困難なのは自分自身を知ることであり、一番容易なのは他人に忠告することだ❞と言っているからね。」
「うん・・・」
「あともう一つ名言を教えてあげるよ。❝人とは違うことをやってやる!という人と同じセリフ❞これはだいたひかるというお笑い芸人のネタなんだけど、これを見た時ハッとしたね。」
「名言ってお笑いネタじゃないですか(笑)!」
「“人とは違うことをやってやる!”って、みんな口にするけど、実際は“あるある”な選択ばかりしてる──っていうネタなんだ。痛いとこ突いてるでしょ(笑)」
「そう。お笑いネタなんだよ。あるあるネタ。だからこそ自分があるある側にならないようにしないとね。」
『橘さんに相談してよかった。橘さんと話しているとなんか頭がスッキリするような気がする』
そんなことを瞬介は思いながら、次のビールを注文した。
第一章 時間を買う
居酒屋を出たあと、駅前のロータリーでしばらく話し込んだ。
冷えた風が吹いているのに、瞬介の胸はどこか熱かった。
「橘さんだったら今の僕の状況で、どうやって独立しますか?」
信号待ちのタイミングで、ふと橘に聞いた。
橘は小さく息を吐いて、優しく応えた。
「今の職場じゃ時間的に何もできないんでしょ?」
「そうですね。朝から晩まで施術して、部下の教育、雑務、レセプト。副業なんてやれる隙間もないですよ。」
「だったら、まずは“時間”を確保するための転職からだな」
橘は即答した。
「え?転職って……独立するために転職するんですか?」
「そうだよ。今の時代、リスクを抑えるためにはいきなり店舗を持つより副業から始めるべきなんだ。昔だったら借金して店舗作って独立って感じだったけど、今の時代は副業からだ。」
橘は言い切った。
「転職って大変じゃないですか?その時間を開業準備に使った方が良くないですか?勤務時間を減らすような転職だったら給料も下がりそうだし。」
「今のままでは何もできてないんだろ。今日までできていなかったことを明日ならできると思うのは、これも動けない人あるあるなんだよ。」
橘は続けて
「❝昨日と同じことをして昨日と違う成果を求める。これを狂気と呼ぶ❞というアインシュタインの名言があるんだ。でも多くの人はこれをしがちなんだよね。」
「確かに何かを大きく変えないとですよね。」
「大きく変えると書いて大変なんだ。でも独立開業したいなら大変は避けて通れない、大変なのはいつでも同じ。むしろどうせ大変なら若いうちの方が踏ん張りもきくよ。」
「確かにYouTubeマッチョライオンが❝今日が一番若い日です!❞って言ってましたね。」
「両学長だね。独立を成功させたいなら見ておいた方がいいよ。リベシティっていうのも入っておいた方がいい。僕も入ってるしね。月2000円から入れるから。あんなに安くて良い情報が溢れているコミュニティーはなかなかないよ。いい仲間も見つかるし。」
「月2000円ってもったいなくないですか?ネットを使えば、無料でいくらでも情報が手に入りそうですけど・・・・」
「確かに良い情報が無料で手に入る事もある。でも、良い情報以上に悪い情報やウソの情報が混ざってる。その中から良いか悪いか判別する時間も能力も今の瞬介にはないだろう?」
言われてみれば確かにその通りだ。
YouTubeも広告ばかりだし、ブログも役立ちそうだと思って読み進めていくと最終的に、一番大切な部分は有料登録が必要みたいになっている。
これから開業するために時間はいくらあっても足りない位だ。
「その通りですね。時間を買うつもりで入会します。」
「いいね!時間がないって言ってる人ほど、時間を無駄に使っていることが多いんだ。時間を買って時間を作る意識ができればやれることは一気に増える。時間は資本だよ、瞬介」
瞬介は黙ってうなずき、スマホでリベシティに入会した。
「リベシティに入会しました」
「お、早いね!その決断の早さが瞬介の良い所だね。何事も始めることが一番大変なんだ。始めてしまえば半分は終わったようなものだよ」
橘の言葉が、骨にまで響いてきた。
『確かに最近は仕事の忙しさで思考停止していたかもしれない。学生時代の自分はもっと考えていたし、決断も行動もしていた。いつの間にか周りに流されてなんとなく過ごしていたんだな。』
自分の心に火が付いた感覚があった。
「じゃあ、その副業を始めるために転職活動をしないとですね。」
「転職といってもあくまで開業準備時間を作るための転職だからね。条件として優先すべきは仕事以外の時間がどれだけ使えるかで考えるといいよ。」
「じゃあ勤務時間が短いとか残業がない事を優先にして探します。」
「あとは忘れがちなのは通勤にかかる時間。片道1時間の勤務先では毎日2時間がムダになってしまう。通勤時間に読書して有効に使うみたいな考え方もあるけど、実際には東京のような人の多い電車では難しいよね。」
言われてみれば思い当たる所がある。
現在の職場に毎日通勤しているが、朝の満員電車ではスマホを取り出すのがやっとで、読書なんてできるはずもない。
やっと取り出したスマホも満員電車では結局、ゲームをしたりSNSをチェックするくらいでしか使えてない。
電車でもみくちゃにされて、職場の最寄り駅に着くころには疲れ果てている毎日を過ごしているのだった。
「じゃあ転職の条件としては、①残業がない②通勤時間が少ない③副業OKで探します。」
橘は優しくうなずいた。
続きはこちら
https://library.libecity.com/articles/01JZJHKT656MSD59QPY52T5WAQ
まとめ
・他人のことはよく見えるが、自分を客観視するのは難しい。でも自分に気づくことが大切。
・挑戦するための時間作りが重要。治療家、セラピストは時間を作るための方法を考える必要がある。
・昨日と同じことをしていたら、昨日と同じ結果しか手に入らない。
・始めるのが一番大変。始めてしまえば半分終わったようなもの。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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