- 投稿日:2025/09/03
- 更新日:2025/10/18
【体験談】川崎病は珍しくない。親が気づいて行動するために知っておきたいこと
子どもの高熱が続くと、「風邪かな?コロナかな?」と考えがちですが、
川崎病も決してまれな病気ではありません。日本では毎年1万例以上報告されている、比較的よくある小児の病気のひとつです。
放置すれば重い合併症(冠動脈瘤など)につながることもあります。
この記事では、私の4歳の子どもが実際に川崎病と診断された体験をもとに、
「どんなサインに気づくべきか」「どう行動すれば後悔しないか」をまとめました。
読むのに5分ほどですが、もしものときに大きな助けになるはずです。
最初に伝えたい結論
川崎病は、最初からすべての症状がそろう病気ではありません。だからこそ
「ただの風邪」や「他の感染症」と間違えられやすいのです。
私が一番伝えたいのは、
「高熱が続いて、目が赤くなる・発疹が出るなどの症状があれば、川崎病を疑ってほしい」 ということです。
そして、疑わしいと思ったら、
◎「川崎病ではないですか?」と医師に聞くこと
◎ 心エコーと血液検査をお願いすること
この2つを、迷わず行動に移してほしいのです。
これだけで、重度の合併症を防げる可能性がぐんと高まります。
我が子が川崎病と診断されるまでの経過
ここで、私の子どもが川崎病と診断されるまでの流れを、時系列でお伝えします。
1〜2日目:37.6度前後の微熱と扁桃腺の腫れ。コロナ・溶連菌の検査を受けるが陰性。夜には38度台まで発熱。
3日目:熱は39度。手足に軽い発疹が出始め、両目も少し赤くなる。
4日目:全身にひどい発疹、熱は39度、目の充血も悪化。アデノウイルス検査をするが陰性。医師からは「他の感染症の可能性」と言われる。しかし私は違和感を覚え、調べるうちに「川崎病かもしれない」と疑う。
5日目:依然39度の高熱。目は真っ赤で血が出そうに見えるほど。病院を変えて受診したところ、ようやく「川崎病の可能性あり」と診断され、大きな病院への紹介状を受ける。すぐに入院。
入院後:血液検査と心エコーを実施 → 心臓の血管が拡張しかけていた。免疫グロブリン療法をすぐに開始。その夜は40.5度まで上昇し、心拍数150台に。もし自宅にいたらと思うとゾッとする。
6日目以降:口や舌が赤紫色になり、発疹が徐々に引く。
7日目:熱は下がり、手足の腫れ、目の充血はやや改善。
8日目:発疹もほとんど消える。その後は順調に回復。
治療は 免疫グロブリン・アスピリン・シクロスポリン を使用しました。どれも炎症を抑え、冠動脈瘤(心臓の血管の合併症)を防ぐためのものです。
現在は元気に過ごしていますが、この時の不安と緊張は今でも忘れられません。
〜学び〜
症状がそろわなかったため、最初の病院では「感染症」と診断されてしまったこと。
そして、「川崎病かもしれない」と疑わなければ、受診が遅れた可能性がありました。
なので、「医師が否定しても、違和感があれば別の病院へ再受診する“行動”が大事」となります。
川崎病の特徴と落とし穴
川崎病は「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」と呼ばれる、全身の血管に炎症が起こる病気です。
〜主要な6つの症状(診断基準)〜

1) 3日以上続く発熱
2) 両目の充血(白目が真っ赤になる)
3) 発疹(体や手足に広がる・BCGあとが赤く腫れる)
4) 唇や口腔内の変化(いちご舌・口の赤み・ひび割れ)
5) 手足の変化(腫れ・赤み・回復期に皮がむける)
6) 首などのリンパ節の腫れ
👉 5つ以上が当てはまると診断されやすいですが、実際には 3〜4つの症状でも医師が治療を始めることが多くなっています。
〜落とし穴〜
症状が一気にそろわず、徐々に出ます。
子どもが元気に見えても夜に急変するので、元気なうちに診察を受けた方がいいです。
放置しても熱が下がりますが、その後の合併症が怖い!!
川崎病は「まれな病気」と思われがちですが、実際には日本では毎年多くの症例があり、決して無視できない小児の病気です。
そして、川崎病は感染症ではなく、人から人へうつる病気ではありません。
合併症:冠動脈瘤について
川崎病で最も注意すべき合併症が 冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう) です。
これは、心臓の血管(冠動脈)に炎症が起きて壁が弱くなり、一部が風船のように膨らんで「こぶ(瘤)」のようになる病変です。
冠動脈瘤が大きくなると血のかたまり(血栓)ができやすくなり、
それが血管を詰まらせると 心筋梗塞 を起こす危険があります。
いったん大きな冠動脈瘤ができてしまうと、後遺症として残る可能性もあります。
しかし、発症して間もない段階で治療を始めれば、冠動脈瘤ができる確率を大幅に減らせる ことがわかっています。
だからこそ「早期に疑って受診・治療すること」がとても重要なのです。
受診時に親ができること
川崎病は診断が難しいため、親が「おかしい」と思ったら行動することが何より大切です。
1.症状をしっかり伝える
→ 発熱の日数、体温の推移、発疹や目の充血はいつからか、メモしておくと診断の助けに。
2.「川崎病ではないですか?」と医師に聞く
→ 専門医でなくても、質問されれば検査や判断のきっかけになる。
3.心エコーと血液検査をお願いする
→ 川崎病と診断されなくても「合併症が心配なので」と伝えることで検査を受けやすくなる。
「医師に聞きにくい…」と思うかもしれませんが、重症化を防ぐためにも、聞いてみることがカギとなります。
入院生活と治療で学んだこと
入院したその日に治療が開始されました。
〜治療内容〜
免疫グロブリン(IVIG):体の炎症を一気に抑える
アスピリン:血をサラサラにして血栓を防ぐ
シクロスポリン:炎症を強く抑える、IVIGで不十分な場合や、より冠動脈瘤を合併するリスクを減らすために使用
〜入院生活の実際〜
入院期間は1〜2週間が目安(症状や合併症による)
元気が戻ってくると子どもは暇を持て余すので、絵本やおもちゃが必要になってきます。
また入院中定期的に、心エコーや採血がありますが、先生や看護師さんが安心できるように配慮してくれているので、不安は少ないです。
食欲や睡眠が回復してくると、徐々に安心できるようになりました。
まとめ
川崎病は珍しくなく、日本でも毎年多くの子どもが発症しています。
高熱+目の充血+発疹があれば「川崎病かも」と疑う目をもって欲しいです。
診断がつかなくても検査をお願いしたり、
違和感があれば再受診や病院を変えるなどの「行動」が子どもを守ることに繋がります!
最大の合併症である 冠動脈瘤を防ぐためには、早期治療が不可欠になるので、
この記事が、あなたの大切なご家族を守るきっかけになれば幸いです。