- 投稿日:2025/10/13
- 更新日:2025/10/18
🌸はじめに
「保育士さんって大変ですよね。あんなにたくさんの子どもを見ていて…」
保育士をしていると、よくそんな言葉をかけて頂きます。
たしかに大変なことも。
でも、子育てはもっと大変です。もちろん、そんな言葉で片付けられない素敵な時間はたくさんあります。でも、
「大変って言っちゃいけない」「もっと楽しまなきゃ」
そんな理想に押しつぶされそうになる日もありますよね。
はじめまして。
幼稚園で9年、子ども園で8年、幼児教育に携わってきた現役保育士です。
この記事では、2〜3歳で初めて園に通うお子さんの保護者の方へ向けて、
「入園準備のチェックリスト」ではなく、
現場で実際に起こっているリアルな会話や関わり方をお届けします。
🍀入園前、よく聞くお悩み
雑誌やネットでは「入園までにしておきたいこと○選!」なんて記事をよく見ますよね。
トイレトレーニング、着替え、あいさつ…。
もちろん大事なことですが、現実はそんなにきれいごとばかりではありません。
「下の子がいて、思うように練習できない」
「一人っ子だから、他の子と比べて不安」
「毎日が精一杯で、気づいたら寝かしつけの時間」
——そうですよね。
名もなき家事や名もなき育児で、毎日があっという間に過ぎていきます。
🍚「食べること」って、思っているより奥が深い

入園前の相談でとても多いのが「食べない」「偏食」のお悩みです。
👩👨「緑のものは食べません」
👩👨「食べるのが遅くて…」
👩👨「納豆とごはんしか食べないんです」
😊「大丈夫ですよ。みんなと一緒なら、少しずつチャレンジしています」
🧡園でのリアルな様子
はじめは座って食べることさえままならない毎日。上記の画像のような穏やかな食事風景になるには時間かかっています。
まずは、
😊「ご飯の時は、おイスに座って食べようね」
からです。
・何も食べようとしない子
・白ごはんだけ食べる子
・揚げ物の衣だけ食べる子
・ご飯の上に出来るだけたくさんのおかずを乗せた全部盛りになっている子
・口に入る量以上の量を口に詰め込もうとする子
・ずっとモグモグしている子
ごはんを食べる様子は多種多様です。
👶「これきらーい」
😊「食べたことない?じゃあクンクン匂いをかいでみてみる?」
😊「くちびるに、チュってしてみる?」
得体の知れないものを口に運ぶ恐怖、大人でもわかりますよね。
😊「おうちでハンバーグって食べたことある?そのハンバーグの友だちだよ」
家で食べているハンバーグとは色も形も違います。
子どもたちにとっては、家のハンバーグが自分の知っているハンバーグなのです。
知らないもの⇨ちょっとだけ知ってるもの 少しずつお知り合いになっていきます。
😊「1つだけピカピカにしてみようか」
😊「○○くんと一緒に、せーので食べてみよう」
😊「前は食べられなかったけれど、今日はちょっと食べられたね、すごい!」
😊「ゴックンと飲み込んだら、おなかさん喜んでるよー」
(この辺の擬人化は園によって違うと思いますが・・・)
「がんばれ、がんばれ」って、友だちが応援団みたいに大合唱になっていることもあります。
最初は“知らないもの”でも、少しずつ“ちょっと知ってるもの”になっていきます。そしてある日、うっかり食べてしまうことも。
好き嫌いがすぐに直るわけではないし、大人になるまで直らないかもしれません。
でも、「ぼくピーマン食べたことある!」という成功体験の積み重ねが、
子どもの「やってみよう!」という自信につながっていくのです
🌼保育士として、母として
実は私にも2人の息子がいます。
仕事でたくさんの子どもたちと関わってきたのに、
自分の子どもとなると、頭でわかっていたことができなくなる瞬間がたくさんありました。
「親なんだから、何とかしなきゃ」
そんな風に思い肩に力が入りすぎる時期もありました。(もちろん大きくなった今も色々あります😊)
だからこそ、お家の方の気持ちが少しでも軽くなってほしいのです。
🌳さいごに
園によって方針はさまざまですが、
どの園でも共通しているのは、子どもの「根っこ」を育てたいという思い。
しっかり眠って、朝ごはんを食べて、
1日5分でもぎゅっと抱きしめて、
「あなたがいてくれてうれしい」と伝えること。
それだけでも、子どもの心に大きな力が育ちます。
現実、腹が立つことも、かわいいと思えない時も、自分の心に余裕がない時も「私って、父親失格かも、母親失格かも」って思う時もあると思います。
子どもが1歳なら、父母も「お父さんお母さん年齢1歳」です。
保育士は、子どもの成長とともに、
おうちの方の心の健康も応援しています🍀
最後まで読んでいただきありがとうございました😊