- 投稿日:2025/08/17
- 更新日:2025/09/29

人生2度目の勤めていた会社の倒産
不動産販売の宅建事務をしていた私は、不動産売買契約書の作成や契約の際の重要事項説明等を行う仕事をしていました。コロナが日本国内で感染が確認されるにつれ、お金を持っている高齢者が面談してくれない。住宅ローンを提携している金融機関でコロナが蔓延し、融資審査が進まないなど影響が出てきていました。
私の職場は元々前職の会社が倒産し上司と共に立ち上げた会社のため、私は従業員としての立場での参加でしたが、給料の遅配がありました。このような状況ですから、私の上司でありこの会社の社長はコロナを乗り越えることは難しいと判断し弁護士を通じて東京地方裁判所に破産申請をしました。
最期の最期まで会社に在籍していたこともあり、会社の倒産や全従業員への未払給料が厚生労働省により立て替え払いされるところまで見届けました。
職業訓練校へ入学
ハローワークに失業給付の申請をして一緒に職業訓練校の申し込みをしました。私は20代の頃、都内の信用組合に勤めていましたが、不動産担保を重視していたため宅地建物取引士の資格は持っていたのですが、簿記3級を取得していなかったため、簿記2級3級対応の4ヶ月コースの職業訓練を希望しました。職業訓練校の倍率は高かったのですが、会社の倒産であり会社都合ですので、面接も一番遅く始まって一番早く終わりました。私もかなり焦りまして面接官に最期フリートークのような自己アピールをさせて頂いたのですが、会社都合が最初から考慮されているようでした。
職業訓練校入学1週間で緊急事態宣言
せっかく職業訓練校に入学したにも関わらず緊急事態宣言により休校となりました。あの東日本大震災においても休校にはならなかったからならないのではといわれていましたが、お休みとなりました。
職業訓練校再開
職業訓練校は月曜~金曜の週5日を基本にして、就職活動日が設定されています。実質週4.5日のイメージでしたが、緊急事態宣言により休校期間があったため月曜~土曜の週6日就職活動日なしのスケジュールになりました。
再就職先の検討
私は不動産会社で宅建事務をしていたことは前述の通りです。会社の破産まで見届けて、今後は不動産業界でもなく宅建事務でもない仕事に就きたいと考えました。簿記取得を目的とする職業訓練校では税理士事務所や会計事務所を紹介されました。面接させて頂くと将来は税理士資格を取得して欲しいとのお話があり私は方向性が違うなと思いました。1度目の倒産から上司と一緒に会社を立ち上げ、創業計画書を作成し都内信用金庫と日本政策金融公庫から創業融資を受けました。そこで、簿記を生かせる中小企業等支援実施機関等を希望することにしました。仕事としては税理士資格を持たない職員のため個人事業主の確定申告や消費税の納付などに止まり、他に融資相談や補助金相談、経営相談が主になります(相談員)。20代の頃信用組合に在籍していたとはいえ、未経験の業界で未経験の業種でした。
埼玉しごとセンターへ
職業訓練校よりご紹介頂いて、就業支援セミナーを埼玉しごとセンターで受けました。セミナー講師から失業してつらいと思ったら、ドラクエのレベルアップの音楽を思い出して、自分がレベルアップする機会となっていると思うと良いとのアドバイスを受けました。つらいときほどこのことを忘れてしまうので、レベック(レベルアップミュージック)と名付けて忘れないようにしようと思いました。これが私のリベネームの由来です。
埼玉しごとセンターでは、私と同じように仕事を失った人が多くいました。雇い止めの方が多かったと記憶しています。決して仕事を失ったのは自分だけではないと自分自身に言い聞かせ、奮い立たせることが出来ました。
自分を理解してくれる相談員との出会い
相談員の中には書類選考も通らないのだから、「不動産業界でいいじゃないですか」とか「その仕事じゃなきゃダメなんですか」とか「コロナが収まる3年ほど我慢してもう一度転職すればいいじゃないですか」と仰る方もいます。そのような相談員を敬遠しつつ、希望に叶う就職先を一緒に探してくれるパートナーと出会いました。
希望する求人に応募し尽くす
私が希望する求人には応募し尽くしました。書類選考もなかなか通過出来ず新たな求人が出てくるまで待つかというところでした。しかし、緊急事態宣言の影響で職業訓練が月曜日から土曜日の週6日に変更された上、職業訓練のスケジュールにある就職活動日はなしとなっていました。公共職業訓練等を受け終わった者に対する延長給付 (終了後手当)の条件である、「受講終了日前までの4週間において受講した訓練に係る職種の求人に対する応募の実績が複数回(2回で大丈夫です)あるにもかかわらず、 採用内定に至っていないこと」という条件を達成することが出来ませんでした。想定していたよりも早く失業給付期間が終了するところまで来ていて、希望の求人をいつまで待つのかという問題に直面しました。
求人を出していない会社に電話を掛ける
希望する求人の求人票はしっかり読み込んでいたため、ある程度の条件の相場は把握していました。そこであらゆる求人サイトで求人が出ていないのを確認した会社に対し電話を掛けることにしたのです。
戦略
・再度電話で求人を出していないか確認する。
・勤めていた会社が倒産し現在無職であることを伝える。
・求人を出していないことから採用担当者がいないと考えられるため、人事権を持っている人に電話をつないで貰う目的でこちらから電話を切らず会話を続ける。
・今後求人を出される予定が既にあるか聞く。
・求人を出す際はハローワークか求人サイトかエージェントか聞く。
ここまで質問を繰り返せば大抵人事権を持っている人に電話を替わって貰えます。
人事権を持つ人に対して
・現在会社の倒産により失業中であることを伝える。
・履歴書を持参するのでお会いできないか交渉する。
電話でお話をここまで聞いてくれるのは10社に1社です。
実際に面談までしてくれるのは20社に1社です。
私は面談までしてくれたのは2社ありました。
必ずお願いしておくこと
通常の就職活動とは異なり求人票がありません。
必ず雇用条件を書面でくれるようお願いしましょう。
(私は過去に士業の求人サイトから就職活動したことがあるのですが、正式な求人票でないため、記載されていた条件と実際の勤務実態がかけ離れていたことがありました。原則残業なしとの記載でしたが、実際は月60時間でした。このようなことがないよう書面による雇用条件の提示は必ず貰いましょう。)話がそれてしまいますが、この時の話は別の記事で紹介しています。もしよろしければこちらをご覧ください。
【社会保険完備の意味を知らなかった】一事が万事!おかしいと思ったら逃げろ!
雇用条件の書類は最終面接時に頂きました。
面談時のキラーワード
採用面接前の採用面接のお願いの時点ですが、既に採用面接だと思って望みましょう。この時点で履歴書をお渡しします。恐らく「あなたの良いところはどこですか?」と質問してくれると思います。私も質問して頂きました。
ここでは必ず「行動力です。」と答えましょう。
「なぜなら電話一本でこのようにお目に掛かって頂いているじゃないですか。」と答えれば人事権を持つ役員さんはびっくりした表情で「本当だ!」と言ってくれます。実際に相手の良いところを採用面接等で体感する役員さんもいないのでこちらのペースに持ってこれます。
良いところ
求人サイトやスカウトによる求人の場合、その転職斡旋会社の担当者が求人を出さないかと交渉するのですが、どんな人が来るかは分かりません。一般的な傾向と求人が目に触れる人数を提示するぐらいと思います。しかし、今回の場合は「雇ってくださいお願いします。」と来ている本人を雇うかどうかです。会社で求人を出したタイミングで思うとおりの人材が雇えるかは分かりません。採用タイミングではないが、雇ってみようかと思わせられれば可能性があると思います。
弱点
この方法は万能ではありません。私の急なお願いのため新入職員を受け入れる体制が整っていませんでした。離職率が低いこともあり募集の予定もなかったからです。結果的に4月入社となりました。1年2ヶ月再就職に時間が掛かりました。一方で昔と比べて介護休暇、育児休暇等の取得により人手不足になりやすいです。交渉すれば入社させて貰える可能性は広がっていると思います。
おわりに
コロナによる倒産からかなり時間が経過していますが、感情があふれてきてしまい読みづらい文章になっているかと思います。大変申し訳ありません。私は今もこの突然アポイントをとって雇って貰った職場で勤務しています。とはいえ士業で独立が夢ですので、夢の実現を目標に頑張っています。
突然職を失ってしまった方へ
私は会社の倒産の最期まで在籍していました。見切りをつけて退職していった同僚もいます。最期まで残って結果倒産となったうえで、毎日の会社への通勤さえもなくなりました。自分の気持ちがついて行きませんでした。その点、職業訓練校に通うことが出来たことで、自分のこころを守ることが出来たと思います。再就職が決まれば職業訓練校を途中で辞めることも出来ます。軽い気持ちで通ってみてください。
勤めていた会社が倒産し失業したことを周りに話してみる。
私は地元のテニスサークルとバスケットサークルに参加しています。職業訓練校を卒業してからは、運動不足になっていて平日の開催にも参加しました。「あれお仕事は?」って聞かれて初めて事情を話しました。「サークルメンバーで職を失った人がいるんですが、ひとり雇えないですか」と会社経営者のサークルメンバーに交渉してくれる人がいたり。私が再就職の交渉をする会社の情報を集めてきてくれる人がいたり。私の再就職のために動いてくれる人がいました。
この記事をお読みの方は皆リベシティの会員です。言い出しづらいかもしれませんが、職を失ってしまったことを発言しましょう。会員区分を下げてでもリベシティに残りましょう。必ず誰かが見ています。必ず誰かが動き出しています。時間が掛かっても再就職を諦めないで欲しいです。あなたはひとりではない。同じように職を失ったのはあなただけではない。希望の業界・業種での再就職を祈念しています。