- 投稿日:2025/10/09
- 更新日:2025/10/09

1.はじめに
「頼んでもやってくれない」
「言わないと気づかない」
「こっちは毎日やってるのに…」
──家事しない旦那にモヤッとしたこと、ありませんか?
多くの人が「やる気がない」「性格の問題」と思いがちですが、実はそうではありません。
家事を“やる・やらない”を分けているのは、気持ちではなく仕組みなんです。
脳は“不定期な行動”を「重要ではない」と判断します。
つまり、週1回頑張るよりも、毎日少しだけでもやる方が、定着しやすい。
この記事では、「手伝わせる」ではなく「習慣化させる」ための具体的な考え方と仕組みを紹介します。
“やる気を引き出す”のではなく、“自然と動きたくなる”行動設計。
ストレスなく家事分担が回り始めるヒントを、一緒に見ていきましょう💡
2.ここだけは抑えて!
旦那が家事をしないのは、“サボっている”からではありません。
多くの場合、「自分の役割」だと認識していないだけなんです。
つまり、家事を“手伝い”として頼んでいるうちは、
脳の中で「たまにやること=自分の仕事ではない」と分類されてしまいます。
本当に行動を変えるには、
「やる・やらない」を話し合うよりも、
“どうすれば自然に動ける環境になるか”を設計すること。
怒るより、仕組みを変える。
これが、家事を「自分ごと化」させる第一歩です。
3.「やってる最中の“気持ちよさ”」が、行動を続けさせ
人の行動は、“やった結果の快・不快”ではなく、
“やっている最中の快・不快”によって強化されます。
たとえば「ありがとう」と言われて嬉しい──これは結果の快。
でも本当に習慣になるのは、「手を動かしていると落ち着く」「片づけるとスッとする」といった行動中の快です。
脳は「行動と快感がセットになった経験」を繰り返そうとします。
だから、家事を“嫌な義務”として始めると、どれだけ褒めても定着しません。
逆に、“行動自体が心地よい”という記憶が残ると、自然と体が動きます。
つまり、旦那に家事をしてもらうカギは「褒めること」ではなく、
“気持ちよく動ける体験”を積ませることなんです。
4.「週1の大仕事」より「毎日の小さな動き」
旦那に家事を“習慣化”してもらうには、最初のハードルを驚くほど低くすることが大切です。
脳は「面倒くさそう」と感じた瞬間、行動を止めてしまうからです。
最初にやってもらうのは、
食卓を拭くコップを流しに運ぶ洗面所のタオルを替えるゴミ箱の袋を整える玄関の靴をそろえる
──すべて“毎日できる”“すぐ終わる”動きに絞ります。
ポイントは、“たまに頑張る”ではなく、“毎日ちょっと”。
行動の負荷を下げて頻度を上げることで、脳が「これは日課だ」と認識します。
最初の目的は「手伝わせる」ことではなく、
“行動することへの抵抗をなくす”こと。
その小さな動きが、習慣の入り口になります🧺✨
5.「やらせる」から「気づいたら動いてた」へ
ある家庭では、奥さんがずっと「家事を手伝って」と頼んでも、旦那さんはなかなか動きませんでした。
頼まれるたびに「今やろうと思ってた」と言いながら、結局やらない──よくあるパターンです。
そこで奥さんは、頼み方を変えました。
「食器洗って」ではなく、「食卓を拭いておいてくれる?」の一言だけに。
時間にすれば30秒ほどの軽い作業です。
最初は気まぐれでも、毎晩その流れが続くうちに、
旦那さんは“夕食後=食卓を拭く時間”と自然に認識するようになりました。
ある日、何も言わなくても布巾を取りに行っていたのです。
その瞬間、奥さんは気づきました。
人は「言われたからやる」よりも、「毎日やっているうちに体が覚える」。
行動を変えるのは意志ではなく、リズムなんです
6.今日からできる3ステップ
🧩「やらせる」より“快に気づかせる”仕組みをつくる
旦那が家事を“続けられない”のは、「めんどくさい」からではなく、“やってる途中の気持ちよさ”を体験していないからです。
人は“気持ちいい”と感じた動作を繰り返そうとします。つまり、褒められて嬉しいよりも、「動くと気分がスッとする」という瞬間を感じられることが、習慣化のカギ。
奥さんが意識すべきなのは、旦那に“家事の結果(キレイ・助かった)”ではなく、
“家事の途中(動いている瞬間)”に快を感じさせる環境をつくることです。
🌱 旦那が“快に気づく”よう促す3つのアクション
① ひとつの動作だけをお願いする
「いくつかお願い」はNG。まずは“1アクション”に絞りましょう。・「コップだけ流しに持っていってもらえる?」・「テーブル、ちょっと拭いてくれる?」
小さく区切ると、集中しやすく“完結の気持ちよさ”が生まれます。
② 感覚を“実況”ではなく“気分”で共有する
旦那が動いた瞬間に、「部屋がちょっとスッとしたね」「ここ、きれいになると気持ちいいね」「なんか、いい感じになった」といった**“空気の変化”を一緒に感じる言葉**を添えましょう。
💬ポイントは、“説明”ではなく“感情”。「ありがとう」より、「落ち着くね」「気持ちいいね」の方が、相手の脳に“快”をやわらかく残します。
③ “変化”を一緒に見る
旦那が動いた直後に、「ここ明るくなったね」「スッとした感じ、いいね」と、変化そのものを一緒に感じてください。
1秒でいい。その視覚的達成感が、脳に快として記憶されます。
「手伝った」ではなく、「一緒に整えた」という体験が、
“またやろう”という動機をつくります。
🪜 習慣を根づかせる3ステップ
🥄① “小さく・毎日”を決める
最初は“考えずにできるレベル”で。・コップを流しに運ぶ・テーブルを拭く・洗面所のタオルを替える──1分以内で終わる動きを、毎日の習慣にします。
⏰② “タイミング”を決めてリズム化する
・夕食後=テーブルを拭く・出勤前=洗面所を整える行動を日常の“流れの中”に固定すると、「考える前に動く」が自然に起こります。
💬③ “快”を一緒に見つけて言葉にする
行動後の「助かった」ではなく、行動中の「気持ちいいね」「この感じ、好きだな」を共有。その“空気の共有”が、旦那の脳に「動く=心地いい」を植え付けます。
奥さんが“快を設計する側”に回れば、旦那は“やらされる人”から“動きたくなる人”へ変わります。
家事は「頼むこと」ではなく、「気持ちよさを一緒に感じる時間」に変わる。
結果よりも過程に光を当てると、家庭の空気は穏やかに、静かに変わっていきます🧺✨
7.最後に
💡「変えよう」ではなく「気づけるように整える」
旦那に家事をしてもらうとき、つい「もっとやってほしい」「なんでできないの?」と、気持ちでぶつけてしまいがちです。でも、人の行動は「意志」ではなく「環境」によって決まります。
怒るより、仕組みを変える。説得するより、気づけるように整える。この小さなシフトこそが、長く続く習慣のいちばんの近道です。
やる気を引き出すのではなく、「動くと気持ちいい」を感じられる状況を増やす。
“やってあげる”ではなく、“一緒に整える”。
家事を通じて旦那が「動くことの心地よさ」に気づいたとき、それは“分担”ではなく、“共有”に変わります。
家庭の空気は、努力で変えるものではありません。感じられる場を設計することで、自然に変わっていくものです。
毎日の暮らしの中で、「言わなくても動いてくれる」関係は、意志や我慢の結果ではなく、
“気持ちよさの設計”の積み重ねです。
無理に変えようとしなくても大丈夫。気づける仕組みを整えるだけで、人は自然に動きます。
行動は意志ではなく、設計で変わる。夫婦関係もまた、同じです。