- 投稿日:2025/11/01
- 更新日:2025/11/01
「資産は十分にあるし、会社を辞めても大丈夫なのは分かってる。
でも、なんか勿体なくて辞められないんだよね。」
そう話す知り合いが何人かいます。
彼ら・彼女らはみんな優秀で、安定した企業に勤めています。
理由を聞くと、多くの人はこう言います。
「今後も勤めていればもらえる給料がある」
「会社が社会保険料を払ってくれる」
「会社の信用で融資を引いて、不動産を購入できる」
つまり、“せっかく良い会社に勤めているのだから、
待遇や与信を最大限活かしてから辞めないと勿体ない”という考え方です。
確かに、一理ある話です。
でも実は、それこそが“勿体ない”考えかもしれません。
その「勿体ない」は、優先順位の何番目?
私は33歳で会社を辞めて、個人事業主として独立しました。
当時は研究開発職の係長。
仕事も人間関係も悪くなく、コロナ後は週4出社という働きやすい環境でした。
「仕事を辞めたい」と思ったことも特にありません。
それでも辞めたのは、「もっとやりたいこと」「もっとなりたい自分らしい暮らし方」が明確にあったからです。
「辞めたい」という後ろ向きな理由ではなく、「こう生きたい」という前向きな気持ちでした。
会社を辞めれば当然、給与や社会保険の保証、会社の信用などを失います。
指定された時間に職場にいるだけで収入が入るわけではありませんし、ローンも組みにくくなります。
それでも私は「勿体ない」とは感じませんでした。
なぜなら、自分にとって本当に大事なものを、明確にしていたからです。
優先順位を整理すると、“勿体ない”の正体が見えてくる
退職前、私は自分の価値観や優先順位をマインドマップで整理しました。
妻とも何度も話し合いました。
その結果、私が大切にしたいものは、
「自由」「健康」「妻との時間」「自己実現」だとわかりました。
一方で、世間一般で「勿体ない」と言われるもの――
たとえば社会保険料の会社負担や、企業の信用、安定した給与――
これらは、私の中では優先順位が低いものでした。
しかも、社会保険はマイクロ法人や社保加入サービスでカバーでき、
よくよく考えれば融資も必要とはしていませんでした。
このあたりはリベで学んで知識を蓄えたことも大きかったと思います。
つまり、冷静に分解して考えてみると、世間一般で“勿体ない”と言われることの多くは、私にとっては「大したことではなかった」のです。
確かにノーコスト・ノーリスクで得られるのであれば、ありがたくもらっておきますが、それより優先度が高いものが他にあるのであれば、そちらを優先するということです。
“勿体ない”という考え方が、いちばん勿体ない?
「勿体ない」という言葉は、本来“価値を活かしきれないこと”を指します。
でも多くの人が、「手放すこと」「将来手に入るはずの利益を享受しないこと」そのものを勿体ないと感じてしまいます。
たとえば、会社員としての安定や待遇を手放さない代わりに、
「自分の時間」「挑戦の機会」「本当にやりたいこと」を失ってしまう人もいます。
本当はもう辞めたいのに、”妖怪あとちょっと”に囚われてしまう人もいます。
それは短期的には得をしているように見えても、長期的には損をしている可能性があります。
そして給与や社会保険などは“取り替えがきく価値”ですが、
時間や経験、成長の機会は“取り戻せない価値”なのです。
もし私が当時「勿体ないから」と退職を先延ばしにしていたら、
人生の貴重な時間を浪費し、より大きな“勿体ない”を抱えていたと思います。
人生を後悔することにもなったかもしれません。
独立後に得たもの:収入よりも大きな自由と充実
独立後は、システムの導入支援を専門にしています。
やりがいのある仕事をでき、生活の満足度は大幅に上がり、幸いなことに報酬もサラリーマン時代の2倍以上に増えました。
通勤がなくなって運動の時間を確保でき、眠くなったら昼寝ができます。
妻と一緒に過ごす時間も増え、どこでも働ける自由を得ました。
社会保険や企業ブランドなどと比べ、どちらが自分の人生にとって価値が高いか、私の中では明らかです。
あのとき”勿体ない”に囚われて、退職に踏み切れなかったら、この充実は得られなかったに違いありません。
サラリーマンを続けるのも“正しい選択”です
ここで誤解していただきたくないのは、
「とにかく会社を辞めるのが正しい」という話ではないということです。
そうではなく、自分の価値観に合った選択をすることが大切です。
会社員として組織に所属していないとできないこともあります。
大きなプロジェクトに関われたり、仲間と成果を出すやりがいを感じたり、専門性を磨ける環境にいたり。
そうした経験に価値を感じるのであれば、それは素晴らしい選択です。
きっと大きな成果も残せるでしょう。
重要なのは、辞める/辞めない そのものではなく、“自分の価値観に基づいて選んでいるか”ということ。
他人や社会の基準で「勿体ない」と感じているなら、それは本当の意味でご自身の人生を生きていないかもしれません。
まとめ:本当に勿体ないのは、他人軸のせいで動けないこと
会社を辞める・辞めないに正解はありません。
ただし、「勿体ない」という言葉で自分の行動を止めてしまうのは、本質的ではありません。
あなたが“勿体ない”と感じているその対象は、
本当にあなたの人生において優先度が高く、重要なことでしょうか?
行動することで得られるものの方が、もっと価値が高くないでしょうか?
もし今回のお話が少しでも心に引っかかるようであれば、
一度立ち止まって、ご自身の価値観を整理してみてください。
そしてもし「本当はこう生きたい」と思う自分がいるのであれば、
“勿体ない”を理由に考えを止めず、何とかする方法を模索してみてはいかがでしょうか。
なぜなら自身が本当にしたいことを、他人軸のせいで実現できないことこそが、人生で一番勿体ないからです。
※とはいえ実際に退職へ踏み切るには、戸惑いもあると思います。
僕が退職するときに考えたことをこちらの記事にまとめましたので、ご参考になれば幸いです☺️
脱サラは怖くない❗️僕が不安ゼロ🙆♂️で独立に踏み切れた5つの理由
また、何かを決断するにあたっては、ご家族からの反対もあるかもしれません。
幸い僕は嫁ブロックに合わなかったのですが、その理由を妻に聞いてまとめたのがこちらです🙏
【聞いてみた🙋♂️】我が家で“嫁ブロック”が起きない理由【妻のホンネ🙆♀️】