• 投稿日:2025/09/21
  • 更新日:2025/10/11
生徒をやる気にさせる面談のコツ|10年超の経験から学んだ「聞き方」と「信頼関係」

生徒をやる気にさせる面談のコツ|10年超の経験から学んだ「聞き方」と「信頼関係」

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たけいし@受験の相談室$大学受験$

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こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。

予備校で10年以上、大学受験を目指す生徒との面談をしてきました。
「うまくいった面談」もあれば「これは失敗だったな…」という反省もあります。

今回はその経験を振り返り、

●人はどんな相手の言葉なら聞こうとするのか

●面談で意識したい「話の聞き方」
この2点をテーマにまとめてみます。

先生や講師だけでなく、保護者の方にも参考になる部分があると思います。

1.人はどんな相手からの言葉なら聞くのか

まず前提となる事ですが、生徒との信頼関係は面談に臨むうえでとても大切です。
「何を言うか」も大事ですが、同じくらい「誰が言うか」も大事です。

生徒と信頼関係を築くために必要なのは、優しさを見せることではないと思います。優しいことは良いことではありますが、優しくしたからOKというわけではないんだな・・・と私は経験から学びました。

それでは何を意識すればいいのか。
どんな相手からの言葉になら聞こうとするのかというと
×優しい人
×厳しい人
×頭の良さそうな人
×正しいことを言う人 etc・・・
自分のことをよく見て、知ってくれている人
だと思います。
「面談で何を言うか」よりも、まずは「普段からどれだけ生徒を見ているか」を大事にしましょう。
これが疎かなままで、いざ面談で必死に「伝えよう」と思っても、相手には伝わりません。
日頃からよく生徒を観察して、承認するようにしてください。

信頼関係は「承認」の積み重ねから

承認とは「褒めること」だけではありません。
例えば自習室に残って勉強していた生徒に対して、
「お、自習で残っているんだね」
この一言だけでも十分です。

日常の小さな声かけの積み重ねが、
「先生は自分を見てくれている」
という信頼につながります。

逆に、高圧的な言い方や威圧的な態度は信頼を損ねるだけ。教育現場でもっと意識されるべきポイントだと思います。

2. 面談での「聞き方」のポイント

私が意識してきたのは、「何を話すかよりもどう聞くか」です。
以下の6点は特に効果的でした。

①笑顔でスタートする
先生の方から「話したい」という雰囲気を先出しする

②ちゃんと体ごと向けて聞く
メモを取る関係で顔や体を向けられないときでも、頷きを忘れない

③相手が話したいことをまずは全部出させてあげる
途中で遮らない

④時間とテーマを最初に共有する
面談時間に上限がある場合は、「今回はコレコレについて話そうね」というテーマと目安時間をはじめに共有しておくといい。お互いそのゴールに向けて何を話せばいいのかが明確になる。
※「うまくハンドリングして、上手な切り上げ方を身につけよう」という職員もいましたが、基本的に人は自分が話しているときにハンドリングなんてされたくないし、毎回うまく切り上げられるかなんて分からないので、私は先にゴールを共通認識にするという方法を取っていました。無理に話を切り上げられたと相手が感じれば信頼感も低下するでしょうから、注意が必要です。

⑤否定の代わりに提案を心がける。
「指示」ではなく「提案」という形で

⑥問いかけを大切にする
「どうすればいいと思う?」と考える機会を与える

ちゃんと話を聞いてくれているなと感じてもらえたら、生徒は話をするうちに自分で思考を整理してくれます。
勉強や進路で悩んでいても、時間はかかるかもしれませんが、自力で「どうすればいいか」を考えて乗り越えてくれるようになります。
また、ちゃんと話を聞いてくれているなと感じてもらえたら、いざ指導や提案が必要となった場面で、スッと受け止めてくれやすくなります。

3. 迎合しない勇気

これは私自身の反省点として挙げておきたいと思います。

ある生徒&保護者との進路面談のことでした。
その親子は、進路や今後の学習方針について私と考えを共有したり話し合ったりするスタンスではなく、「我々はすでにこう決めているから、あなたはそれに沿った業務をしてくれればいい」というスタンスの方でした。
自分たちで考えを持てていることはいいのですが、考えに柔軟性がなく、「受験に向けて一緒にがんばろう」というよりは、「私たちの役に立つこと以外はしないでください」といった感じでした。(少なくとも私にはそう感じられました)

その親子が考えていた内容にいくつか指摘したいことはあったのですが、そのときは迎合するカタチとなってしまいました。
それが全ての原因ではないと思いますが、しかし結果としてその生徒は目標とする志望校には合格できませんでした。

この経験から、自信を持って生徒を導いていく意識がとても大切だと学びました。

最終的な決断は生徒自身がするものですが、より良い決断を後押しするために、プロとして勇気と責任を持って情報を伝えることはとても大切だと思います。

生徒の学力や保護者の圧力に左右されずに、「相手の主張を受け止め承認すること」と「プロとして伝えるべき情報はきちんと伝えること」の両立を心がけて面談してください。

まとめ

今回は、生徒との面談に臨むときに意識したいポイントとして

●人はどんな相手の言葉を聞くのか

●面談での「聞き方」

について私の経験からお伝えしました。

面談は「指導の場」でもあり「信頼関係を深める場」でもあります。
生徒が安心して話せる環境をつくることが、最終的には受験での大きな力になるはずです。

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