- 投稿日:2025/10/10

皆さんは、世界で最初に書かれた投資本を知っていますか?
330年以上も前の1688年、世界で最初の投資本が書かれました。
その内容が今でも十分に役立つものだったので、ここで紹介します!
世界最古の投資本
みなさんは、世界で最初に書かれた投資本を知っていますか?
金融情報の発信を行っているブルームバーグによると、それは「Confusion of Confusions(混乱の混乱)」です!
参考:The first book written about a stock market is selling for 300,000
今から330年以上も前の1688年、Joseph Penso de la Vegaという人物によって書かれました。
彼は16世紀の初頭に、スペインからオランダへ移住したユダヤ人です。
1602年、オランダ東インド会社が「アムステルダム証券取引所」を設立しました。
この本は、そこで取引するために書かれた入門書です。
取引所の仕組み・取引のやり方・投資アドバイスなどが、スペイン語で記されています。
なんとこの本、今でも買って読むことが可能です!
アマゾンでは、英訳版のソフトカバー本が約2,000円で売られていますよ。
しかしこれが初版となると、話が違います。
現存する数は10冊もなく、オークションでは30万ドル(約4,500万円)もの値が付いたのです!
著者の思い
この本の序文には、著者であるVega氏の思いが書かれています。
なんでも、彼がこの本を書いたのは「相場に関する混乱を消したい」という強い願望からだそう!
本のタイトルはどうも、ここから来ているみたいですね。
また取引所における「誠実ではない慣習」も、彼がこの本で伝えたいことでした。
本の中では「市場は誠実な事業であり、尊敬すべき事業である」と述べる一方…
「市場には、アナタを利用しようとする人々がいる」という警告も発しています。
この警告は、330年経った今でもまったく色褪せていません。
むしろ現代の方が、情報が溢れている分だけ混乱は増しているかもしれませんね。
4つの投資アドバイス
この本には、大きく4つの投資アドバイスが書かれています。
それが今日でも十分に通用する内容だったので、以下に書き出してみましょう!
①間違えているかもしれないので、他人に売買のアドバイスはしない
②逃した利益は決して後悔せず、取れる利益だけを全部取っていこう
③市場取引による利益は水物で、今日の利益は明日の損失になりえる
④相場で成功したいのなら、忍耐とお金を持っていなければならない
何百年・何千年と読み継がれている古典には、何かしらの「正しさ」があります。
なぜなら本当に中身のあるものでなければ、長年の批判に耐えて現代まで伝わることはないからです。
そう考えると、この本の投資アドバイスには深い意味があるといえます。
古い本だとバカにせず、良き学びとして積極的に取り入れたいですね!
自身の投資経験から感じること
自分自身20年以上も投資を経験してきて、上記4つのアドバイスでことごとく失敗してきました。
そして、その代償は決して小さくなかったです。笑
特に痛感したのは、2つ目の「逃した利益は決して後悔せず、取れる利益だけを全部取っていこう」というアドバイス!
ビットコインが急騰しているのを見て、「あの時買っておけば…」と強く後悔しました。
そして焦りから、すでに高値圏にあったビットコインを慌てて購入してしまったのです。
結果は、皆さんのご想像の通り。
購入からしばらくして下落を始め、僕は大きな損失を抱えることになりました。
参考:【後悔】仮想通貨への投資で大損!行動経済学で自分の失敗を分析してみた
この経験から学んだのは、「逃した利益」に執着することの危険性です。
市場には常に、新しいチャンスがあります。
過去の機会損失に囚われるあまり、冷静な判断力を失ってしまっては本末転倒です。
また3つ目の「市場取引による利益は水物で、今日の利益は明日の損失になりえる」という教えも、身をもって体験しました。
運良く連続して利益を出すことができ、調子に乗った僕は投資額を大幅に増やしたのです。
「このペースならもっと稼げるはずだ」という、根拠のない自信に満ちていました。
しかしそれから、市場環境が一変。
それまでの利益はあっという間に吹き飛び、むしろマイナスになってしまいました。
Vega氏の言葉通り、投資の利益は本当に「水物」だったのです。
この経験以来、僕は好調な時こそリスク管理を徹底するよう心がけています。
古典の価値
330年前の投資アドバイスが、なぜ現代でも通用するのでしょうか?
それは市場の本質や人間の心理は、時代が変わっても根本的には変わらないからです!
確かに、現代の投資環境は大きく変化しました。
高頻度取引・AI投資・暗号資産など、Vega氏の時代には想像もできなかった技術やツールが登場しています。
しかし市場を動かしているのは今も昔も人間であり、恐怖と欲望という感情が市場を支配している点は変わりません。
実際に僕が投資で失敗した理由を振り返ってみると、そのほとんどが感情的な判断によるものでした。
恐怖から動けなくなったり、欲望から過度なリスクを取ったり…
知識を増やすことも大切ですが、それ以上に重要なのは自分の感情をコントロールすることなのだと気づきました。
Vega氏の4つのアドバイスは、まさにこの感情コントロールの本質を突いています!
①他人にアドバイスしないのは謙虚さを保つため
②逃した利益を後悔しないのは冷静さを保つため
③利益は水物だと認識するのは慢心を防ぐため
④忍耐と資金を持つのは心の余裕を確保するため
すべては、感情に振り回されない投資家になるための知恵なのです。
古典を学ぶ価値は、まさにここにあります!
表面的な投資テクニックは時代とともに変化しますが、投資の本質的な原則は不変です。
むしろ情報過多の現代だからこそ、シンプルで本質的な古典の知恵が光るのかもしれません。
僕自身、この世界最古の投資本の存在を知ってから、他の古典的な投資書籍にも興味を持つようになりました。
ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」など、時代を超えて読み継がれている本にはやはり普遍的な真理が含まれています。
まとめ
世界最古の投資本「Confusion of Confusions」は、330年以上前に書かれたにもかかわらず、現代の投資家にとっても極めて有益な知恵を提供してくれます。
Vega氏が残した4つのアドバイスは僕自身の投資経験を通じても、その正しさを何度も確認することになりました。
最新の投資理論や分析手法を学ぶことも重要ですが、時には立ち止まって古典に目を向けることも大切です。
そこには、時代を超えて変わらない投資の本質が記されています。
もしあなたが投資で悩んでいるなら、最新の情報を追いかけるだけでなく、330年前のVega氏の言葉に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
きっと現代の混乱した投資環境の中で、あなたの道標となってくれるはずです!