- 投稿日:2025/09/14
- 更新日:2025/10/11
こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。
前回の記事「前編」では、
●国公立大学が第一志望。でも、私立大も受験したほうがいいのかな…?
●私立大を受けるにしても、国公立大対策の時間をなるべく減らしたくない…
●自分に合った入試方式ってどんなもの?
●子どもには国公立大に進学してほしい。でも「もしも」に備えて私立大も受けておきたい。受験校はどう選べばいいの?
こんな悩みを持つ受験生や保護者のために、私立大入試の基本的な方式を整理しました。
そしてこの「後編」では、
●無理のない受験スケジュールはどう立てればいい?
●受験料や入学金の費用はどのくらいかかる?
●「滑り止め」とはいえ、本当に安全校かどうか、どう選べばいいの?
●私立大対策に時間を割きすぎて国公立大の勉強が疎かにならない?
こうした不安を解消しつつ、「自分に合った併願校の選び方」 を具体的にお伝えします。
はじめに|私立大併願の基本姿勢
国公立大を第一志望にしつつも「滑り止め」として私立大を受験する人は多いです。
ですが、 「どこでもいい」で私立大を受験するのは危険です。
対策もせずに不合格になってしまっては意味がありませんし、
せっかく合格しても、実際に進学することになった場合、
●「想像していた環境と違った」
●「納得できずに再受験を選んだ」
という後悔につながるケースも珍しくありません。
だからこそ、受験校は 優先順位づけ が大切です。
👉 チェックすべき軸
・立地
・環境
・学費
・卒業生の進路
など
自分の中で、もしくは家族と話し合って、ゆずれない軸をいくつか持っておくことが大切。
「もし進学することになったら、ここで頑張れるか?」
この視点で考えてみてください。
不安①|どのレベルの大学を受験すればいい?
私立大を複数受験するなら、同じレベルの大学ばかりにならないよう注意。
次の3つに分けてみましょう。
●安全校
模試で安定してA判定。過去問も余裕を持って合格最低点を超えられる大学。
●実力相応校
模試でB~C判定。過去問の手応えも悪くないし、しっかり準備すれば十分に合格が狙える大学。
●チャレンジ校
現状では難しいが、対策次第で可能性がある大学。「受けなかったら後悔する」と思える大学。
私立大学を受験する目的が、国公立大学の滑り止めとしてのみなのであれば、安全校だけを受験すればいいかもしれません。
一方で先に挙げた「ゆずれない軸」を考えたときに、チャレンジもしておきたいという人もいるかもしれません。
これらは価値観の話なので、じっくり考えてみてほしいと思います。
👉 ありがちな失敗は「有名大だから」と安易にチャレンジ校ばかりに出願してしまうこと。
しっかり比較検討して、バランスのいい受験パターンを作りましょう。
さらに、模試の判定だけに頼るのは危険。
模試ではA判定だったのに、実は出題傾向が自分の得意とマッチせず、不合格になってしまうというケースはよくある失敗例です。
過去問に必ず取り組むことを忘れないでください。
不安②|国公立大対策と私立大対策のバランスは?
基本は 国公立大対策が最優先。
ただし時期に応じて、私立大対策の比率を変えていきましょう。
●秋(9〜11月)
週に1日程度、私立大過去問に触れる。まだ「問題集感覚」で、大問ごとに少しずつでOK。
●12月〜共通テスト前
共通テスト対策を最優先。私大の出願校は12月半ば頃までに決め、準備を完了させておく。
●共通テスト後〜私立大入試本番まで
私大過去問をテスト形式で複数年分解く。本番慣れを意識。
👉 ポイントは「早い段階から傾向を知っておく」こと。
出願先を決めるには必須です。
傾向とは
・頻出分野は?
・問題の難易度は?
・試験時間に対して問題量は多い?少ない?
・回答は記述式?マーク式?
・過去の合格最低点は?
などです。
不安③|私立大受験にはどのくらい費用がかかる?
参考までに、国公立大学の費用も記載します。
一般選抜の受験料
・国公立大:1回17,000円
・私立大(独自試験型)※非医学部医学科:1回30,000〜35,000円が相場
・共通テスト利用型※非医学部医学科:1回15,000〜18,000円前後
多くの私立大には 学内併願割引制度 があります。
例①:1試験日で3学科まで35,000円
例②:2出願までは¥20,000円。3出願目以降からは¥10,000円追加
など
加えて必要になる費用は…
●移動費・宿泊費
●入学金(私立:約22.5万円、国立:約28.2万円、公立:約14.1万円)
●4年間の総費用(私立文系:約450万円、私立理系:約600万円、国立:約242.5万円、公立:約222.5万円)※大学・学部によって異なります
●都市部での一人暮らし:東京で月13万円〜14万円前後、大阪で11〜13万円前後が多いようです
👉 出願前に「費用シミュレーション」をしておくと安心です。
不安④|無理のない受験スケジュールは?
抑えるべきは次の4点です。
●出願締切日
●試験日
●合否発表日
●入学手続日
一つのカレンダーで視覚的に管理することを推奨します。
ポイントまとめ
●出願校は12月半ばまでに決定、出願方法のチェック・書類は早めに準備。
●出願をギリギリまで検討する場合も、出願準備だけは先に終えておく。
●連続受験は2~3日連続までが目安。4日連続以上は集中力が落ちやすい。
●地方会場を活用して、移動や宿泊の負担を減らす。
●宿泊が必要なら、ホテルは先に予約→不要ならキャンセルが安全。
●合否発表と手続締切を確認して、入学金の無駄払いを防ぐ。

おわりに
ここで紹介したのは、あくまで一般的な目安です。
実際の戦略は、あなたやご家庭の状況に合わせて組み立てる必要があります。
国公立大志望だからこそ、早めの準備が大切。
余裕を持って併願校を選び、本命に全力を注げるようにしましょう。
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