- 投稿日:2025/08/22
- 更新日:2025/10/09
こんにちは、🌸桜🌸です。
「親亡き後の備え」を考えるときに、よく耳にするのが 成年後見制度。
でも実際には「難しそう」「よく分からない」と感じる方も多いと思います。
今回はこの制度の背景や仕組み、メリット・デメリット、そして「どんな人に必要か/不要か」を分かりやすくまとめました。
制度の歴史的背景
かつて日本には「禁治産者」「準禁治産者」という言葉があり、認知症や障害のある人は法律行為ができないとされていました。
しかしこれは「人権を守る」というより「社会から隔離する」意味合いが強く、時代に合わないものでした。
そこで2000年(平成12年)に新しく始まったのが 成年後見制度 です。
この制度の目的は、👉 判断力が不十分な人の生活や財産を守ること。
本人の「できることは自分で決める権利」を尊重しながら、必要な部分だけサポートする仕組みに変わりました。
成年後見制度とは?
簡単に言うと、
👉 判断がむずかしい人の代わりに、生活やお金の管理をする人を裁判所が決めてくれる制度 です。
具体的にできること
・預金の出し入れや支払いの管理
・整理券・降車ボタン・交通安全、すべてが“自立”への学びだった
・福祉サービスや施設の契約
・不動産の売却や大きなお金のやり取りのサポート
つまり「生活に必要なお金や契約ごとを、代わりにやってくれる人をつける仕組み」と考えると分かりやすいです。
成年後見制度の3つのタイプ
成年後見制度は、本人の「判断のむずかしさ」の度合いによって3つに分かれます。
・成年後見人(フルサポート)
- 判断がほとんどできない人(例:重度認知症、重度知的障害)
- 生活全般・財産管理を全面的に代行
・保佐人(中くらいのサポート)
- 大きなお金の契約は難しいが、日常生活はある程度できる人
- 借金・不動産売買などは保佐人が一緒に判断
・補助人(軽いサポート)
- 書類や契約など、一部に不安がある人
- 必要な部分だけサポート(銀行手続きや介護サービス契約など)
👉 まとめると…
・成年後見人 → 生活・お金の全部を任せる
・保佐人 → 大きなお金の判断を一緒にする
・補助人 → 必要なときだけ助けてもらう
※ 梅子は、重度発達障害者なので「成年後見人(フルサポート)」になります。
任意後見制度という選択肢
ここまでの後見人・保佐人・補助人は、👉 判断力がすでに落ちてから裁判所が決める制度。
一方で「元気なうちに備える仕組み」もあります。
それが 任意後見制度 です。
・本人が元気なうちに「将来はこの人に任せたい」と契約できる
・公正証書で契約し、必要になったら発動
・自分で後見人を選べるのが最大のメリット
ただし、
・元気なうちにしか契約できない
・契約に数万円の費用がかかる
・制度が始まると、裁判所が監督人をつけ、その費用もかかる
👉 法定後見(裁判所が決める)と、任意後見(自分で決める)の違いを知っておくと安心です。
※ 主に健常者だった方が認知症になる前などに使います。
メリット
・裁判所が関わるため、不正利用されにくい
・預金や契約ごとを安心して任せられる
・家族がいなくても、専門家が後見人になることが可能
デメリット
・毎月の報酬がかかる(専門家が後見人の場合、月2〜5万円)
・財産を「守る」だけで、運用や増やすことはできない
・大きな契約は裁判所の許可が必要で自由度が下がる
・一度始めると、原則として本人が亡くなるまで続く
こんな人に必要
・預金や不動産などの財産があり、本人が管理できない
・信頼できる親族がいない
・福祉サービスや施設契約など、代わりに動いてくれる人が必要
こんな人には不要
・財産が少なく、現金で残す予定
・信頼できる家族がいて、日常的なサポートが可能
・遺言や信託(財産が数千万円以上ある方)など、他の手段でカバーできる
制度にかかるお金
成年後見制度には 毎月の報酬 がかかります。
・預金管理のみ:月2〜3万円
・不動産や複雑な契約あり:月3〜5万円
👉 年間24〜60万円
さらに、
・申立費用:1〜2万円
・医師の診断書:1万円前後
・戸籍・書類代:数千円
自治体によっては「成年後見制度利用支援事業」として、報酬を一部〜全額助成してくれるケースもあります。
👉 利用を検討する際は、市区町村の福祉課で必ず確認しましょう。
まとめ
・成年後見制度は「判断がむずかしい人を裁判所が守る仕組み」
・安心感はあるが、費用や自由度の制限がデメリット
・法定後見と任意後見があり、状況によって選び方が変わる
・制度に振り回されず、「わが家に合うか?」を基準に考えることが大切
最後まで読んでいただき、ありがとうございました 🌸