- 投稿日:2025/09/04

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要約
室町時代に誕生した伝統の酒母『菩提酛』。自然の乳酸菌が生み出す力強い酸と複雑な旨み、その奥深い味わいとは――?
日本酒にはさまざまな製法があります。「速醸酛」や「山廃」、「生酛」などは比較的知られていますが、それらのルーツにあたるのが「菩提酛(ぼだいもと)」です。
室町時代、奈良の正暦寺で僧侶たちが考案したこの技術は、現代日本酒の礎となりました。自然の力を活かした古来の製法は、500年以上の時を超えて今なお一部の蔵で受け継がれています。
「自然の酸で守られたお酒」という点で、現代の速醸酛の原点とも言える存在。今回は菩提酛の歴史や特徴を深掘りしながら、オススメの銘柄と料理のペアリングをご紹介します。
菩提酛とは?
菩提酛の特徴は、仕込みの前に「そやし水」と呼ばれる発酵水をつくることにあります。
・生米を水に浸し、そこに自然の乳酸菌を繁殖させる
・この「そやし水」を酒母に利用することで、雑菌を抑制
・発酵が安定し、複雑な酸味と旨みが生まれる
現代の速醸酛では乳酸を人工的に添加して安全に発酵させますが、菩提酛はあくまで自然界の乳酸菌の力に頼るのが大きな違いです。

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