- 投稿日:2025/10/20
- 更新日:2025/11/05
今、投資ムードが高まっている
株式市場は堅調に推移し、新NISAの開始もあって投資への関心が一気に高まっています。
「高配当株投資」という言葉をよく目にするようになりましたね。
「定期的に配当金がもらえる」
「不労所得が手に入る」
という魅力的なフレーズに惹かれて、高配当株投資を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。
「今買わないと乗り遅れる」
「みんなが買っているから自分も…」
そんな焦りの気持ちで投資を始めようとしていませんか?
結論:高配当株投資は焦らなくていい
結論から言います。
高配当株投資は焦って始める必要はありません。
むしろ、焦って今の株高局面で買ってしまうと、高配当株投資の最大のメリットを享受できなくなる可能性があります。
なぜ焦らなくていいのか。
理由は2つあります。
1. 高配当株投資はタイミング投資だから
2. 配当金は年2回しかもらえないから
それぞれ詳しく解説していきます。
理由①:高配当株投資はタイミング投資
高配当株は安い時に購入するタイミング投資が必要です。
どういうことか説明します。
### 優良高配当株は常に割高
高配当株投資で狙うべきは、「業績が安定していて、配当もしっかり出してくれる優良企業」です。
栄養のある金の卵を産むニワトリである必要がありますね。
しかし、こうした優良企業の株は多くの投資家が欲しがります。
その結果、株価は常に高止まりしやすいのです。
ここで重要なのが、配当利回りの計算式です。
配当利回り(%)= 年間配当金 ÷ 株価 × 100
引用ではありませんが、分かりやすくするために引用装飾させていただきます
この式を見れば分かる通り、配当金を株価で割っていますので、もらえる配当金が同じ額なら、株価が高いほど配当利回りは低くなりますね。
例えば、年間配当金が100円の銘柄があるとします。
株価が2,000円のとき → 配当利回り5.0%
株価が3,000円のとき → 配当利回り3.3%
同じ銘柄でも、株価が高いときに買うと配当利回りは大きく下がってしまうのです。
買い時は市場全体が下落したとき
では、優良な高配当株を高い配当利回りで買えるのはいつか?
答えは、市場全体が暴落しているときです。
過去のデータを見てみましょう。
コロナショック時の配当利回り変化(例)
2020年2月(暴落前):日経平均 約23,000円~約24,000円
配当利回りの平均:配当利回り約 2.0%前後
2020年3月(暴落時):日経平均 約16,500円(マイナス28%)
配当利回りの平均:配当利回り 4.5〜5.5%
株価が下がった分、配当利回りが跳ね上がっているのが分かります。
配当金の額は変わっていないのに、株価が下がったことで「お買い得」になったのです。
いわゆるバーゲンセールと呼ばれる状態ですね。
今(2025年10月20日)は株高局面
そして今、2025年10月現在、市場は株高局面にあると考えます。
つまり、優良な高配当株は割高で、配当利回りは低い状態なのです。
焦って今買うと、
❌ 高値で株を掴む
❌ 低い配当利回りしか得られない
という状況になります。
高配当株投資は「安いときに仕込む」のが鉄則です。
そのタイミングを待つことが、最も重要な戦略なのです。
理由②:配当金は年2回しかもらえない
日本企業の配当スケジュール
もう一つ、焦る必要がない理由があります。
それは、日本企業の多くの場合、配当金は年2回しか支払われないという事実です。
多くの日本企業は、以下のスケジュールで配当を支払います。
- 中間配当:9月末に権利確定 → 12月頃に支払い
- 期末配当:3月末に権利確定 → 6月頃に支払い
焦って買ってもすぐには配当はもらえない
例えば、今(10月)に焦って株を買ったとします。
次の配当の権利確定日はいつでしょうか?来年3月末です。
つまり、今買っても配当をもらえるのは約半年後なのです。
逆に言えば、半年も猶予があるということです。
その間に、
✅ どの銘柄を買うか、じっくり調査できる
✅ 市場の動向を観察できる
✅ より良い買い時(株価の下落)を待てる
焦って今すぐ買う必要は、まったくないのです。
「次がある」という安心感
さらに、配当は年2回あります。
今回の権利確定日を逃しても、半年後には次のチャンスが来るのです。
この「次がある」という事実も、焦る必要がない理由の一つです。
配当をもらうチャンスは定期的に訪れます。
だからこそ、慌てて高値で買うより、じっくり準備して次のチャンスを待つ方が賢明なのです。
では、今何をすべきか?
「焦らなくていい」と言っても、何もしないわけではありません。
今のうちにやるべきことは、むしろたくさんあります。
1. ウォッチリストを作る
買いたい高配当株の銘柄をリストアップしましょう。

✅ 業績が安定している企業
✅ 連続増配している企業
✅ 配当性向が適切な企業(30〜50%程度)
これらの条件を満たす銘柄をピックアップします。
2. 目標買値を決める
それぞれの銘柄について、「この価格なら買いたい」という目標を設定します。
例えば、
✅ 「配当利回り4.5%以上になったら買う」
✅「株価が○○円まで下がったら買う」
このように、明確な基準を持っておくことで、いざというときに迷わず行動できます。
3. 過去の暴落パターンを学ぶ
歴史は繰り返します。
過去の暴落(リーマンショック、コロナショック、チャイナショックなど)がどのように起こり、どのタイミングで回復したかを学びましょう。
そうすることで、次の暴落が来たときに冷静に対処できます。
4. 資金を準備して待機
いざチャンスが来たときに買えるよう、投資資金を準備しておきます。
✅ 生活防衛資金は確保する
✅ 余剰資金の範囲内で投資する
✅ 一度に全額投資せず、分割投資を検討する
5. 「待つ」ことも立派な投資戦略
投資の世界では、「何もしない」「待つ」という選択肢も重要な戦略です。
焦って動くより、じっくり待つことで大きなリターンを得られることも多いのです。
休むも相場という格言があるように、今は準備期間と捉えましょう。
まとめ:高配当株投資は長期戦
高配当株投資は、短期間で大きな利益を狙う投資ではありません。
長期間にわたって安定した配当収入を得ることが目的です。
だからこそ、
✅ 焦って高値で買う必要はない
✅ 市場の暴落という絶好のチャンスを待つべき
✅ 配当は年2回あるので、今回逃しても次がある
株高局面では、高配当株投資を始めるための「準備期間」ととらえましょう。
ウォッチリストを作り、勉強し、資金を準備し、次のチャンスを待つ。
そして、市場が大きく下落したときに冷静に買える投資家こそが、高配当株投資で成功する投資家です。
焦らず、じっくり、着実に。
それが高配当株投資の王道です。
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注意事項
本記事は高配当株投資の考え方を解説するものであり、特定の銘柄を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。
また、過去のデータは将来の結果を保証するものではありません。