- 投稿日:2025/09/16
- 更新日:2025/09/29

ネットを使っているとき、「私はロボットではありません」という認証画面に馴染みがある方は多いでしょう。セキュリティ技術としては正当な仕組みですが、近年、この画面を悪用した詐欺が増加しています。クリックやキーボード操作を促され、指示に従うとウイルスを仕込む偽サイトへつながってしまうこともあります。被害が拡大しており、「自分にも起こり得る」と感じるニュースが公表されています。
以下では、最新の統計データを交えてこの詐欺の危険性と防ぎ方を深掘りします。
詐欺の仕組みと“認証画面”悪用の可能性との関連
これらの手口には、
「“私はロボットではありません”認証画面を装う詐欺」も、こうした偽サイトやフィッシングと非常に近い手口である可能性が高いです。
特に:信頼できるサイトかのように見せかけてユーザーをだます操作を促し、普段しないような指示(キーボードショートカットなど)を介して裏で不正なダウンロードや情報取得を行う。
*「信頼を装う偽サイト」「偽メール・SMS」「ID・パスワードの盗用」などが共通要素
これらが、被害を引き起こす“入口”になり得ます。
最新の被害状況と数値で見るリアルなリスク
特殊詐欺全体の被害
東京都での令和6年(2024年~2025年途中)の特殊詐欺認知件数は 3,494件。
前年同期比で +576件 増加。被害総額は 約153億1,406万円。
前年同期と比べて約 71億6,548万円 の増加。 特に「オレオレ詐欺」の被害が大きく、東京都だけで 約108億8,563万円。
インターネット銀行・フィッシング関連の被害
フィッシングを用いてユーザーのID・パスワード等を盗み、インターネット銀行から不正送金される被害が急増中です。
例えば、令和5年11月末時点の被害件数は 5,147件、被害額は 約80.1億円。 組織的な被害も大きく、2024年のインターネットバンキングに係る不正送金事犯(警察庁のレポート)では、発生件数 4,369件、被害総額 約86億9,000万円。前年と比べ若干件数が減少したものの、被害額は依然として高水準。
特殊詐欺における1件あたり・1日あたりの被害規模の拡大
特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺も含む)で、令和6年では 1日あたりの被害額が約1億9,639万円。
前年と比べて約 +58.4% の増加。 また、既遂1件あたりの平均被害額も、 約350.3万円。前年と比べて +43.7% の上昇。これにより、「ひとつの被害が大きい」ことがより顕著に。
被害に遭うとどうなる?
銀行口座から金額が不正に送金される証券口座など金融商品関連の口座が乗っ取られ、不正取引額が数百億円規模となったケースも報告されている。
個人情報漏洩、クレジットカードの不正利用などデバイスがマルウェアに感染して操作不能になる、遠隔操作されるなどの被害
例えば、証券口座乗っ取りに関しては、
2025年1~5月までの間に不正アクセス件数が 10,422件、不正取引件数は 5,958件、その売買合計額は 5,240億円に上ったという報告があります。
これらの数字を見ると、「偽の認証操作」による小さな不注意が、最終的には数百万円、数億円の損失につながる可能性がある、ということがリアルに感じられるはずです。
防ぐための具体策
偽の認証画面を見極める
見た目が本物でも、URLやSSL証明書などをチェック。ポップアップウィンドウが不審であればすぐ閉じる。
キーボードショートカット操作を求められたら停止
通常の「私はロボットではありません」チェックでは、キー操作(Ctrl + Altなど)や複雑なショートカットは求められません。疑いましょう。
リンクを直接クリックしない
メール・SMS・広告のリンクは正規サイトを検索してアクセスする
ブラウザのセキュリティ機能活用 & 警告表示を無視しない
フィッシングサイト防止のためのブラウザ警告・セキュリティソフトのポップアップを無視しないこと
要素認証(MFA)を導入
たとえパスワードを盗まれても、ワンタイムパスワードやスマホ承認などがあれば被害を防げる可能性が高まります。
数字が示す警告と、あなたにできること
・特殊詐欺被害総額が100億円単位〜150億円規模に増加し、1件あたりの被害も数百万円規模になるケースが増えている。
・インターネット銀行・証券口座などでも被害が拡大中であり、偽の認証画面などの見慣れた画面を装う手口が入り込む余地が高い。
・小さな不注意(怪しい画面を閉じない、指示に疑いを持たないなど)が数百万円の被害へつながる事例が実際に発生している。
このような被害に遭わないために、日頃から「怪しい認証画面」「見慣れない操作要求」に敏感になることが防衛の第一歩です。