- 投稿日:2025/08/31
- 更新日:2025/09/29

事業による「入金」と「出金」を見てみましょう
上図の右側が貸借対照表、左側が損益計算書です。お金を入れるルートは3つしかありません。①経営者ご自身の入金、②銀行等の借入、③お客さんからの売上。以上しかありません。最後の純利益を増やす、黒字の額を増やすなら売上高を増やすしかないんです。高配当株投資を勉強されている方は経常利益に注目されていると思います。それは上場企業だから銀行への金利交渉も出来るし経費の調整も出来るからです。一方で我々のような個人で事業を行う場合、頑張ることが出来るのは売上高のみです。販管費を下げるとするとエアコンを使わないとか、水道をこまめに節水するとかになりますが、微々たる金額しか節約できません。売上原価についてもディスカウントストアのように大量仕入れ、大量販売が出来ないと安く仕入れることが難しいです。宿題リストの家計管理と同じように、一度見直したらいったん固定費と考えて良い部分です。
売上は全てを癒すとは?
売上が大きくなると、それ以降引いていく金額(売上原価、販管費、利息、税金)の最期に純利益が残ります。この純利益も売上が大きくなることにともなって大きくなります。この引いていく金額を下げることは難しいですから売上さえ増えれば、小さい問題は残るとしてもALL OKとなるわけです。皆さんも売上を伸ばして全てを癒しましょう!(逆に言うと売上を上げるしかないとも言えますね)
売上とは?売上を分解します。
売上を分解すると客単価×客数となります。客単価を分解すると商品単価×買上点数になります。また、客数を分解すると顧客数×頻度となります。肝心なのはこれら全てが「トレードオフ」になります。どちらかが上がるとどちらかが下がる関係です。ここで大事になってくるのが創業計画書で記載した強みです。強みが付加価値となって単価を上げる根拠となります。
この中からひとつKPIを設定する
KPI(key performance indicators)とは、重要業績評価指標といいます。上図の商品単価、買上点数、顧客数、頻度のうち必ずひとつを選んで数字の改善に取り組むものです。前述の通りトレードオフなので、ふたつ選んではいけません。選んだKPIを元にPDCAサイクルを創業計画書をベースとして回してみてください。ここまで一体として行うことにより創業計画書を作成するメリットを得られやすくなると思います。
単価の高い商品を売れるようにする
①付加価値の高い新商品・新サービスを開発する
②単価、利幅がとれる商品の販売を強化する
③既存商品に高い付加価値をつける
販売数を上げる
①客数を増やす(新規のお客さんを増やす)
②客単価(購買点数、購買量)を上げる
③既存客の購買頻度を上げる
④見込み客の購入促進
過去の売上データを分析する
マーケティングの世界では80対20の法則(よく買いに来てくれる上位20%のお客さんが80%の売上に貢献してくれていることが多い)といわれます。次に、上位20%~50%のお客さんが20%弱の売上に貢献してくれていて、残り50%のお客さんが残り数%の売上に貢献してくれているというものです。戦略としてはこの固定客・リピーター(上位20%のお客さん)を大切にしつつ、上位20%~50%のお客さんをいかに固定客・リピーターになってもらうかを考えるとよいです。(数字はあくまでも例です。ご自身の売上データで分析してみてください。)